今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

ホ・オポノポノ、ごめんなさい、許してください、有難う、愛しています

(写真:ビロードの羽虫)

■ハワイ伝統の癒しの儀式

ホ・オポノポノは、ハワイに伝わる伝統的な癒しの儀式です。
詳細は分かりませんが、何かの問題が起きた時に、家族全体で集まって、互いに祈り、議論を行い、告白し、後悔の言葉を述べあう儀式と言われています。それに対して、許し、補償しあって、これを参加している全員で互いに行います。
なぜ、このようなことをするのでしょう。
ハワイには伝統的に「ある人が人生の一切について責任を取る」と言う思想があります。
日本風に言えば、「良い結果も、悪い結果も全て自業自得」と言い換えれば分かるでしょうか。
自分に都合悪いことがあって腹を立てている。そして、それを受け入れて貰えなかったり、また周りも同じように腹を立てていると揉め事に発展します。
しかし、自分がひどいことをされたと思っていることも、その原因を作ったのは自分自身であると言う思想に立てば、そこから、自分自身の言動を素直に、見つめることができます。そして、本当に自分に非がなかったのかを省みるのです。

■ホ・オポノポノを考察する

素直に自分の言動を振り返れば、誰しも、ああすれば良かった、こうすればもっと良かったと思い当たることに行き当たります。
しかし、私たちはそれが分かっても、なかなか人前で認めることはできません。
自分も悪かったけど、相手の方がもっと酷いじゃないか。そう思うので、素直に反省するどころか、ますます意固地になります。
それをホ・オポノポノは、自分の都合を言わず、相手の非を責めず、告白と謝罪を行うことにより、素直に反省の気持ちを伝えようとします。相手もその告白を聞き、謙虚な気持ちで、自分の悪かったところを反省します。そして、お互いに許し合うことにより、いつの間にかわだかまりは消え去っているのです。
確かにこの世の中、特に国家間のことは、見ていてウンザリするくらい自分の都合をぶつけ合っていますね。しかし、どんな人でも、多少なりとも、申し訳なかったと言う部分はあるものです。それを素直に出し合えれば、どんなにこの世は住みやすくなるでしょう。
ハワイと言う一地域での儀式ではありますが、私たちに学ぶところは多いように思います。

■シンプルな4つの言葉

しかし、現実は問題が起きる度に、毎度毎度、関係者で円卓を囲んで、ホ・オポノポノをする訳には行きません。
また、世の中には、進んで受け入れて自己解決をしなければ、いたずらに苦しみを長引かせる不条理が多すぎます。
そこで、後年セラピストたちが、このホ・オポノポノを個人でも簡単に実践できるように改良しました。
それは、シンプルな4つの言葉を繰り返すと言うものです。
その言葉とは、
「ごめんなさい、許してください、有難う、愛しています」の4つです。
自分に許せないこと、苦しいことがあった時に、この4つの言葉を繰り返すと、見えていなかった自分の悪かったところが見えてきます。
確かに、そうですね。
「ごめんなさい、許してください」とつぶやけば、自分が正しいと思っていたことが、そうではなかった。自分なりに回避できたのに、それを人の所為ばかりにしていたと反省も生まれるでしょう。
また、「有難う、愛しています」とつぶやけば、憎らしいと思っていた相手も、実はこんなに助けて貰っていることに思い当たり、感謝の心にもなります。

■因果律とホ・オポノポノ

ただこれは、非常に精神的に強い人でなければ、かえって卑屈になったり、ネガティヴな感情を溜め込むのではないかと懸念されます。
「ごめんなさい、許してください」・・・だから、僕はダメなんだ。
「有難う、愛しています」・・・こんな自分を許してくれて有難う。だから、なるべく迷惑をかけないようにします。
とかく反省の感情には、自分自身を責める感情も伴いがちです。親に虐待された子供の自己評価が非常に低いのと似ています。
ネガティヴで、自虐的な感情が生まれた時に、強い人なら自らそれを跳ね返せます。そして、だからどうすると前向きビジョンを描くことができます。
対してそれだけの力がない人はネガティヴない感情に取り込まれそうになるので、ホ・オポノポノは、伝統的に複数人数でするのでしょう。告白と謝罪に対して、常に許しと承認が与えられる訳ですから、告白が救いになるのです。
ただ、前段に記述したように、このホ・オポノポノは、東洋の因果律の思想に似たところがあります。
曰く、
「善い種を蒔けば、善い結果が来る。
悪い種を蒔けば、悪い結果が来る。
善いのも悪いのも、自分が受ける結果は全て自分が原因である。」
これは、「ある人が人生の一切について責任を取る」と分かりやすく対比できる言葉です。
ただホ・オポノポノに対して、因果律は私たちが取るべき行動の道筋が示されているところが特徴です。
善い結果が欲しい、つまり幸せになりたかったら、善い行いをしなさい。
悪い結果を避けたい、つまり不幸が嫌なら悪い行いは止めなさい。
善いのも、悪いのも、全て自分がもとなのだから、善い結果が来たら感謝して、もっと努力しなさい。どんどん幸せになれますよ。悪い結果が来たら、反省して身を慎みなさい。
このように心掛けることによって、未来が変わります。
ハワイの伝統的儀式も良いですが、日本人の文化に根付いた因果律も素晴らしいですね。