今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

貢献感

(写真:夕陽のサファリ その2)

■転職理由ナンバーワン

転職理由トップスリー。
転職サイトには、このように掲載されている。
一位、上司、会社とウマが合わない
二位、拘束時間が長い
三位、給料が不満
なるほど、一位は人間関係、以下は待遇面である。ただ、一応納得はするものの、人間とはそんなに単純なものだろうか。
上司が気に入らないから辞める。お金が安いから辞める。仕事がシンドイから辞める。
もちろん、それは大きな要因に違いないが、やはり自分の仕事に貢献感がないことが一番の理由だと思う。
自分がこの仕事をしていても、社会に、会社に、そして仲間に対して貢献していると思えない。
いてもいなくても良い存在。会社のお荷物。あるいは、社会にとって無くても良い仕事。
そんな思いが、働き手の心を蝕み、職場からのリタイアを決断させるのではなかろうか。

■最高の報酬とは

我々、会社人間にとって、最高の報酬とは何だろう。
それは、やはり高い給料、あるいはポスト、そして、高い社会的ステータス。
いや、それ以上に我々に仕事をする喜びを与えてくれるのは、貢献感である。
功成り名を遂げた人が、若い頃を振り返ってシミジミと語ることがある。
「この会社を立ち上げた時は、数人しかいない小さな事務所だった。みんなお金も無かったし、時間も無かった。営業に行っても、そんな無名な会社誰も相手にしようとしなかった。でも、みんな夢を持っていたし、お互いを信頼していた。思えば一番あの頃が楽しかったな。」
よく聞く話である。
会社が大きくなって、お金も、ステータスも、時間も自由になった。今から、すべて投げ捨てて、あの頃に戻れと言っても無理だろう。
ただ、あの頃は今より恵まれていたものが一つだけある。それは、仲間同士に強い結びつきがあり、互いに深く依存していた。その中で、みんな大きな貢献感を持っていたのだ。
この貢献感だけで、人間は頑張れる。
お金が無くても良いとは言わないが、貢献感なき高給取りより、貢献感がある薄給にでもむしろ喜びを感じる人が多いのではないだろうか。

■皆んな居場所を求めてる

貢献感とは何か?
それは、自分の居場所の確保である。
自分の居場所があるとは、あなたはここに居てもいいんだよ、と承認を受けることである。
例えば、社歴が長くなるに従い、会社からキャリアチェンジを迫られることがある。
製造から営業に、現場から管理職に、等。
ただ、そこにも二通りの人がいて、キャリアチェンジを上手くできた人と、それが上手くできなかった人である。
キャリアチェンジに失敗した人は、それまでの職場では経験者として皆んなから頼って貰えたのに、新しい仕事では思うように結果が出せない。すると、貢献感は一気に減退する。果たして、自分はここに居ても良いのかと、猜疑心に責められる。
これは、職業人としては一番辛いことだろう。しかも、会社員として、中堅を超え、盛りを過ぎた年代には根深い悩みではないかと思う。
そう、人間は居場所を求める生き物なのだ。
いてくれて良かった、さすが〇〇さん、と言われたい。
地位が高い人で、必要以上にその地位を誇る人がいるのも、そうすることにより自分の存在対効果を確かめていると言える。

■貢献感のある職場とは

ならば、お互いに貢献感を持てれば、仕事のパフォーマンスは自然に上がることになる。
なぜなら、みんな一番食べたかったご馳走を腹一杯口にすることができるからだ。
だが、なかなかそうは行かないのが難しいところで、人間には僻み根性と言う大敵がいる。あるいは、ああせい、こうせい、と言われるとムクムクと反発心しか起きて来ない。
だから、皆んなで頑張ろうよと声をかけられても、オレはオレと要らぬツッパリをしてしまう。また、頑張っている人と引き当てて、貢献感の足らない自分に勝手に落ち込む。
だが、人間は自分には興味があるが、他人にはそんなに興味がないものだ。人のことは適当にあしらいながら、自分だけ承認して欲しいと言っても無理だろう。
だから、結局はポストとか実績で、自分が優れていることを根拠にして貢献感を自作自演するしかなくなる。
そう、実績が出れば貢献感が出るし、居場所ができる。ただ、それでは特定の人間しか貢献感が持てず、組織全体でのパフォーマンスは下がってしまう。
ならば、意識して相手が貢献感を持てるように承認し合う文化が必要ではなかろうか。
「有難う」「助かるよ」「頑張っているね」
これら言葉のプレゼントは誰でも欲しい。
しかし、減るもんじゃないのに、みんな出し惜しみする。
自分がプレゼントが欲しかったら、まずは人に与える。自分だけでも良いじゃないか。まずは自分が始める。
思えば、このプレゼントの出し惜しみが自分の最大の欠点だった。
自分にとっての最高の居場所を作るかどうかは自分次第。だから、是非この言葉のプレゼントを心がけたい。