今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

あふれ出す未来

(写真:青空とカキ色)

■蒔かぬ種は生えぬ

「蒔かぬ種は生えぬ、蒔いた種は必ず生える」
ずっと、そう教えられてきました。
だからこそ、自分なりに一生懸命努力もしますし、いけないことだと気がついたら止めようと努力もします。
しかし努力してはいますが、スッキリと予定通りに上手くいくことは、まずありません。
そして、人生とは、約束の連続です。
親と子供の間でも、期待と約束の応酬があります。
「お母さん、あなたには期待しているからね。」
「うん、僕頑張るよ。」
「じゃあ、将来何になるの?」
ここで子供は考えます。自分がなりたいことではなく、どうしたら親が喜ぶだろうか、と。
そして、「僕、社長になる」とか「大きな会社で偉くなる」とか答えます。
すると親は喜んで、なんてしっかりしたビジョンを持った子かしらと、ますます期待します。
「でも、いいこと。そのためには、たくさん勉強しなくてはダメよ。私立の有名な中学校に入れるくらいじゃなきゃね。」
「うん、僕、私立の中学校に入るよ。」
と、人生は空約束から始まります。
そして、子供なりの種まきが始まるのです。

■蒔いた種は必ず生える

思えば、こんなことばかりです。
「オレ、大きくなったら絶対偉くなってお母さんを楽させるからね。」
「オレ、君と結婚したら、絶対幸せにするから。」
「私が入社しましたら、必ずや御社の業績向上の役に立つことをお約束します。」
皆んな、空手形です。
この段階では、できるとも、できないとも分かりません。ただ、この時は出来る気になっているわけです。
さらに「今期は、昨年の実績の30パーセント増しを達成します」と言う営業マンの期初の目標発表や、「弊社の製品を採用してくだされば、必ず生産性の向上をお約束できます」と言う売り込みのトークまで・・・
全てが約束です。
そして、私たちは、その約束を守ることに、それからの時間を費やします。
一つの言葉を灯りとして。
「蒔かぬ種は生えぬ、蒔いた種は必ず生える。」

■縁が来るまで、ひたすら待つ

しかし、私たちが描いたビジョン通りにスッキリもの事が進む方が、むしろ稀です。
振り返ってみれば、
・親不孝なオレだったな
・妻には苦労ばかりかけて、幸せにできていないな
・未だに会社に迷惑ばかりかけているよ
・また、今期も数字が上手く作れていない
・お客さんに約束した手前ツライけど、結局あまり効果が出ていない
とジクジクと胸を苛むことばかりです。
種は蒔いたのです。
努力もしました。
しかし、その努力に見合った結果が出ていない。どうなっているんだ。蒔いた種が腐ってしまっのか。
「蒔いた種は必ず生える」はウソなのか?
努力は無駄なのか?
ついつい愚痴が出て、腹も立って、自分でも情けなくなります。
しかし、種が腐ってなくなってしまうことはありえません。
火を起こせば、お湯が沸いて、お湯から水蒸気が発生して、その水蒸気が動力を生みます。つまり、エネルギーは形は変えますが、決して消滅することはないのです。これをエネルギー保存の法則と言います。
ならば、私たちの行為と言うエネルギーも消滅してしまうはずがないでしょう。
では、その種が何故結果に結びつかないのか?
それは、縁が揃わないからです。
種は、それだけでは結果を生み出しません。
例えば、モミ種だけあれば、そのまま米になるでしょうか。
そうです。モミ種に、土や水、日光や肥料、温度と言う環境が作用して、初めて芽を出し稲に育って、最後秋に実って頭を垂れるのです。
その環境こそが縁であり、種が結果を出すのを助けるものです。
つまり結果がでないのは、種が腐ってしまったのではなく、ただ縁が来ていないだけなのです。

■あふれ出す未来

松下幸之助氏は、こう言いました。
「オレ、成功する秘訣が分かった。それは、成功するまで止めないことだ。」
成功する秘訣→それは成功するまで止めないこと。
期待して聞いてみれば、なあんだそんなことか。それは、まるでガラガラポンの抽選で、当たるまで回せば、必ず一等賞が当たると言っているようなものです。
しかし、種は蒔いているのです。
しかも、たゆまず蒔き続けている。
結果がでないのは、芽を出したくても出せない種が相当貯まっていると言うことです。
そこに、何らかの縁がチョット作用したら、たちまち種が芽を吹いて、結果があふれ出すでしょう。
松下さんの言葉は、種まきを信じて、縁が来るまで頑張りなさいと言う励ましの言葉です。
今時点を見れば、他の人より見劣りをしている自分です。しかも、一生懸命種を蒔いてきた自覚がある分、自分の不甲斐なさに余計へこまされます。
しかし、今は縁が来ていないだけだとしたらどうでしょう。
種はもうはち切れんばかりに貯まっています。そこを一押しすれば、たちまち未来はあふれ出します。
あと、一息、頑張りたいと思います。