今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

なんでも肯定する

(写真:夕陽の牧場 その9)

■悪人のいない世界

NHKの朝ドラで感心すること。
それは、悪人がただの一人も出てこないことです。
最初「いけ好かないヤツだな」と思う人も、意外と人間的な弱みを抱えています。やがて、それを匂わせる伏線が少しずつ描かれて、ヒロインがそれを一つ一つ拾って回ります。
そして、どうしようもなくなった彼や彼女に、ここぞとばかりにヒロインが手を差し伸べるのです。
ほとんどお約束なので、「なんだかな」と思いながら、私たちにも少し期待している心があります。
最後、どうしようもない嫌なヤツも、人間が変わったようにヒロインの味方になります。
どれだけ良い人たち?と思いますが、これが朝ドラの一貫したテーマなのでしょう。

■善人ばかりじゃないけれど

現実世界は、そんな善人ばかりではありません。いや、そんな善悪では分けることはできないのです。
つまるところ、人間の善悪とは、私たちの都合の良し悪しです。イギリスのEU離脱問題では、離脱派と残留派のグループに分かれました。
離脱派には残留派が悪人に思えますし、残留派には離脱派が悪人に思えます。
要は、同じグループに属しているか、いないかで分かれています。
同じグループに属しているのは、その人たちに都合が良いことと、悪いことが共通しているからです。このように、その人や、その時々の都合によって、善悪の基準は変わります。
そう考えると、人間が善だ、悪だ、正義だ、不義だと主張する基準はまことに当てにならないのです。

■ネガティヴは育つ

自分が間違っていても、自分の都合に合わない相手には腹が立ち、悪人に思えます。
例えば、電車の座席に空きを見つけて、やれやれと腰を下ろします。左右を見渡せば、もう6人座っているから、これでもう一杯と身体を伸ばします。
すると、前に立っていたおじさんから説教されました。
「本当は7人掛けなのだから、もう少し詰めて一人分席を空けなさい。」
「すいません」と謝って席を詰めましたが、あまり良い気持ちにはなれませんでした。
確かに、7人掛けは交通局も公式にアナウンスしていることですし、間違っているのは私の方です。
しかし、本当に7人座ったらギュウギュウになって、皆が狭い思いをします。それが分かっているから、6人座っていればそれでもう一杯と思うのです。
そのように、相手の方が正しいことを言っているはずが、だんだん勝手な理屈を付けて憎らしく思えてきます。
そう、自分の勝手な理屈を野放しにしていると、だんだんネガティヴは育つのです。
そして、ずっとムカムカして自分も気分が悪いし、人を恨んで悪を作ります。
ですから、ネガティヴを育てないよう、まず相手の言葉を受け入れ、どうするのが正しかったのかをきちんと確認する必要があります。

■なんでも肯定する

意外に私たちは相手の言葉を聞けていません。
自分には自分なりの目線の高さがありますし、そのため視界に限界ができます。
そして、その視界から外れたことが、自分にとっての都合の悪いことです。
例えば、上の人はもっと頑張れ、精度を上げろとハッパをかけます。それに対して、自分は今のままで一杯一杯と思っているから、「ムチャを言う嫌な上司」と思います。
しかし、自分より遥かに目線が高い上司からすれば、これくらい出来て当然と思っているでしょう。
その溝を広げてしまうと、余り良い結果にならずお互いに時間の無駄をします。
ならば、私の方から進んで、上司の言うことを肯定するように心を変えるのです。
すると、感情的に受けつけず、頑なだった心が少し柔らかくなります。そして、進んで耳を傾けた結果、今まで見えなかったことが視界に入るようになるのです。
やがて、上司の言うことが少しずつ理解できるようになり、だんだん溝は埋まっていくでしょう。
もちろん、何でも肯定すれば良いのではありませんが、立場に違いのある人の意見にはきちんと耳を傾けたいと思います。
私たちは、朝ドラのヒロインではありません。いつも間違えてばかりいるのは私たちの方なのですから。