今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

技術者→いいえユーザーの代弁者

(写真:集う鳥たち)

技術者とは

接客が苦手だから技術職を選んだ。
機械だけが相手だから気が楽だ。
そんな気分、私にも分かります。
朝出社してきて、機械の前に座る。そして、夕方までそのまま黙々と作業をする。
やるべきことは指示されますし、きちんと仕上げれば評価も得られます。
コミュニケーションは、最低限仕事の指示を受ける時と、成果物を提出する時のみ。
後はひたすら、技術のことだけ考えていれば良い。
昨今のITの仕事は共同作業で、密にコミュニケーションを取りながら進めなくてはなりませんが、パソコンの黎明期には、そんな時代もあったのです。
しかし、その頃私がよく言われていた言葉があります。
それは、
「技術者は、ユーザーの痛みに対する想像力を持て。」

一番ユーザーに近い存在

ユーザーとは、IT業界における直接的な顧客を言います。
そのお客さんの痛みに対する想像力を持てとは、どんな意味でしょうか。
その言葉を言われるシーンは決まっていました。
例えば、一つの処理が始まって、しばらく経ってからやっと終わる。しかもそれが頻繁に発生する。
そうすると使う人は、その度仕事の手を止めねばなりません。
「これじゃ仕事にならない」
使う立場なら当然思うはずです。
あるいは、画面の配置や色使いが悪く、しばらく見ていると目が疲れてくる。
もし、自分がそんなソフトを提供されて使うことを求められたらどうですか?
おそらくたいへんな苦痛を覚えるでしょう。
そのユーザーの痛みを、自分の痛みとして想像することが求められていたのです。
お客さんの直接の担当は営業であり、指導員です。しかしユーザーと一番関わっているのは、作ったソフトを長く使って貰う技術者自身なのです。

長く付き合うものだから

技術者の我々がソフトウェアを作る期間は、長いものでも1ヶ月程度です。その間は画面と仕様書を睨んでプログラムの作り込みをします。
対して、ユーザーの方はどうでしょうか。
導入してから、短くて5年、長くて10年、朝から晩まで提供されたソフトウェアを使って業務をします。
つまり、私たち技術者が画面を作り込む時間に比べ、ユーザーがその画面に向き合う時間は圧倒的に長いのです。
だから私はプログラムを作る時、これからこの画面がユーザーの人生に長く、深く関わることを意識します。
もし、使いづらいものを提供したら、長い間ユーザーに辛い思いをさせることになります。反対に良いものが提供できれば、ユーザーに職場で幸せな時間を過ごして貰うことができます。
少し大袈裟に思われるかも知れませんが、技術者の仕事はユーザーの人生に影響を与える仕事なのです。

ユーザーの代弁者

たとえ、直接ユーザーと会話をしなくても、私たち技術者の仕事はユーザーの業務に直結しています。
だから、ユーザーが触った感じ、使った感じを想像し、手に馴染むように作り込まねばなりません。
もちろん仕事ですから、渡される予算の中で作らなくてはなりませんし、ユーザーのためになるからと、手間をかけ過ぎれば会社が存続できなくなります。
その予算の制約と、良いものを提供したいと言う思いのハザマで技術者はギリギリの調整をします。また、それは技術者の腕の見せ所でもあります。
そして、最後は予算内に納め、ユーザーにも喜んで貰う、その両方を達成することが目標であり、喜びです。
技術者はユーザーの代弁者たれ。
ユーザーが欲しているもの、しかし、知識がないから上手く口にできないことを深堀りし、一番あるべき姿を実現する。
→ そんなにユーザーばかりに向いていたら、採算取れないでしょう。
→ ならば両立してみせる。なぜなら、私は一番ユーザーに近い場所にいる立場だから。
・・・
たとえ、口に出して言わなくても、そんな気概を秘めた技術者が理想だと思います。