今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

メールの件名ピッチ

(写真:ベリー・マッチ)

参考:ダニエル・ピンク 『人を動かす、新たな三原則』より

■ネット社会の攻防

昨日、友だちが、とてもセンセーショナルなニュースをシェアした。
これが本当ならば、日本がエネルギーを中近東に依存することも、怖い思いをして原発を稼働させることも要らない、と言うくらい大ニュースだった。
思わず、リンクを押すと、セキュリティソフトが警告を表示。
「ウィルス感染のリスクがある危険なサイトなので、閲覧をブロックしました」

すぐに、友だちに警告をコメント。
「大袈裟なネタを餌に、閲覧者を釣って、サイトを開いた途端、ウィルスをばらまくサイトかも知れないから注意するように。」
しかし、友だちのセキュリティソフトは検知しなかったようだ。
いずれにしろ、自分は用心しておいた。

ウィルスの有無は別にしても、サイトも、ブログも、大量に届くメールも、無数と言って良い選択肢から、どうやって自分を開いて貰うか、必死の攻防をしている。
まるで、自然界で、とりどりの花や、実をつけて、動物に運んでもらい、勢力圏を拡大を図る植物の攻防のようである。
ネットで、その花や実に当たるのが、僕らが最初に目にする、ブログやメールの件名になろうか。

■メールの件名ピッチ

「メールの件名ピッチ」とは、メールの件名だけで、どう受信者の心を掴んで、本文を開かせるか、と言うこと。
ただ、ここで期待されているのは、メールを開く行動であって、メール本文を見て、実際に行動を起こすかは、また別である。

自分が、どんな時に件名を見て、メールを開くか考えてみる。
まずは、仕事上、どうしても必要な場合。
一緒に仕事を進めている取引先とのやり取りや、上司からの指示、同僚からの連絡メールが、それに当たる。
たくさん流れてくる業者からの商品紹介や、セミナーの案内は、多少興味を引くくらいでは、毎日のタスクに比べ有用性が下がるので、そのままゴミ箱に入ることが多い。
ただ、今の興味の対象にヒットすれば、すぐに使用するものでなくても、それなりの確率で開いている。

あと、プライベートなら、職場に比べ流れてくるメールの数も何十分の一に抑えられるので、一件一件、件名をじっくり眺めていられる。
そんな時、有用性は低くても、好奇心がくすぐられれば、かなりの頻度で開いている。
前段のウィルス疑惑事件も、そんな文脈で発生した。
特に、ゴシップ系は、中身はともかく、件名のコピーライティングにはかなり力を入れていて、ついつい戒めてはいても、本文に誘導される。
敵は何枚も上手である。

■有用性と好奇心

メールの件名ピッチは、このように定義される。
受信量が多い場合は、まずは情報の有用性が優先される。
簡単に言えば、「たら」より、「ねば」が優先されると言うことだろう。どうしても、情報を選ばなくてはならないのなら、もし見落とせば身の危険が生じるものを選ぶのは自然である。
すると、どうしても現在進行形で関係性があることを優先し、それ以外は余裕があれば、と後回しにされる。あるいは、ゴミ箱に直行とか。
もし、大量のメールに埋もれがちなビジネスの現場で、有効なメールピッチを考えるならば、
「IPAが 警告!凶悪なウィルスが蔓延!ただちに、Windowsのアップデートを適用!」とか、
「今を逃したら、ライバルに差を付けられる。画期的、マーケティングツールをリリース」と言った、危機感を煽るような内容になるだろう。

あと、受信量が少ない場合は、好奇心をくすぐるものが優先される。
まさに、「たい」の気持ちが強く出る。
「ミュージシャン、◯◯に囁かれる年内引退説を裏付けるこれだけの噂」とか、
「大手通信会社◯◯を自社株買いに走らせる、知られざる危機」とか、特にゴシップ系には、メールを開かせる引力がある。

しかし、これらメールの件名ピッチは優れていても、内容が伴わない場合が多い。
反対に、内容は優れていても、メールの件名ピッチがサッパリと言う場合もまた多い。
せっかく、内容をしっかり作ったのなら、あとメールの件名にも注力したい。
市場が反応するまで、あと少しである。