今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

ベゾスの空席の椅子

(写真:太陽の花)

■アマゾンの会議室には

ネット書籍販売の最大手、Amazon.com。
その本社会議室では、創業依頼ずっと変わらない慣習が続けられている。

会議室には、CEOを始め、執行役員、各セクションの責任者が集まり、それぞれ所定の席につく。
そして、全員が腰を下ろした後に、会議室にはまだ誰も座っていない席が残っている。

参加者が増えた時に備えて用意された予備の席ではない。
そこは、最初から最後まで、ある人物のために用意された空席なのだ。
そして、その空席に座る人物こそ、その会議では最も大切なキーマンだと言う。

■空席に座るのは

空席に座るのは誰か。

その空席には、特定の誰かが座る訳ではない。
しかし、とても大切な人が座っていると認識されている。

それは、企業にとって、経営者や、役員や、社員や、株主以上に大切な人物。
すなわち、顧客である。

会議室で、交わされる議論、そして決定事項。
多くの意見が交わされる時、もしこの場に顧客がいたら、どう思うだろうか?この会議をどう感じるだろうか?
マンション傾斜問題に顕在化したように、企業ではどうしても、身内の利益が優先され、顧客のことを忘れがちになる。
ましてや、大企業の最高会議ともなれば、現場から遠く離れているために、その傾向は強くなりがちである。
そして、顧客のことに思いが至るとしても、大抵後付けである。

最大手のAmazonと言えど、余程気をつけていないと、この悪弊から逃れることは難しいのだろう。だから、会議室にあえて空白の席を設けて、いつも顧客同席の意識を保ちながら、会議を進行させる。

■見えない視点を補完する

つくづく見えているようで、見えていないのは自分である。

人には偉そうな態度で意見をしておきながら、次の瞬間には、他の人から同じことを言われている始末。
人に言うくらいだから、頭では間違いなく理解している。しかし、自分のことになると、てんで駄目である。視野が狭くなっているからなのか、自分の欲目や都合のためなのか。全く自分自身が見えていない。
残念ながら、いくら恥をかいても、これだけは改善しようがない。

「俺はちゃんとしている」「あいつは何だ」「自分が一番頑張っている」。
本当か?
ちゃんと自分が見えているか。
一番お粗末なのが自分でないか。
人に対する理路整然としたアドバイスを、何故自分自身にできないのか。

だから、素直に人に頭を下げて意見を求めることが必要である。
なかなか、下がらん頭だけれど。
しかし、人も忙しいから、そうそう相手にしてくれないし、また、正直に意見を言ってくれる人も年々少なくなる。
故に、自ら自分を客観的に見る仕掛けは、どうしても必要である。
それが、Amazonの場合、見えない顧客が座っている椅子なのだ。

自省すると、自分を振り返る時と、人を批判する時は、明らかに血流の違いを感じる。
好きなこと、楽しいことに向かう時と、苦手なこと、辛いことに向かう時では、間違いなくシナプスの情報の伝達量は違う。
おそらく、自分自身のことは、誤魔化して見たいから、血の巡りが悪くなるのだろう。
ましてや、自分の考えに凝り固まったら、それこそ浮かぶ瀬がない。

だから、まず、素直さ。積極的に人の意見を求める。
そして、自分で、自分のことを客観的に見られる仕掛けを手に入れられたら、たいへんな武器になる。