今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

人に助けを求めるというのは、むしろ強い人にしかできない行為ではないだろうか

(写真:東京の玄関口 その2)

■賢明なドクターは

名医とは、ブラックジャックのように何でも治してしまう医者よりも、自分の治せる病気と治せない病気を見極めて、適切に専門医に紹介できる人を言うのだと思います。
これは、人の命を預かる医療界では常識でしょうが、私たちのような一般企業の場合は、時に無理にキャパに合わない仕事を引き受けることがあります。
十分経験がないのに、無理をして引き受ける。結果、想定外のトラブルに見舞われて、お客さんにさんざん迷惑をかける。
分かっているなら、どうして無理をするのか?
一つには、新しい挑戦は、新しい可能性やスキルを獲得するチャンスだからです。
二つには、せっかくのビジネスチャンス、無理をしてでも自社で頑張りたい。
三つには、連携すべき先の情報が不足しているからでしょう。
このインターネットの時代に、未だに無理に受注して、自社で頑張った結果、十分パフォーマンスが上がらず、お客さんに迷惑をかける事例にこと欠きません。
なかなか、我々が名医になるのは難しいようです。

■助けを求める勇気

私にも、経験があります。
前任の担当者が退職するのに合わせて、全面的に任された仕事。
当時は、まだあまり世の中に広まっていない拠点間VPNの仕事でした。
回線廻りを大手メーカーの子会社に依頼して、ソフトウェアは私たちが担当しました。
回線も無事敷設が終わり、ソフトウェアの動作試験をしたところ、処理の途中で通信エラーが起きたのです。時間をかけて、原因を究明したところ、上りのデータが長文だとエラーが起きることが判明しました。
しかも、結構制約が厳しく、すぐに文字数の限界に突き当たってしまいます。
最初は、一生懸命プログラム修正で対応していましたが、それも限界と分かり途方に暮れて、もう退職していた前任者に相談しました。
そうしたところ、「じゃあ、回線をやったところに相談したら?」とアドバイスを貰ったので、早速協力会社に問い合わせをしました。
すると、何と「あ!上りの文字数の制限が256に設定してあるかも知れません。」とアッサリ言われ、その日の昼には問題解消していました。
今から思えば、馬鹿みたいな話ですが、自分でやることに意固地になって、時間も消費し、お客さんにも迷惑をかけました。
たった一つの質問で済んだのに。
勇気を出して、助けを求める大切さを思い知らされた苦い経験です。

■一番優先すべきこと

間違えないためには、そして、正しい人に、正しい助けを求めるためには、どうすれば良いのか?
やはり、まず一番に優先することを間違えないことだと思います。
担当者になると考えてしまうのは、安易に助けを求めたら、そんなこともできない能無しに思われやしないかと言う心配です。
それに、頼る相手が社外ならば流出費もある。せっかくの利幅が縮んで、場合によっては採算割れだってあり得る。
それ位なら、頑張ろう!となるのは分からんでもありませんし、自分もチョクチョクそうなっています。
しかし、今最優先すべきは何か?
と言うことは、今一番困っている人は誰か?
言うまでもありません。
業務を止められているお客さんです。
受注とは、対価と引き換えに仕事の成果をコミットすることと言えます。なぜ、それがコミット(約束)なのか?
それは、実際に完遂してみなければ、仕事の成否は分からないからです。
つまり、仕事とは営業のした約束を、実際の作業で裏書きすることと言えます。
ですから、この場合、一番大切なことは約束した成果を実現することで、そのやり方や誰が実行するかは二の次です。
まずは、仕事の確実な完遂を柱にして、頼むべき時は頼む。そこを間違えないことだと思います。

■意地や我慢を超える強さ

しかし、理屈ではそうですが、私たちには意地や我慢がありますね。
できない奴、頼りにならない奴と思われたくない。
人に頼ると自分の至らなさや、スキルの低さが暴露されて、かかなくて良い恥をかく。
だから、意固地になって、本来不得手なことでも頑張ってしまう。
でも、それで自分も疲弊し、時間をかけて周りにも迷惑をかける。
ならば、いっそ助けてくださいと声に出してしまう。
いわゆる弱みを見せられる強さです。
私たちは、マン・オブ・スチールのように、本来の自分が強いと思いたいし、優秀だと思いたい。
しかし、そんなことはないのです。
私で言えば、愚鈍で、不器用で弱さの塊です。だからこそ、人を頼る。
ただ、そうすると成長がない気がしますよね。
でも、大丈夫。
今回は頼りますが、今度で覚えて、次回から自分でできるようになれば良いのですから。
自分で意固地になって積み上げるのと、優れた人から短期に学ぶのでは、どちらの成長が早いかは明らかです。
だから、弱さを認め、人に頼ることができる人は強い。
そんな人になりたいと思います。