今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

世界を変える

(写真:宇宙ステーション)

■iPhone登場

デジタルの真の破壊力。
それは、iPodが登場した時に、予測すべきだったかも知れません。
iPodを自分が手にしたのは、もう10年以上前です。
その時は、昔のソニーのウォークマンのデジタル版=たくさん曲を入れられる、くらいの認識しかありませんでした。
iPodの画面はタッチディスプレイではありませんでした。操作用のインターフェースは、丸いリングのみ。
それで、選曲も音量調整も全てこなしました。
まさに、アップルに復帰したジョブズのこだわりのデザイン。また、天才がクールな仕事をしたと思いました。
しかし、その時ジョブズは確信していたのだと思います。
「ハードウェアの機能はソフトウェアが代替できる」と。
そして、間もなく、iPhoneの登場となります。

■その時、世界が変わった

私たちのiPhoneに対する反応は、どちらかと言うと冷めていました。
だいたい高機能化し過ぎた日本のガラケーにも食傷ぎみだったのです。それにまた、変わりダネのケータイを出されても使いこなせるはずなどない、と。
実際、当時のネット版経済新聞のキャッチコピーが、
「電話?メール?それだけ?スマホには仕事をさせましょう!」
新しもの好きの人が手を出したものの、使いきれずに、従来のケータイの延長に止まっていたことが分かります。
しかし、当時自分が持っていたガラケーが水没。お金もさほど変わらないし、恐る恐るiPhoneを申し込みました。
しかし、分かっていたこととは言え、手にしてみれば中央下に丸いボタンがあるだけののっぺりしたデザイン。
iPodのころと同様、天才の考えることは分からないな、と思いました。
それから、iPhoneとの格闘が始まりました。
ガラケーの頃は、どうしてiPhoneに変えた人が、ああまでスマホばかりを触るのだろうと不思議でした。
でも、自分が持って分かったのは、あれは面白くて触っているのでなく、あまりにガラケーと使い勝手が違うから、慣れようと触らずにおれなかったのです。
しかし、慣れてみると、どんどんiPhoneの使い方の幅が広がっていきます。
まさに、これは手乗りコンピューターです。
私たちがそれまで、いろいろな文具や電子機器を駆使してやっていたことが、すべてデジタルのソフトウェアで置き換えられていったのです。
そして、それは昨今のデジタル革命の走りでした。
さらに、それまでITの中心だったパソコンの前から、ユーザーを解放した瞬間でした。
その時、世界が変わったのです。

■加速する世界

パソコンを所有するには、そのためのインフラが必要です。
安定的な電源とか、ネットワーク回線とか、あるいはパソコンの使用に耐えうるクリーンな環境とか。
しかし、iPhoneに代表されるスマートフォンでは、そのハードルはかなり下がります。
つまり、充電できるだけの電源と、WiFi等の公共の通信設備があれば、電話やメールはおろか、ネット接続やメディア視聴までできるのです。また、イントラネットに接続すれば、業務もこなせますし、世界中のネットショップで買い物もできます。
また、銀行等の金融インフラが整備されていなくても、電子通貨で決済もできるのです。
これで、遠く離れている途上国の人たちにも、我々の市場に参加してもらえるようになりました。実際に、途上国の人は車は持たなくても、スマートフォンの所有率は高いそうです。まさにデジタル中心に世界が動き始めた証拠です。
iPhoneが実現した、世界に対するインパクトをまとめると、以下の通りです。
・情報のリアルタイム化
・人と人とのつながりの拡大
・既存の機能や仕組のデジタル化
・〃 のコモディティ化
・〃 の低価格化、無償化
今、機械が人間の仕事を奪うと話題になっていますが、おそらくiPhoneによって加速したデジタルシフトの方が、私たちの既存のビジネスに与えるインパクトは大きく、早いのではないでしょうか。

■子供から借りている世界

そして、今世界の変わる速度はますます加速しています。
人工知能は、まだまだ夢のまた夢と、冷めた目で見ていたら、いつの間にやら囲碁の世界チャンピオンを相手に4勝1敗の成績を残しています。
ドローン配送もまだまだ先と考えていたら、国内ネット通販の大手がゴルフ場でのデリバリーに使用するとか。
ちょっと、耳に聞こえたときは、とても夢物語にしか思えなかったことが、気がつけば日常見慣れたものになっています。
今、実験的に始まっているロボット店員も、すぐ見慣れた光景になるかも知れません。
これから、世界はどうなっていくのでしょうか。予想もつきませんし、また、制御不能になっていく怖さがあります。
人々の善意が身近に感じられるようになった反面、集約化、コモディティ化した世界はサイバー攻撃のような悪意に対してひどく脆弱なのです。
「世界は祖先から受け継いだものではない、子供たちから借り受けたものだ」という言葉があります。
いろいろと悲惨なことはありますが、それでも今は人類史上もっとも満たされた時代なのは間違いありません。そして、それは私たちの祖先の奮闘努力により受け継がれたものです。
しかし、それを消費し、枯渇させるだけでは、後の世代に申し訳ないと思います。
今の満たされた世界をもっと良い場所にして、子供たちに引き渡す責任があります。
そのために、この加速する世界の行き先をしっかりと見定める義務が私たちにはあるのです。