今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

経営者目線

(写真:東京駅夜景 その2)

■経営者とはお金を動かす人

私たちのお客さんは誰か。
私たちのお客さんは、製品を欲しがっている人です。
それは、事務の人かも知れないし、工場の人も知れない。あるいは、営業の現場の人かも知れません。
実際に問題を抱えて、その解決を相談してくる人なので、私たちが直接会話をするのは現場の担当者がほとんどです。
しかし、「お客さん=お金を出してくれる人」とすれば、本当のお客さんは、その会社の経営者の方です。
実際にお金を動かしているのは、経営者だからです。

■相手を間違えない

一時期、飛び込みセールスの勉強をしたことがあります。
訪問販売法が厳しくなったことと、インターネットでのセールスが主流になった影響で、今でこそ飛び込みセールスは見かけなくなりましたが、前は日を置かず「ごめん下さい」とやってきたものです。
一番多いのは学習教材や書籍。昔殆ど家に置いてあった百科事典も、この飛び込みセールスの活躍によるところが大きかったようです。あるいは、車、住宅、墓まで、とにかく飛び込みセールスが花形でした。
「ごめん下さい」
そうセールスマンがやってくる。
すると、家で寝っ転がっていた旦那さんが顔を出します。
車のセールスマンならば、旦那さんを前にカタログを広げて説明を始めます。
カッコイイ新車の説明に、旦那さんはスッカリ魅せられて、グイグイと身を乗り出して聞いています。
すると奥から、いつの間にやら奥さんが現れて、少し離れた位置で聴いています。
しかも、少し怖い顔で。
つい、怖そうな奥さんを無視して、旦那さんを説得しようと懸命になりますが、残念ながら本当のお客さんを間違えているので良い結果には結びつきません。

■本当のお客さん

この場合、本当のお客さんは、家計を預かる奥さんです。
購入の意思は旦那さんにあっても、貯金も含めて家のお金の全てを預かっている奥さんがウンと言わなければ、高額な出費は認められないでしょう。
つまり、奥さんは、主人がセールスマンに乗せられてウカウカと契約をしてしまわないように見張っている訳です。
だから、本当のお客さんを敵に回したままでは、契約は覚束ないのです。
このことを「キーマンは誰かを間違えてはならない」と教わりました。
キーマンとは、実際に購入できるお金を持っている人、あるいはお金を持っている人に影響を与えられる人を言います。
お金を持っている人は、例えば奥さん、あるいは、おじいちゃんやおばあちゃん。その人に影響を与えられるのは、その家の子供や孫です。
特におじいちゃんやおばあちゃんは、可愛い孫が欲しいと言えば、ついつい財布の紐が緩みます。
なので、前段の例なら、できる営業マンはなんとかキーマンの奥さんの機嫌を取って商談に引き込もうとします。あるいは、相手がおじいちゃんなら、孫に好かれて「僕、欲しい」の一言を引き出そうとするのです。

■経営者目線とは

同じように私たちの本当のお客さんは経営者です。
普段、商談の場に直接関わらない経営者に対して、どうアピールをするか。
それが難しいところですね。
また、経営者とは、概して判断することが多いので、あまり細かい情報の精査は嫌います。
現場担当者が、「これはとてもよさそうなんですけど」と稟議をあげても、必ず「それがどう儲かるのか」とか「それでどう費用が削減できるのか」と一言で判断できる数値を求められます。
しかし、これが経営者に直接アピールするポイントになります。
つまり、費用対効果を分かりやすくまとめた資料を稟議書につけて一緒に提出してもらうとか、あるいは経営者の方が困られていることの解決も盛り込むとか。
そうすれば、せっかくの利益が上がる機会をミスミス逃す経営者はいないでしょう。
これから「モノからコトへ」と言われる中、営業もよりお客さんの課題解決を中心とした提案型に移行するでしょう。
その時、本当のお客さんは誰か、そしてその目線はどこにあるかも、しっかりと肝に銘じたいと思います。