今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

攻めのクレーム対応

(写真:秋の蝶)

■クレームには及び腰

苦しみは犬と一緒である。
怖がって逃げ出せば、後ろから追いかけてくる。だが、敢然と立ち向かえば、向こうが後ずさりして逃げてゆく。

若い頃から、よくそのように教えられたものである。
だが、実際に苦しみが来ると、どうしたら避けられるかばかりに気が行って、なかなか立ち向か向かうのは難しい。
消し去りたい過去と言うか、恥の告白と言うか、若い頃あまり出来の良くない仕事をして納品したことがある。
一旦納めるだけ納めて一息ついたのもつかの間、次の日から質問とクレームの嵐だった。
しかし恥ずかしいことに、顧客対応は営業の仕事と割り切っていた自分は、大事なクレーム対応ですら自分が矢面に立とうとしなかった。正直言えば、キツく言われるのが嫌で、スッカリ及び腰になっていたのだ。
しかし、責任の元凶である自分が前に出なくて収まるはずがない。
そして、とうとうお客さんが怒り出したのである。

■攻めのクレーム対応

「営業の裏に隠れて逃げ回っていないで、一度謝りに来い!」
お客さんの第一声であった。
「逃げ回っている」
そうきめつけられて絶句した。
都合の悪いことから逃げ回るなんて、一番職業人として情けないことだ、そう思っていた自分が、実はお客さんの目からは、その情けない人間に映っていたのだ。
すぐに取るものも取りあえず飛び出して、客先で謝罪した。当然、しっかり油を絞られたし、ペナルティとしてお客さんの仕事も手伝うことになった。
思えば、実にみっともなくて、恥ずかしいことをしていた。
しかし、それで学習したこともある。
とにかくクレームが起きたら先ず動く。
攻めのクレーム対応が大切と言うことだ。

■お客さんの腹に入る

我々職業人にとって、ともすればお客さんは百人のうちの一人。
だから、一人一人手をかけていたら、とても回らないと言う感覚になる。
しかし、お客さんにとっては1分の1である。だから、お客さんにとってのクレームは、自分たちの100倍重いし、自分の感覚ではなく、お客さんの感覚を基準に考えなくてはならない。
それは自分が客で、不良品を押し付けられた時の気持ちを思い出せば分かる。もし自分ごとで、購入先から後回しにされたり、面倒臭そうな対応をされたら、それこそ火のようになって怒るではないか。
そして、それが目の前のお客さんの気持ちなのだ。

■大切なクレーム対応のタイミング

もちろん、相手も大人だし、こちらをプロと思って立てているから、最初は遠慮しながら問い合わせてくるだろう。しかし、相手が聞く耳を持っているうちが大事である。
まず、相手の言い分によく耳を傾けて、何がクレームの原因になっているかを掴むことが大切である。そして、それを相手にも納得して貰う必要がある。
しかし、その機を逃してしまうと、本来通る理由が通らなくなる。一度感情的にこじれると、相手も振り上げた拳が下ろせなくなるし、とにかく収拾に何倍もの労力と時間がかかる。
だから、相手が気を使って良い対応をして下さっている内に、敢えてこちらから一歩踏み出す。真摯にクレームに向き合おうとしていることを理解してもらう。
相手が怒りだしてからは手遅れだし、納入した側の責任から逃げていると取られては残念だ。