今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

悔恨と羞恥の夜を経て、人はまた新生する(前編)

(写真:柿田川の流れ その6) ファットマン その輸送機は、ぶ厚い雲の上を飛んでいた。 細長い銀色の大きな機体、それを10幾つのプロペラでやっと持ち上げていた。 まるで大きな蜂の鈍い羽音のようにブブブブブと音を立てていた。 この輸送機には、数名…

マーケットインよりハートイン

(写真:柿田川の流れ その5) マーケットインとプロダクトアウト マーケティングの言葉に、「マーケットイン」と「プロダクトアウト」があります。 「プロダクトアウト」はモノづくりを優先する考え方です。 製造業で一時代を築いた日本人は、どうしても良…

即時着手、即時処理

(写真:柿田川の流れ その4) 積み上がる仕事 ちょっと油断しているだけで、たちまち膨れ上がるもの。 それは、机の上の未処理の書類。 自分の場合、未処理の仕事は一箇所に決めて分散しないようにしています。 なぜなら、あちらこちらと置き始めたら、あ…

コトと仕組みで初めて動く

(写真:柿田川の流れ その3) モノとコト 『モノづくりより、コトづくり』がスローガンのように言われ始めて、久しく経ちます。 製造業が日本の産業の花形だった時代、欧米より低コストで品質の良いものを生み出していたので、消費者はこぞって手に取りま…

ハープを演奏することによってハープ奏者になる。それと同じように、私たちは正しい行いをすることによって正しい人間になる。

(写真:柿田川の流れ その2) 私たちは何者か 私は何者か? そんな問いは、あえてするまでもないでしょう。 自分は男性、日本人、会社員、中管理職、妻ひとり、子供もひとりとか、私なりのアイデンティティはみんな自覚があります。対して、人からの評価も…

いっそ愚直に(後編)

(写真:柿田川の流れ その1) 開眼 「シュリハンドクよ。そなたに仕事を与えよう。箒で一心にこの場所を掃くのだ。そして、こう唱えよ。 『チリをはらわん、アカをのぞかん』と。」与えられたのは、わずか数部屋ほどの狭い場所であった。 しかし、その日か…

いっそ愚直に(中編)

(写真:青の富士) 久遠劫の正覚 「ドゥスタラよ、そなたがここに参ったのは、決して本意ではなかったことはよく存じておる。」十大弟子の一人、シュリハンドクがドゥスタラの経緯を仏陀から聞かされていても何ら不思議ではない。 ドゥスタラは、気を取り直…

いっそ愚直に(前編)

(写真:深緑と青空) 朝の森 森は闇と靄に沈んでいた。 ドゥスタラは、その中じっと座禅を組んで瞑想をしていた。 やがて、東天から昇った日の光が靄を通して、森の中を黄金色染め始める。 靄を生んでいるのは、地面から立ち上る朝の水蒸気だった。その水蒸…

答えは単純

(写真:鶴舞駅) 次世代を考える 次は何が来るでしょう。 ビジネスに関わる私たちにとって、常に関心があり、また気になる話題です。 今や技術革新が市場の破壊をもたらし、今まで安泰だと思っていたビジネスが急に壊死してしまいます。 それまで仕事の効率…

すぐ作業に結びつけようとするから見えなくなる。

(写真:滋賀の夕暮れ) 命題が与えられたら 「今世の中では、AIが盛んに言われているが、それを使った事業モデルを作ってくれないか?」例えば、そんな命題を与えられたとします。 一応、「はい」と答えはしますが、さて何をどうしますか? 困るのは、命…

懲りないところが良いところ

(写真:流れ行く京都) 怒られても、怒られても 「こらあ、またお前か!ちょっと来い!」「あ、あの、すいません。」「すいませんじゃないだろ。この業界入って何年になるんだ?」「え、と、あ、5年?」「バカ!27にもなって可愛く言えば許してもらえる…

買えと叫べ

(写真:南海なんば駅) 残念な営業マン 話も上手くて、スマートで、人気もあって、話題も豊富、だけれど売上は最低の営業マン、そんな人がいると言ったら信じられますか? 彼と一緒にいたら「凄いな、この人」と感心させられることばかりです。きっとお客さ…

本能に蓋をしろ

(写真:あさの難波) ゼロサムゲーム 「ゼロサムゲーム」と言う言葉があります。 日本語では「総和ゼロの競争」と翻訳されます。 例えば、私がパイを一切れ持っているとします。みんなは、それが欲しくてたまらないので、なんとか手に入れようと努力します…

持てる環境で戦う

(写真:よるの難波 その3) その男、信繁 昨年、お茶の間を席巻したもの、リオオリンピック、アメリカ大統領選、そして「真田丸」。 主人公は、真田幸村こと、真田信繁です。しかし、中盤の関ヶ原の戦いまでは、父親の真田昌幸の方が目立っていました。 関…

心の小さなエゴ

(写真:よるの難波 その2) 謹厳な武士 ある時、謹厳な武士が若党を連れて旅をしていました。 ふと気づくと一緒にいたはずの若党の姿が見当たりません。 はて、どうしたのか?と暫く足を止めて待っていると、やがて遅れて若党が駆けてきました。「申し訳あ…

上司こそ最大の武器

(写真:よるの難波 その1) 上司がいなければ仕事は早く進む? ある時、会社の上の人が言いました。「本当は上司なんてものは無い方が早く仕事は進むんだけど、無かったら無かったでトラブルが防げないしなあ。」サラリーマンの半ば口癖になっているのが「…

心を開くマジックワード

(写真:難波の夕暮れ) 頑なな人 「よくお越しになりましたね。」「ああ。」「どちらから、お越しになりましたか?」「まあ、近くじゃ。別にどこからでも良いじゃろ。」「・・・今日はどなたとお越しになりましたか?」「一人じゃよ。一人の参加はいかんと…

0.01パーセントの心の声(後編)

(写真:山鳩) ピンク色の勇気 そして、その日も老女は電車の中に立っていた。 ヨシオは見るとも無しに、広げた参考書の端から老女の姿を捉えていた。 ん、何だろう? 老女が手を振っている。 「いえ、いえ」をするように。 やがて、ピョコリと頭を下げて老…

0.01パーセントの心の声(中編)

(写真:堂々たるみどり) ピンク色のカーディガン そもそも、片道1時間半、往復3時間も通学に時間をかけるのなら、その分勉強した方が良いと思うのだが、ヨシオの父親によればそうではないらしい。 彼は1日3時間を通勤に使って、しかもその間資格試験の…

0.01パーセントの心の声(前編)

(写真:黄金の溢れる空) みかん色の電車 まだ、朝の7時前、冬の朝日に向かって走っていく電車を指さして母親はこう言った。「ほら、ヨシオ、みかん色の電車が走っていくわ。お父さんが乗っているのよ。」ヨシオの父親は若くして家を購入した。 元気なうち…

全員参加のボランティア

(写真:朝顔) 精舎建立 昔、昔のこと、国一番の大金持ちが、一人の聖者に心服しました。 その聖者は、なんとか皆んなに自分の話を聞いてもらいたいと願っていました。そして金持ちは、聖者のために多くの人が集まって話が聞ける場所を寄進したいと考えまし…

文章は忠実に人の能力を写しだす

(写真:地のアゲハ) 取り繕えないもの 肩書きや経歴、あるいは所属している団体のネームバリューが、その人を大きく見せる。 上場企業の部長さん、あるいはMBAフォルダーのビジネスマン、業界でトップメーカーのエンジニアなど、立派なレッテルを貼られ…

スイスチーズ方式

(写真:菊とつつじ) スイスチーズ方式 「スイスチーズ方式」。 なんか美味しそうですね。 実はこれ、私たちの事故を防ぐ取り組み方なのです。 今では、スライスとか、粉とか、いろんなチーズが身近になりましたが、「トムとジェリー」のような初期のアメリ…

凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない。(後編)

(写真:夜へと続く道) 二つの世界 なるべく周囲に溶け込めるように高価なものは身につけない。 電車通勤は許してもらえないので、唯一の移動手段のポルシェをわざわざ5分の場所に駐車して、会社までは歩いて行く。 昼食もみんなと馴染めるように、佐中清…

凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない。(中編)

(写真:昼下がりの港 その3) 最悪のコンタクト 東大寺歌陽子(かよこ)は、総務部で一番年の近い佐山清美の案内で開発部技術第5課に連れられて行った。 三葉ロボテクの開発部に、技術課は全部で5つある。 第1課は、新技術開発をメインに行う研究開発部…

凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない。(前編)

(写真:昼下がりの港 その2) 人間の心地よさとは何でしょう。 今の世の中はストレス社会と言われて久しい反面、極度にストレスを除き、ストレス「レス」社会を志向しているようにも思えます。 結果、日常からどんどんストレスが除かれていって、心地よい…

瞬間で正解を導く能力

(写真:昼下がりの港 その1) 10分考えて分からぬことは 「いつまでに答えを貰えますか?」 「う〜ん、一週間ください。」 よくある会話です。 少し聞くと、「一週間よく熟慮して答えを出します」と聞こえますが、一週間も考えこんだら気が変になります…

引き際で信頼を得る

(写真:宵待ちの鉄塔) 残念ですが、ご縁がありませんでした 商談はいつも成功するわけではありません。 むしろ、成立した商談と不成立に終わった商談を比べると、1対3とか、1対5の比率になっています。 つまり、10件案件を抱えていたら、7〜8件は…