今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

ただ一つ言えることは、「why」を顧客と社員の両方に明確に伝えた企業だけが歴史を動かしてきたことは、紛れもない事実なのです

(写真:名駅上空 その1)

■心に刺さる言葉

『ただ一つ言えることは、「why」を顧客と社員の両方に明確に伝えた企業だけが歴史を動かしてきたことは、紛れもない事実なのです。』
この言葉を、どのビジネス書で拾ったかすら忘れてしまいましたが、非常に心に刺さる言葉だったので、書き留めておいた覚えがあります。
冒頭「ただ一つ言える事は」とあるので、著者がずっと持論を展開して、その結論として言葉にしたことが分かります。
次に、「why」「明確」「伝える」「歴史を動かす」と、私たちの心に響く言葉が続きます。
これは、どう言う意味でしょう。
私なりの解釈を試みたいと思います。

■whyとhow

「why」は、言わずと知れた「なぜ」です。
なぜは、理由です。
そして、通常「why」の前には、「what」と言う「〜について」と対象を特定する言葉があります。
「自動車について」、あるいは「運転について」、もしくは「長距離移動について」。
これを、「why」と組み合わせてみます。
なぜ、自動車は、歩行者にとって危険な乗り物なのか?
なぜ、自動車の運転は、人間でなければ出来ないのか?
なぜ、長距離の移動は、飛行機が主流なのか?
なぜ、は問題提起です。
私たちが、日頃当たり前と思っていることに一石を投じ、新たな視点に気づかせてくれます。
そして、その後に出てくるのが「how」です。
「how」は、「what」に対する「why」を、現実にするための手段です。

■whyはブレークスルーの源

「what」「why」に、さらに「how」を組み合わせます。
・・・
なぜ、自動車は、歩行者にとって危険な乗り物なのか?
→歩行者が車に怯えなくても良いようにならないか
→歩行者に衝突しそうな時に警告してくれる機械を作れないだろうか(how)
・・・
なぜ、自動車の運転は、人間でなければ出来ないのか?
→人間が運転しなくても、行き先を告げるだけで目的地まで連れて行ってくれないか
→機械が、ナビと道路状況を読み取って、自動で運転してくれないだろうか(how)
・・・
なぜ、長距離の移動は、飛行機が主流なのか?
→新幹線で直接遠方まで行ったら、空港に行く時間も、空港での待ち時間も必要ないから楽ではないか
→遠方まで移動した時でも、飛行機に負けないような新幹線の料金プランを作れないか?(how)
・・・
自動車や、移動と言う一分野に搾っても、これだけのブレークスルーが挙げられます。
そして、これらは、すでに私たちの生活を変えている、あるいはもうすぐ変えようとしています。
そのブレークスルーの源となったのが、「why」の問いかけであるのが分かります。

■whyを明確に伝える

私たちの日常では、意外に「why」「なぜ」が問われないことに気がつきます。
例えば、会社に行ってお金を稼ぐ。
「なぜ」お金を稼ぐのに、会社に行かなければならないのか?
私たちは、普段そんな問いかけをするでしょうか。
私たちは、「どう」会社の人間関係の中をうまく泳いで、「どう」お客さんも満足させ、「どう」上司から評価され、「どう」収入を増やすかは考えます。
しかし、そもそも、なぜお金を稼ぐ場所が会社でなければならないのか?
あるいは、なぜ今の会社でなければならないのかを、自分に問いかけません。
そして、会社で余程辛いことがあれば、他の選択肢を考えますが、その時まであまり問題にしないのが、「なぜ」の問いかけです。
これは、世の中に溢れるいろんなものについても同じです。
前から、カップラーメンは身体に悪いと言われ続けていますが、値段が安いのと、味が良いのと、年齢的にまだ問題ないと考えて、日常的に食べている人がいます。
しかし、健康診断で悪い数字が出た時は、さすがにマズイと思ってか、カップラーメンに手を出すのを控えようとします。
つまり、「どう」カップラーメンを減らして、身体に良いものを食べ、「どう」健康を維持するかを問題にするのです。
しかし、そもそも「なぜ」カップラーメンは身体に悪いのか?「なぜ」美味しいものなのに身体に悪くて、控えなくてはならないのか?「なぜ」身体に良いカップラーメンがないのか?
そこから、全く新しい視点が生まれ、新しい取り組みが始まります。
この「why」「なぜ」を、顧客に分かりやすく伝え、しかも努力して価値を提供するならば、歴史を変えるようなブレークスルーを起こせるかも知れません。
今まで、顧客が持つことのできなかった新しい視点を提案する訳です。それで、今までの常識(車は人間が運転するもの等)がひっくり返り、世界が変わるかも知れない。
そして、そのブレークスルーを実現するには、一緒に頑張る社員の視点も変える必要があります。
つまり、今まで当たり前だったことを超えるには、今までにない努力をしなければなりません。そのモチベーションを高めるために、「なぜ」私たちがこれをするのか、私たちの使命は何であるかを、共有する必要があるのです。
・・・
以上、この言葉の私なりの解釈です。
この言葉通り、「why」と問いかけ、少しでも視点を変えるよう努力したいと思います。