今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

緩急

(写真:和の佇まい)

■ストーリー展開の妙

よく子供の頃読んだのは、「少年ジャンプ」や「少年チャンピオン」。
そして、少年漫画の王道はやはりバトルものでした。
ストーリーでは、これでもか、これでもかと攻撃を仕掛けて、強大な敵を倒そうと挑みます。しかし、効いたと思った攻撃は全く効果がなく、ピストル、重機の鉄球、ダイナマイトとだんだんと武器もエスカレートしていきます。
ところが、どんな攻撃を受けても敵は不死身のごとく立ち上がって、最後なす術もない主人公たちを踏み殺す・・・
と、思った瞬間!
「オラァ、もう嫌だ。これ以上こんな奴らと喧嘩していたら、本当に殺されちまう。」
なんと、相手から先に泣きが入って、逃げ出していまいました。
かくて、ずっと手に汗を握って読んでいた緊張感が一気に緩んだのです。

■緩急で次につなぐ

最後、あっさりとバトルが幕を引きました。
こんな展開は普通あり得ないでしょう。
血の一滴まで振り絞って、動けなくなるまで戦うのがバトルものの定石です。
そして、最後の最後まで、いかに読者の緊張の糸を切らないかが作者の腕の見せ所です。
なのに、張り詰めた糸を、さらに張り詰めるだけ張り詰めておいて、そして最後急に緩めるのです。思わぬ肩透かしに怒り出す読者がいてもおかしくありません。しかし、自分も含めて友達全員、このストーリー展開には大満足でした。
やたら乱暴なバイオレンスに凝り固まった作品かと思いきや、意外にお茶目な一面も見せたので、新たな読者層も獲得できたと思います。
ひとえにこれは、ストーリー展開の緩急の妙です。緩慢な展開にしろ、急迫した展開にしろ、ずっと同じペースが続けば、読者は飽きるか、疲れてしまいます。
そこで、ある程度「緩」が続いたら「急」、「急」が続いたら「緩」と、手元で糸の張りを自在にコントロールします。
そうして、読者の興味をずっと作品に繋ぎとめようとするのです。

■思い切り働いて、思い切り休む

同じように、私たちの日常にも緩急は大切です。
仕事も、忙しい時もあれば、さほど忙しくない時もあります。
忙しい時は、それこそ真剣に働かなくては回りませんが、急にフッとその忙しさから解放される時が来ます。
しかし、慣性の法則で、状況が変わっても仕事慣れした身体は同じペースで働こうとします。すると、気持ちに対して仕事量がついて来ないので、いろんなところに首を突っ込んで仕事をかき集めようとする。
まるで、バリバリと音を立てて働いていることが自分の有能さの証明と思っているようです。
でも、仕事も緩急が大切ではないでしょうか。
忙しい時は、それこそバリバリと働く。それは、そうしなくては回りませんから。
でも、余裕ができたら、仕事をする時間をギュッと圧縮して、空いた時間分思い切って休みを取ると言うのはどうでしょうか。例えば、1週間とか。
オンは「急」、そしてオフは「緩」です。
日常に変化をつけ、メリハリを生むことにより、明日につながります。そして、また大きなプロジェクトに挑む英気を養うのです。

■エピローグ

漫画や小説、映画で山場が終わると最後にエピローグが待っています。
それまで、ストーリーの中でたいへんな目にあってきた人たちに、やっと穏やかな日々が戻ってきました。そして、これからどのように生きて行くのか、その未来を描く部分です。
ここに至るまでの道のりが険しければ険しいほど、最後のエピローグでは深い感動を生みます。むしろ、このエピローグを見るためだけに、途中の緊張感のあるストーリーに付き合ってきたといっても良いくらいです。
しかし、このエピローグが引き立つのは、それまでの「急」の部分が際立っていたからです。よく苦難にも耐え、頑張って乗り越えてきた。だから、エピローグの「緩」の部分では、主人公に心から喝采を送りたくなります。
願わくば、私たちの毎日もそう終わりたいものです。
一生懸命頑張った1日、最後お風呂や布団で身体を休めるとき、「今日も1日頑張った」と褒めてやりたい。
それが、一年であっても、あるいは一生であっても同じです。
たいへんな一生で苦労もしたけど、エピローグでは、実りを手にして満足したい。そして、自分のことを褒めてやりたい。
それには、人生に「急」の部分があって、初めて「緩」のエピローグが待っています。
その意味では、まだまだ満足なエピローグを迎える資格などない自分です。その日を迎えることができるよう、これからも真剣に生きて行きたいと思います。