今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

無い物ねだりを止める 〜今いるメンバーがベストメンバー〜

(写真:森の電車)

■溢れる不満

本当は、俺はもっとやれるのに、周りのメンバーに恵まれていないから、俺までパッとしない。
誰しもが、そんな不満を心の中に抱いています。
もちろん、「そもそも人の前に自分はしっかりできているだろうか」「人にばかり求めていても何も進まない」・・・そんな大人の思考が身についているので、あからさまに不満をぶちまける人はいません。
でも、時々油断していると、ふっと口をついて出ます。
「最近のスタッフはなかなか動ける人がいない」
「うちの営業はなんとしても売ろうと言う気概がない」
「技術ならば、もっと新しいことを提案して然るべきだ。」

■無いものネダリ

確かに、なんでもツーでカーと動けるスタッフがいれば、仕事は楽になります。
作るもの、作るもの、どんどんマーケットを攻めて拡販してくれる営業なら、作り手もさぞ仕事にやり甲斐があるでしょう。
お客さんに見せた瞬間から、それだよ!と言ってくれる製品さえ作ってくれたら、毎月の数字に苦労することもないでしょう。
でも、なんでも揃っていることは、あっても非常に希です。
お金がない、人材がない、知名度がない、技術がない、販売力がない・・・なんでも無い無い尽くしの中皆んな頑張っています。
それに創業者が事業を始めた頃は、無い無いどころか、有るのは身一つだった訳で、営業する時間も、製品開発する時間も、満足に生活できるお金もないところからの船出でした。しかし、その中なんとか知恵を出してここまで事業を拡大してきたです。
それに比べて私たちの「無い無い」なんて、恵まれて過ぎて、更に無い物ねだりをしている子供のようだと叱られるかも知れません。

■今いるメンバーがベストメンバー

もし、無人島に漂着したらどうするか。
そこで暖かい布団が欲しい、肉汁のしたたるステーキが欲しい、舌のとろけるスイーツが欲しい、キンキンに冷えたビールが欲しいと言っても詮無いことです。
まずは、安全に夜を送ることができる場所を探さなくてはなりません。あと、水の確保はどうする?食糧の確保はどうする?
とにかく、当面生き延びるのに必要なものから揃えようとします。
どうしたら少しでも快適に過ごせるかとか、もっとご馳走が食べたいとか、今生きるのに必要の無いものは後回しです。
一緒に漂着したものも、普段ならガラクタやゴミに過ぎなかったものが、かけがえのない宝ものになります。プラスチックの破片がスプーンやフォークになったり、壊れかけた木箱が貯蔵庫になったり。
有り余る時は、不足にしか目がいかなったのに、無い状態では、どんなささいで小さなものでも有る事がとても有難くなります。
無人島で、小さな鳥の卵や、虫の幼虫を見つけたら、それこそ貴重なタンパク源として大切にするでしょう。
そう、それ以上手に入らないと分かれば、人間はとにかく有るものでなんとかしようと知恵を出します。
会社の人材も同じです。今ご縁があって一緒に働いているのは、それなりの深い因縁があってのことです。
そして、然るべくして集まったメンバーなので、今いるメンバーがベストメンバーなのです。

■一人一人の人生を大切にする

同じ場所を共有して、毎日朝から晩まで働く。同じ空間の中、どうしてもその人の評価が事務所内での業務能力で序列化します。
そこには、当然相対的にできる人とできない人がいる訳で、しかもそのできるできないの基準も事務所の中心人物の感覚に合うか合わないかで決まってしまうところがあります。
上に立つ人が慎重な人ならば、時間はかかっても綿密に準備し、何より抜けが無いことを好みます。反対に、速度を重んじる人ならば、多少抜けがあってもとにかく早く結論を出すことを好むでしょう。
だから、今まで事務所で大切にされていた人が、体制が変わった途端、急に評価を下げてしまうことはよく聞く話です。
そして、一般的な割合として、よくできる20パーセントと、普通の60パーセント、ダメダメな20パーセントに分かれると言います。
すると、上に立つ人にとって下位の20パーセントはいて欲しくない人になります。そして、できれば辞めて欲しい。
そこで、実際に退職勧奨をして、20パーセントの層を削減します。
これで事務所のパフォーマンスはかなり改善するはずでしたが、実際はほとんど変わらないと言います。それは、今まで普通に会社を支えていた60パーセントの層が、できない20パーセントの層に移って、またそれに合わせて上位20パーセントの層も構成が変わるからです。
つまり20パーセントを切り捨てて、できる80パーセントで揃えた筈が、いつの間にやら20:60:20の比率に戻っている訳です。さらに悪いことに、できる上位20パーセントの人数も減ってしまいました。
だから、できない20パーセントにも意味があります。その人たちが居るから、あとの20パーセントと60パーセントが生きるのです。
確かに、周りを見回しても「なんだかなあ」と思う人はあります。いや、自分が一番そう思われているに間違いありません。
しかし、そんな人にもそのポジションを担っている大切な理由があります。そして、きっと他の人では代わりがきかないのです。
そんな周りのメンバーの担っている大切な役割に気づいて、単一のモノサシで測ることなく、一人一人の価値を大切にしたいと思います。
そして、無いものではなく、有るものに気づいて、そこから最大限のパフォーマンスを上げられるように知恵を絞りたいと思うのです。
特にご縁のあった仲間は、
「今いるメンバーがベストメンバー」なのですから。