今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

みんなが自分のどこを見ているか

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(写真:尾をひく飛行機雲 その1)

『付加価値のないがらくたを追加すると既存の価値は薄まる』

ラーメン専門店、ずっとラーメン一筋で勝負してきて、固定客も多い。ただ、悩みの種は、ラーメンだけではお客さん一人当りの単価が上がらないこと。

ある時、店の休みに家族で遊びに出掛けました。そして、お昼どきに、敵状視察も兼ねてチェーンのラーメン屋さんに行きました。
名こそラーメン屋ですが、言ってみればファミレスの変形版。ラーメン単品もありますが、メインはセット。ラーメンとチャーハンと餃子とか、ラーメンと天津飯と春巻きとか。
普段店主のラーメンを食べ慣れている奥さんや子供は「とうちゃんのラーメンの方が10倍美味しい」と言ってくれるので、お父さんはすっかりご満悦。
さて、会計をする段で驚きました。
家族4人で4500円!いろいろメニューがあるので、楽しくて、セットやデザートやドリンクバーを頼みすぎたようです。
でも、店主は思いました。「うちの店でも4人連れで4500円も使ってくれたらなあ。」
今は、家族4人なら3000円行くか行かないか。そもそも、一人客が多いので、家族4人ということがありません。

家族客を増やすのは店の改装が必要なので当面できないとして、メニューを増やすことなら手間をかけずにお客さんの単価が増やせるかも。
しかも、厨房は今のメニューで手一杯なので、手のかからないもの。そうだ、アイスとか、スイーツとか、ジュースとかを強化しよう。

それから、店の片隅にケーキの陳列棚が並び、ジュースやアイスの写真やが所狭しと貼られました。
最初は女子高生とかが面白がって顔を出していましたが、それだけのこと。反対にファンだった固定客にどん引きされました。
そのため気がついた時には売り上げが相当落ち込んで、もとの状態に回復するまでかなり時間がかかったそうです。

・・・なんて、馬鹿なことをするラーメン屋さんはいないですよね。
ジュースやスイーツはもちろんガラクタではありませんが、ラーメンに惚れこんで通っている人にとってはガラクタに感じられるでしょう。
お客さんが自分に何を期待しているかを見誤ってはならないと思います。

私も最近「君の会社はシステムが強みなのだから、単なるもの売りをせずに、その分良い提案をしてくれよ」とお小言をいただきました。
確かに、「お付き合いのあるお客さんのところで現に必要だから、うちから買って貰おう」というだけでは、まるでラーメン屋さんにケーキを置くようなものですね。
お客さんには必要なものでも、私たちが手にした瞬間に意味のないガラクタになります。そして、本業に対しても良い影響は出ないのです。

「お客さんは、自分のどこに価値を認めてくれているか」それを正しく知って磨くからこそ、本当に支持されます。
間違ってはならないと反省させられました。