今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

声を届ける

(写真:実り溢るる)

■声が届くとモチベーションは上がる

「頑張っているね。」
「助かっているよ。」
「さすが君だね。」
そう言われると、今までの苦労も吹き飛んで、もっと頑張ろうと気持ちが高揚します。
頑張って、結果お金をたくさんもらう、長期休暇を与えられる。役職が上がったり、社員全員の前で表彰されたり。
それはそれで、嬉しいことには違いありませんが、やはり、それが直接声で届くとモチベーションが上がります。
そもそも、そのモチベーションとは何でしょうね。
モチベーションは、主に職場で使われる言葉です。
職場で大切なのは、いかに与えられた仕事を効率よく、品質よく行うかです。
そのために、従来は従業員の組織化を図ったり、管理を強化して無駄を監視したり、マニュアル化を進めて誰でも同じ精度でできるように取り組まれました。
また、こと細かく何時から何時までは何をしていたかを記録して、作業の見える化を測ろうとします。つまり、無駄な時間の使い方をチェックしたり、苦手な仕事に時間をかけていないかを管理側から把握できるようにするのです。
ところが、それでかえって仕事の効率が落ちてしまったそうです。
何故ならば、時間の見える化はできましたが、それで働き辛さを感じて、社員のモチベーションが下がってしまったからです。
仕事が楽しい、頼られている、喜んで貰えている。そんな数字に表れない気持ちの高揚感がモチベーションです。
IT化が進んだ昨今では、数字に見えないと管理側は不安を感じます。でも、仕事の効率や品質を左右するのは、数字に表れるもの以上に、社員のモチベーションです。
そして、そのモチベーションを上げる最大の武器が言葉なのですが、ついついおろそかにしがちなのも言葉です。

■言葉の力

何故、言葉が届くとモチベーションが上がるのか。
それは、言葉にはたいへんな力があるからです。
「言葉は凶器」とか「舌は刃物よりも鋭い」と言われます。確かに人からひどい言葉を浴びせられると、身体に直接暴力を振るわれるより深い傷が残ります。
身体の傷はいずれ癒えますが、言葉で傷ついた心の傷は、深く長く自分を苦しめます。
我々が最も気軽に使用し、また最も多くの人を傷つけてきた凶器が言葉です。
しかし、反対に人を勇気づけ、生きる力を与えるのも言葉です。
言葉には、そこに私たちの心を乗せて、相手まで届ける力があるからです。
私たちの心は見えませんが、そこでどんなことを思っているか、周りはとても気にします。そして、その心を一番分かりやすく伝わるのが言葉なのです。
乱暴な、また無視をするような言葉から人は拒絶を受け取り、深く苦しみます。あるいは、人を許容し、励まし、承認する言葉で、誰もが居場所を確認し、安心するでしょう。

■承認欲求

言葉は大切です。
だから、言葉を大切に使わない人間には付き合い辛さを感じます。
言葉で、自分の居場所を知り、人との距離感を測ります。そして、安心したり不安になったりします。
また、その中で、一番聞きたいのは「承認」の言葉です。
人間は、自信一杯生きているつもりでも、どこか自分のやっていることを確認したいものです。
本当に自分は正しいのか。間違ってはいないのか。大丈夫なんだろうか。
だから、それを事ある毎に聞かせて貰いたい。
しかし、立場が上がると、周りが遠慮して言わなくなる。そして、段々確認する相手がいなくなり、正されなくなってくる。
だけど、それはとても孤独なことだと思いませんか。
でも、ある時、下の人から心から感謝の言葉を受け取ります。
「口うるさい上司だと思っていました。でも、決して間違ったことは言われません。だから、僕らはずっと信頼してついて行きます。」とか。
思わず鬼上司でもほろっと来ますよね。
承認の言葉は、安心感と、たいへんな勇気を与えてくれます。
仕事のモチベーションも12倍です。

■心が交流しないと生きられない

どこの会社にも、評価制度があります。
その人の頑張りを数値化して、だから、褒賞の対象にするとか、待遇を見直すとか。
業績や取り組みを点数化すれば、たとえば60点とか、65点とか、人の優劣評価は簡単でしょう。
しかし、「優」「良」の評価を受けても、無機質な数字だけでは今ひとつモチベーションが上がりません。
それより、評価結果を聞かされた時、一緒に添えられた上司の言葉に、本当の勇気を貰います。
「残念ながら今期は評価できないが、頑張りはキチンと分かっている。来期はとても期待しているから、引き続き自分を信じて頑張ってくれ。」
そう言われたら、涙が出てきませんか?
これは、数字以上に、言葉以上に、上司の心が伝わるからです。
そうです。心が交流しているのです。
お客様との関係も、安い高いだけでは割り切れません。お金だけでなく、心も交流しなければ、良い関係は築けません。
職場でも、お互い助かっていることを、面倒臭がらずに小まめに伝えて行くと気持ちが交流します。
家庭でも、いつも家を頑張って守っている奥さんに言葉を伝える。すると、言葉は以上に心が交流します。
つまるところ、心と心を通い合わせ、気持ちよい交流を生み出すことで、モチベーションは上がると思います。
声が届くとモチベーションは上がる。
まずは、自分から言葉を届けたいと思います。