今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

保証は自信の表れ

(写真:シー・ギャング)

返品保証付き

「使われて効果が出なければ、30日間返品を受け付けます」
30日の間なら、期待通りの製品でなかった時は、パッケージから出していようが、中身に手をつけていようが返却OK。
購入代金をお返しします。
たまに、そんな製品があります。
そこまで顧客に有利な商品、本当に提供して企業は大丈夫なのでしょうか。
都合よく使われて、要らなくなったら即返品、会社の倉庫は返脚された商品で溢れかえるイメージがあります。
例えば、ウォルマート等、アメリカの小売が始めた商品返品サービス。
驚くことに、買ってから何年たっても、商品の状態がどうであっても返品を受け付けると言うのです。
その返品の理由も凄くて「飽きたから」「要らなくなったから。」等々。
それでも、小売店の返品受付は嫌な顔一つせず、淡々と返品に応じるそうです。

返して良い安心感

そんなことをしたら、無料レンタル代わりに使う人が現れやしないかと心配になりますよね。
そして、実際一部ではそんなライフスタイルが定着しているそうです。
旅行前に、旅先で使う高級ゴルフクラブを購入する。そして旅から帰れば、さっさと返品して商品の代金を返してもらう。
そうすれば、お金を1ドルも払わずに高級ゴルフクラブをレンタルてきます。
しかし、なぜこんなバカな話がまかり通るかと言えば、これもひとえにアメリカの消費者至上主義のためです。
それは顧客が店を選ぶ時、返品サービスの充実度を優先するからです。
店としては集客が命なので、日本人からすれば無茶苦茶とも思える返品サービスを売りに客を集めるのです。
そして、返品されたものは全て卸や輸入もとに返却、彼らの倉庫に溢れかえります。
このように小売は全く痛みを感じることなく、非常識とも言える返品サービスを提供します。その代償に返品されたもので卸業者の経営は圧迫され、さらに大量のゴミが発生しているのです。
日本でも、返却保証サービスが広がると同じような状況に陥るのではないかと心配になります。
しかし、日本人は自分がお金を払って買ったものを返却するにも、それなりのモラル必要だと考えています。
だから、30日間返品保証付きでも、理由なく返したりはしないでしょう。
むしろ、返して良い安心感が消費者の購入の意思を後押ししてくれます。

返されて良い自信

逆に返品保証は販売側の自信の現れとも言えます。
日本の企業は、一度売ったものが返却されてきたら少しお色直しして、また売ろうとは考えません。
返却されたら、基本それは毀損品であり、そのまま損害です。
ですから、返却は極力ない方が良いに決まっています。それを自ら返却に誘導するような言い方をするのは、それだけ自社の製品が返却されない自信を持っているからでしょう。
また、日本人の返却に対する心のハードルの高さも計算に入れていると思います。
それに我々からすれば、「そこまで自信があるなら一つ試してやろう。どうせ返せるのだし」と結構気持ちをくすぐられる訳です。
そう考えれば、返却保証付きは、経費の割に効果のある広告かも知れません。

逆手に取る

一度売ったら返されたくないのが商人気質。
だから、私たちも一度買ったら、なかなか返し辛い。
それに返品の山ができたら経営は成り立ちません。
そこを敢えて逆手を突いてくる。
30日間なら、状態を問わず返品可。
本当ですか?
本当なら試してやろう。
特に、化粧品や健康食品に多いように思います。
化粧品や健康食品は、普通の生活必需品と違い、よほど勧められなければ手に取るものではありません。
でも、本当に良いものならば、実際に使ってみて良さは間違いなく実感できます。
そんな自信のある会社なら、返品保証も怖くないでしょう。
それに、もしお客さんに合わないものならば、残念な気持ちを持たれる前に返して貰った方がお互いのためです。
そこまで真摯に商品に向き合っているからこそ、自信もあるのでしょうね。
どこかの会社のように基本契約2年とか言わず、いつか自信を持って返品保証ができるようなモノづくりをしてみたいものです。