今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

J曲線

(写真:ネギ坊主)

J曲線

J曲線、また、ジェイカーブとも言う。
これは、新規事業に挑戦した人が体験する業績の曲線である。
まず、横軸を時間に、縦軸を業績に二次元グラフを描く。
そして、その真ん中にアルファベットのJを 大きく書き込んでみる。
これが、J曲線。
新規事業に取り組む時、このJのカーブを、自分たちがそのまま体験するとしたらどうだろう。
多少は資金や顧客を掴んで始めるから、最初は少し黒字に浮遊した状態。
しかし、いきなり業績は降下を始める。
これは、たいへん、なんとか歯止めをかけようと頑張るが、業績はどんどん右下がりに落ち込むばかり。
そして、資金が見る見る間に底をつき、赤字に転落しても、まだ業績の悪化は止まらない。
これは芽がないかな、失敗かなと考え始めるが、それでも「ここまで頑張ったから」としがみつくも、なお下がる。
何度もやめようか、続けようかと悩んでいるうちに、いよいよのっぴきならないとこまで追い詰められ、引くもならず進むもならず、どうしよう、どうしようと思っていると、少し良い芽が出始める。
それから、ほぼ垂直のJを駆け上るのが、J曲線である。

想定しがちな右肩上がり

もし、自分が事業計画を書いたらどうなるだろう。
最初からうまくいくはずがないから、まずは極小の利益で一年間。
これで、成果に追われず、じっくり取り組む期間を確保できる。
でも、やはり一年経過する頃には良い芽を出したい。だから、今年後半には、なんとか自分一人くらいは養える利益が確保できる計画を立てる。
そして2年目、1年目の業績をベースに1.5倍。3年目はその1.5倍、4年目も1.5倍と、右肩上がりのなんとも都合の良い計画。
いわば、まっすぐ右上を目指して駆け上がるキレイな直線である。
もちろん、まともな事業経験も無い身なので、そんな想定しかできようがないが、開始早々いきなりJ曲線に遭遇したら、さぞ面食らうだろう。

夜明け前まで耐えられるか

J曲線が教えるもの、それは新規事業の厳しさである。
どんなに手応えを感じて始めても、それがすぐに受け入れられるわけではない。
よほど確かな販路や、ツテ、あるいは圧倒的に差別化できる理由があれば別だが、自分の思いだけで世の中簡単には認めてはくれない。
実際、どんなに便利そうで、面白そうなものが売っていても、見も知らぬ、聞いたこともない販売業者からは、なかなか買おうとは思えない。それは、生産体制や保証のことを考えたらどうしても二の足を踏んでしまうからである。
だから、新しいプレーヤーにとって、市場はいつも厳しい。
そして、その突破口がつかめないまま、足掻いても足掻いても、まっ暗がりの中低空飛行を続ける。
暗がりの先に夜明けはあるか。
しかし、J曲線は、その時期は分からなくても、かならず闇が晴れ、日が差すことがあると示している。
だが、そのJ曲線が上向きに転じるまで待てずに、ほとんどの人は志を折ってしまう。

夜明けを待つ才能

世の中の成功した経営者に共通した特性は、しつこさだと言われる。
妥協がない、必要だと思えば納得するまで徹底的にやる。
だから、周りの社員は疲弊する。
ある有名な社長は、社員が持ち込んだデザインのサンプルを二つから選べと言われて、ああでもないこうでもないと、いろんな角度から検討しているうちについに夜が明けたと言う。
しかし、そのしつこさがあったから、J曲線の厳しい下り坂をしのぎきり、ついには飛躍の右肩上がりを掴んだのだろう。
そう考えたら、成功者が成功者たる所以が納得できる。
しつこく、忍耐強く、夜明けまで待つ才能があったのだ。
ハッキリ言えば、普通の人間の感覚ではない。そして、そんな人に追従することは、一般人には無理である。
時に我々社員は、経営者のそんなこだわりやしつこさが理解できない。
物分かりが悪い、頑固、いつもかき回される。
しかし、だからこそJ曲線を乗り越え、我々の生活の糧をもたらしてくれたとも言える。
それ故に、経営者の頑固さや厳しさ、徹底的にこだわり抜くしつこさを、深く敬わなければならないと思う。