今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

成長とは、考え方×情熱×能力#65

(写真:雲の乱舞 その1) 農業青年団 塾生たちの自炊は、とりあえず明日からと言うことで、昼は寮で握り飯と味噌汁が出された。品数は少ないが、農場で取れた米や野菜、地元農家が作った梅干しと味噌のご馳走に塾生たちのお腹も心も充分に満たされた。午後…

成長とは、考え方×情熱×能力#68

(写真:お山の浮雲) 写真の少女 『さとやま農業塾』代表、押井の挨拶の後、もと塾生、加茂川遼子の説明が1時間以上あった。 『さとやま農業塾』のシステムや、『東大寺農業ファーム』社員としての立場、仕事内容と、正社員登用の流れ、待遇、給与等。「す…

成長とは、考え方×情熱×能力#67

(写真:水辺に棲む暮らし) 入塾の朝 その日の朝、東大寺正徳老人の農業塾には、三三五五とジーパンやジャージの若者たちが集まってきた。みな、手には大きなボストンバッグを抱えたり、キャリングケースを引いている。 建物の前は舗装をされていたが、トラ…

成長とは、考え方×情熱×能力#66

(写真:せせらぎ) 農業塾 「みんな、ご苦労さん。揃っているかな?」東大寺家先代当主、東大寺正徳、当年とって79歳は、今から10年前当主の立場を息子の克徳に譲って、富士山麓の過疎地に移住した。 まずは、数反の畑を購入するところから始めめ、初心…

成長とは、考え方×情熱×能力#65

(写真:深みどりの植生) 志鶴VS先代 「奥様、しっかりしてください。」作業着姿の歌陽子(かよこ)を見て、ベッドに卒倒した志鶴に声をかけながら、安希子は彼女を助け起こした。上体を起こし、ベッドのへりに腰掛けて、こめかみを右手の人差し指と中指で…

成長とは、考え方×情熱×能力#64

(写真:老木の賑わい) カントリー・ガール 「そう言えば、おじい様、私に手伝って貰いたいことって何ですか?」「おお、そのこと、そのこと。」東大寺家、先代当主は孫の歌陽子(かよこ)に問われて、相好を崩した。そして、部屋の扉の後ろに回ると、薄汚…

成長とは、考え方×情熱×能力#63

(写真:月に叢雲) 大地の味 「お〜い、歌陽子。・・・、ん?なんじゃ、女ばかり集まって騒々しいのお。」その時、先代東大寺家当主、東大寺正徳がふらりと歌陽子の部屋に顔を出した。「お義父様!」「お、志鶴さんもおるのか?奥向きの方は良いのか?」「…

成長とは、考え方×情熱×能力#62

(写真:東尋坊 その4) 特別なおもてなし 「た、たいへんよ!歌陽子、たいへんなのよ!」歌陽子の部屋に息を切らして飛び込んできたのは、母親の志鶴であった。しかし、当の歌陽子の姿が見えない。「あら?安希子さん、歌陽子は?こちらで休んでいると聞い…

成長とは、考え方×情熱×能力#61

(写真:東尋坊 その3) 先代は何処に やがて、夕方の5時となり、歌陽子(かよこ)の誕生会は始まった。だが、主役のはずの歌陽子は自室のベッドで、桜井希美、松浦由香里のもと学友二人とハウスキーパーの安希子に介抱されていた。誕生会開始前、訪問客を…

成長とは、考え方×情熱×能力#60

(写真:東尋坊 その2) 宣戦布告 「歌陽子、宙、皆さんの前で何を言い合っている。せっかく、来てくださった皆さんに失礼だとは思わないのか!」父、東大寺克徳は、子供たちを厳しく叱責した。 ただ、歌陽子はとんだトバッチリである。 しかし、歌陽子は素…

成長とは、考え方×情熱×能力#59

(写真:東尋坊 その1) 兄弟喧嘩 「あ・・・!」その時、桜井希美が小さく声を出した。 希美は、シンガポールに拠点を置く貿易会社社長の令嬢である。「そうよ、オリヴァー・チャンですわ。」「知っている人?」そばにいた、高松祐一が聞いた。「はい、最…

成長とは、考え方×情熱×能力#58

(写真:北潟湖畔 その5) 波乱 突如現れた異邦の青年に抱きすくめられて身動きの取れない歌陽子(かよこ)。 思わぬ展開に場が凍りつく。「・・・。」しばらく時間が停止した。 その中、最初に声を上げたのは、当の歌陽子でも、毒舌ハウスキーパーの安希子…

成長とは、考え方×情熱×能力#57

(写真:北潟湖畔 その4) 異邦人 「あ、ごめん、お取り込み中だったかな。」甘い声で、急に声をかけられて、安希子は歌陽子(かよこ)から慌てて離れて、丁重に頭を下げた。「いらっしゃいませ。」背の高いスーツ姿のスラッとした男性。「町屋さん。」「や…

成長とは、考え方×情熱×能力#56

(写真:北潟湖畔 その3) 恋バナ 「でも、歌陽子さま、その、殿方の方はどうですの?」いきなり結花里が話を振った。「殿方と言うか、男の職場ですからね。周りは男性ばかりです。」「へえ、じゃあ、お父様も歌陽子さまに悪い虫がつかないかご心配ね。」「…

成長とは、考え方×情熱×能力#55

(写真:北潟湖畔 その2) それぞれの道 歌陽子(かよこ)の学友は、桜井希美、松浦結花里と言った。 すらっと背の高い希美、薄いブルーとドレスが彼女の細身の身体を引き立てていた。 対して、少ぽっちゃりした結花里、ピンクのドレスが彼女に柔らかな印象…

成長とは、考え方×情熱×能力#54

(写真:北潟湖畔 その1) 学友 東大寺邸の2階に作られたホールは、数百人が一同に会してパーティができる広さであった。 もともとは、昭和初期、貿易で成功した当時の東大寺家当主が国内外の賓客との社交の場に、舞踏会や晩餐会を開催する場所として作っ…

成長とは、考え方×情熱×能力#53

(写真:オレンジムーン) 厨房にて いつもは昼過ぎまで自室に籠っている宙が、珍しく厨房の椅子に腰をかけ、所在なさげに足をブラブラとさせていた。 厨房では母親の志鶴が、歌陽子の誕生日パーティの準備に忙しい料理長相手に愚痴を言っている。「今年から…

成長とは、考え方×情熱×能力#52

(写真:夕暮れの波動) 婿取り 「い、っ・・・たああ、安希子さん、い、いたあい。」「も、もう少しです。お嬢さあまあ。うう・・・ん。」「くっ・・・、ううう。」「はあ、ふう。お嬢様、かなりお太りになったんじゃありません?」「は、はあ、そんなはず…

成長とは、考え方×情熱×能力#51

(写真:たわわの橙) 先代張り切る 東大寺グループ、代表 東大寺克徳の執務室では、二人の男性が眉間に皺を寄せて話し合いをしていた。「お父さん、今年からはもうこんな大袈裟なことはやめてください。」一人は言わずと知れた、東大寺克徳、歌陽子(かよこ…

成長とは、考え方×情熱×能力#50

(写真:緋のひとひら) バースデー 新年明けて、出社初日。歌陽子(かよこ)には、野田平、前田町、日登美ら三人に報告することが山ほどあった。しかし、まずは無難なところから。「日登美さん、息子さんから今朝ほど、ロスアンゼルスに無事到着したとメー…

成長とは、考え方×情熱×能力#49

(写真:集合団地 その2) 空港 目の回る正月三が日もやっと終わり、新年の始業を明日に控えた4日、歌陽子(かよこ)は空港にいた。年内を日本で過ごした日登美泰造が今日アメリカに発つ。 その彼を見送りに来たのだった。国際線の出発ロビー、定刻の1時…

成長とは、考え方×情熱×能力#48

(写真:集合団地 その1) 三つ巴 つまり、社長の牧野は歌陽子(かよこ)たち一派を、無茶な自立駆動型ロボットを開発させようと画策する東大寺グループの手先と見做しているのだ。 歌陽子を世間知らずで右も左も分からないお嬢様と油断していたら、いつの…

成長とは、考え方×情熱×能力#47

(写真:松ぼっくり) ライバルは突然に 「い、いえ。そんな・・・大それたことなど。」歌陽子(かよこ)は完全にしどろもどろで答えた。そんな歌陽子の様子には一切頓着せず、三葉ロボテク代表取締役社長 牧野は言葉を継いだ。「他の会社はいざ知らず、我が…

成長とは、考え方×情熱×能力#46

(写真:ホワイトムーン) 筋書き 「ところで代表。」今度は、三葉ロボテク社長、牧野から話を振ってきた。「少々、我が社では妙なことになっておりまして。」いかにも「直言居士」の異名にふさわしい切り出し方である。 この後の流れをほぼ想像できている東…

成長とは、考え方×情熱×能力#45

(写真:そらの白絵の具 その2) 大人の時間 村方と、彼に付き添ってきた二人の男性は応接に通された。その二人の男性とは、一人は東大寺グループの法務全般を統括する法務部執行役員の浦沢、監査法人を統括する村方が克徳の右腕ならば、浦沢は左腕である。…

成長とは、考え方×情熱×能力#44

(写真:そらの白絵の具 その1) 新年の来訪者 年が明けて、正月2日目の午後三時頃、歌陽子(かよこ)はこっそり厨房にはいりこんで壁際に座り込むとウツラウツラとし始めた。 歌陽子と顔馴染みのコックたちは、彼女に好感を持っていたので、夕食の準備で…

成長とは、考え方×情熱×能力#43

(写真:柳の精) 姉弟 お昼は近しい親族が集まっての会食となった。とは言え、集ったのは20を下らない人数で、ハウスキーパーの安希子と召集されたメイドやコックは給仕や調理に忙しく立ち働いていた。 これが、昼から夜にかけてますます忙しくなる。さら…

成長とは、考え方×情熱×能力#42

(写真:サニーハウス) 宙(そら) 宙は、歌陽子(かよこ)の6歳歳下の弟だった。 今は中学二年の14歳である。 しかし、この宙は、東大寺家ではかなりの持て余しものだった。 もちろん、両親は最近の歌陽子も多少持て余していたが、宙の場合はその程度が…

成長とは、考え方×情熱×能力#41

(写真:健康十徳) 先代 その日の昼前、1組の老夫婦が東大寺邸の前に姿を現した。 老爺の年の頃は、もう80に近い。 いかにも田舎から出て来た体で、野良着にもなりそうな粗末な上着とズボンを身につけていた。 側の婦人は、70半ば、派手ではないがそれ…

成長とは、考え方×情熱×能力#40

(写真:日暮れの入道雲) 血族 「お義父さんたちは、何時に来られるのだい?」新年朝の食卓で父克徳が、母志鶴に尋ねた。 お義父さんとは、つまり歌陽子の母方の祖父母のことである。「お昼になるそうです。」「そうか、おそらく先代と、お袋もそれくらいに…