今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

プロフェッショナルサラリーマン

(写真:屋根上のゼロ その2)

あなたは何のプロですか?

『プロフェッショナル』、実に良い響きです。
「彼こそ、ホンモノのプロフェッショナルだ。」
そう言われてみたいですね。
でも、よく考えてみたら、私たち全員何がしかの仕事をして生活費を稼いでいます。
逆から言えば、私たちをプロと認めてお金を払っている人がいるから、私たちは毎月給料を受け取ることができます。
ですから、私たちの自分自身に対する評価に関係なく、お客さんは私たちにお金を払う価値を認めて、その道のプロとして仕事を依頼しているのです。
そう考えると、責任の重さが身に沁みます。
私たちは何かのプロフェッショナルであることを求められ、またその看板に見合った仕事の成果を期待されています。
私は、そして皆さんは何のプロですか?

実は、サラリーマンのプロでもある

私たちは、プロの営業マンであったり、プロの技術者であると同時に、実はプロのサラリーマンだったりします。
では、仕事のプロに対して、サラリーマンのプロとは何でしょうか。
もし、私が個人事業主であったとしたら、仕事上気を張る相手は、お客さんと仕入先と、あとは管轄官庁です。
それに対して、サラリーマンはそこに上司、もしくは会社が加わります。
もちろん、個人事業主の場合、自分の裁量で会社を切り盛りし、社員の生活も面倒みなくてはならないので非常に厳しい立場です。
しかし、サラリーマンもお客さんのため、仕入先さんのため、部下のため、自分が正しいと思うことをしたいと思っても、会社や組織の利益に反することはできないシンドイ立場です。
現実に現場の判断が上の方針とぶつかって歯噛みすることは多くあります。
でも、社員の現場での裁量も、会社や上司からの借り物なので、自分の意思だけでは何事も進められません。
そこを、会社も現場も満足させる落とし所を探り、実現に漕ぎ着けるところが、プロフェッショナルサラリーマンの腕の見せ所です。

守ってくれる組織、守るべき自分

何故、私たちサラリーマンが会社組織に従属しているのか?
今更ながら、問い直してみると答えに窮します。
だいたい私の両親は生涯自営業で、人の釜のの飯を食べたことがない人間です。
そんな人たちのもとで育てられれば、自分も自営業者を目指しても不思議ではありません。
しかし振り返ってみても、小中高、大学と通じて、自分が自営業を志したことはありません。それは、両親が自営業で苦労していたのを見ていた所為かも知れませんし、あるいは一度も両親から自営業を勧められなかったからかも知れません。
あるいは、大学を出て会社に就職する、いわゆるサラリーマンになることが普通だった時代背景もあったでしょう。
そして、今更ながらに何故サラリーマンをしているのか、確たる理由もないことに驚きます。
ただ一つ言えるのは、今の時代非常にサラリーマンは守られていると言うことです。
まず、体調が悪いからと電話一本で仕事を休めるのはサラリーマンだけです。それは、休んで仕事に穴を空けても、そこを補ってくれる組織があるからです。
また、週休は保証され、さらに年に何十日かの有給も使えます。
少々仕事が出来なくても、会社はそう簡単にクビにしたりはしません。その人の適性に合う仕事を探してくれさえします。
さらに、仕事で会社に大きな損害を与えても、よほど悪質でなければ自分が償うのは、会社員と言う自分の身分のみで済みます。
自営業者ではこうは行きません。
事業の成否と、その償いは全て自己責任で負わねばならないからです。
そのように組織に守られているサラリーマンですが、それと同時に組織の中で自分を守る術を身につけなくてはなりません。

プロフェッショナルサラリーマン

それは、自営業者と違い、サラリーマンは常に組織の評価と隣り合わせだからです。
自営業者の場合、自分の仕事の出来不出来が顧客からの評価を決めます。
サラリーマンもそこは同じですが、それだけをチャンとやっていても不十分です。
つまり、組織の上位層や上司の意に沿わねばどんなに素晴らしい結果を上げようが自分の評価にはつながりません。
たとえば、お客さんに良い提案をして、しっかり喜んで貰い、また売上も確保できたとします。
しかし、それが会社の本業から著しく逸脱していたらどうでしょう。その担当が対応するうちは良くても、組織として対応出来なければ、わざわざそのために余分な力を割かねばなりません。
そのように組織で仕事をする以上は、お客さんや担当社員の思い以上に組織の論理が働きます。そして、それを常に織り込んで働かねば良い仕事はできません。
確かに、ドラマの世界では組織からはみ出した人物が主人公であり、また組織に反抗する姿に胸がすぐ思いがしますが、現実ではそれをプロのサラリーマンとは言いません。
真のプロフェッショナルサラリーマンとは、組織の論理も満たした上で、自分の思いも通せる人です。
だから、ドラマのように自分の主張をするばかりではなく、会社の力関係や上司の意思をよく理解している人である必要があるのです。