今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

トンネルの中の光

(写真:はなび その2)

■トンネルの中の光

こんな譬で教えられた。
「トンネルの中、手許の明かりで足元だけを照らして進む時と、どんなに小さくて遠くても出口の明かりが見えて進む時と、どちらが安心して進める?」

現実には、出口の光の見えないトンネルなど滅多にない。しかし、もし山の中で洞窟に迷い込んだらどうだろう。
出口を見失って、頼りは手許の懐中電灯のみ。足元を明るく照らしてはくれるが、心配の種は電池がいつまで保つか。
もし、電池が切れたら、闇の中に取り残され遭難しなければならない。時間とともに不安が募る。
いよいよ、懐中電灯の光が弱くなって、いよいよこれまでかと思った時、遠くに光が見えた。あっ、出口の光だ、と思えば、俄然勇気が湧く。どんなに小さく、遠くの光でも、そこに向かえば必ずまた光の下に出ることが出来るからである。

■今自信を持って進むには

これは、仕事でのビジョンの大切さを教えて貰ったものだ。
普通に毎日仕事をしていれば、日々の業務に忙殺されて、それなりに時間は過ぎてゆく。
毎日やることがあって、それなりに実入りもあるから、特に不満はない。
しかし、それは現場の感覚である。
上から見れば、今の食い扶持がいつまで保つか、心配でならない。
まるで、電池の心配をしながら足元を照らしている懐中電灯のようなものである。
足元の一歩二歩を照らすのに不自由しないのは、まるで今日明日だけの食い扶持に困らないのに等しい。
しかし、一年後、二年後、三年後はどうだろうか。
現場は、懐中電灯の電池が切れたら、また替えを貰えば良いくらいに気楽に考えているかも知れない。
だが、それでも気がつくだろう。このままで、定年までこの会社は大丈夫かな。
いや、会社が存続する間だけでも、ここで飯を食えたんだからいいじゃないか。
しかし、そんなアルバイトのような訳にはいかない。自分たちは、この場所で生涯これをしたと言える仕事を成し遂げたいのだ。
だから、どんなに遠く、実現不可能に思えても、確かな未来のビジョンに向かってする仕事であって欲しい。
それは、ちょうど洞窟に差し込む出口の光のようなものである。

■未来を想定する勇気

しかし、未来を想定するのは簡単ではない。
ああなりたい、こうなりたいと言うだけなら、酔った勢いでいくらでも言えるだろう。
その実、ほとんどは夢は夢、未来は未来、そして現実は現実。
毎日仕事に忙殺されていて、未来のビジョンを叶えている時間などあるはずがない。
かくして、我々は懐中電灯の電池がなくなり、暗闇の中に取り残されるまで、足元だけを照らして彷徨するのだ。

未来のあるべき姿を口にする。未来に向かって正しい行動ができているかチェックする。
右に行こうと思ったら右に向かって歩き始めなければならない。左に行こうと思ったら、左に向かって歩き始めなければならない。
右と左、同時に駆け出す訳にはいかない。
人間の有限の時間の中、どうしても取捨選択をすることになる。その選択基準が未来のビジョンである。
しかし、人間の優先順位は往々にして時間軸。未来のような遠い話より、どうしても今目の前が優先である。
だから、未来のビジョンより目の前で手一杯になる。

未来を想定する、それは口で言うだけでない。
今に取捨選択を迫られる。毎日、少しずつでも努力を求められる。
そして、少しずつでも協力者を募らなければならない。
だから、未来は面倒臭いし、未来は都合が悪い。また、未来を想定することは勇気がいる。なぜなら、不確定なことに向かって進むのだから。
しかし、未来を想定せずに生きることは、とても危険である。

■明確な未来があるからこその信念

未来を想定する時、自分たちのキャパで考えると失敗する。自分の出来ることで考えると、どうしても安全策を取る。必然的に考えることのスケールが小さくなる。
だから、未来は自分たちのキャパはさておき、やりたいこと、なりたいことを考える。
頑張っていたら、たまたまそうなった、と言うこともあるだろう。だが、出口定めずに洞窟を彷徨していて、助かることの方が稀ではないか。
どんなに遠く、小さくても、かすかな明かりを求めて歩き始めたら、一歩一歩確実に光に近づく。時間はかかるかも知れないが、それでも最も確実な選択なのだ。
同じように、今は自分たちから遠くても、出口の光に向かって歩き出す。それは、自分たちが5年後、10年後になりたいビジョンである。
今自分が出来るか出来ないかではない、考えるべきは、どうしたらそこに近づけるかだ。
当然道は難渋する。課題が噴出する。
しかし、むしろ課題が出たことを喜ぼう。
課題を解決すれば、そのぶん未来に近づける。課題は、そう、道標なのだ。
そうして、一つ一つ、未来に向かって課題を乗り越える。
いつしか、未来は確信となり、信念となる。