今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

1パーセントの力

(写真:高台にて)

■たかが1パーセント、されど1パーセント

たかが1パーセント、されど1パーセント。
最近、話題のIOT絡みで聞くのは1パーセント〜数パーセントの改善の成果です。
関係者は歓喜して、その取り組みの成果を報告しています。
センサーを工場のラインに設置して、今まで熟練の工員さんが担当していた不良品の検出を機械に任せる。すると、ムラなく不具合の検知ができ、不良品の発生率が1〜数パーセント落とせる。また熟練の工員さんを、他の業務に当たらせることができるので、工場全体の生産性がまた数パーセント上がる。
素人目に見ると、なあんだ1パーセントか、あるいは数パーセントか、ちょっと大袈裟に喜び過ぎなんじゃないの?とツッコミたくなりますね。

■1パーセントの力

しかし、この1パーセントが侮れません。
私たちが聞いて素直に感心できるのは、不具合率50パーセント削減とか、分かりやすい数字の場合でしょう。
しかし、50パーセントも落ちるのは、それまでどれだけ酷かったかと言うことです。
当然、今までしっかり取り組んで、不具合率をある時点の50パーセント減、80パーセント減、さらに98パーセント減と下げて来て、その上での1パーセントです。
工業製品では、当初の不具合を50パーセント削減することと、改善が相当進んでから1パーセント削減することでは、同じか、あるいはそれ以上のパワーがかかるそうです。
ですから、ここで数パーセントの成果が出ることはたいへんなことです。
また、不具合率を1パーセント下げることは、単純に言って製品の販売利益を1パーセント上げることです。材料費、施設費、人件費、営業経費等原価の合計が90パーセントを占める場合、1パーセント利益を確保するには、10パーセント売上を伸ばさなくてはなりません。
ですから、1パーセントの力は侮れません。
そして、これから機械化、情報化の世界ではますますこの1パーセントを競って各社がしのぎを削ることでしょう。

■大衆の力

それに、1パーセントと言えど、それがものすごく多く集まったらどうでしょうか。
例えば、収入が30万円の人にとって、1パーセントは3千円。何処か気の利いたところで1回外食するくらいの金額です。
そして、気がつけばいろいろなことで消えている3千円を、自分のこと以外で使ってみる。
例えば、100万人の人が参加すれば、30億、しかも月にです。1000万人なら300億、国が問題の解決予算として捻出に苦労しているのと同等の金額ですね。
では、これをどんなところに使えば良いでしょうか。
例えば、災害で行き場をなくした人の支援、シングルマザーで生活に困窮している人の支援、今のシリア等未曾有の難民問題の人道支援として。あるいは、福島の原子力発電所の廃炉を1日も早く実現する為の資金として。
報道により狭くなった世界の各地から、日々もたらされる痛ましい出来事、とくに災害や難民問題は明日の自分に突如降りかかるかも知れません。
それら、なんとかしたいと皆んなが願いながら、その実、行政の仕事と割り切っていたり、あるいは個人レベルを遥かに超えているので手をつけかねている諸問題を、私たちの1パーセントの力を結集して解決できれば、どんなに良いかと思います。

■未来への提案

他にも、重い心臓病を抱えながら、あまりに高額の渡航費や手術費のため、なす術のない人たち。
地球温暖化問題、それにともなう気候変動。
そして、人類の活動の拡大にともなう、生物多様性の崩壊。人間の活動による他種族の絶滅の速度は、かつて隕石激突によって引き起こされた地球規模の大災害に匹敵するとまで言われます。
まさに、諸問題を抱えた人間社会を破滅型社会と呼ぶ人もあります。このまま、手をつけかねていて良いのか、正直心配です。
ならば、国家や行政の対応を待つのでなく、私たちから1パーセントの行動を起こしていく。
しかし、先ほどの3000円の話は、聞きようによっては国が税金を多くとるための理由を与えているだけにも思えます。
ならば、例えばですが、今度上がる消費税10パーセントのうち、1パーセント分は消費者自ら使い途を指定できると言うのは、どうでしょうか。
まさに、私たちが使うお金の1パーセント、食事をしても、服を買っても、公共交通機関に乗っても、家を建てても、あるいは企業活動で使ったお金も、その1パーセントをマイナンバーや法人ナンバーで集計します。
そして、ある程度積み上がったら、国が指定した100程度のカテゴリーから選んで使い途を指定できるのです。
待機児童問題や、医療の充実、地域の安全や人道支援、食の安全、環境問題、高齢化社会対策等。
各省庁が関連団体の突き上げや、利権で積み上げた予算でない、国民の意見が反映した予算が僅か1パーセントと雖もあるのです。
しかし、国の実質の税収が減るのでないか、国がそれを認めるだろうかと、心配する人がいるかも知れません。
でも、何のかんのと国も本来拠出しなければならないお金です。むしろ、国民の私たちの参加意識が高まる良い取り組みだと思いますが、いかがでしょうか。