今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

一に対する、多に対する


(写真:ポッポッポーッ)

一人のことだけを考えてすることと、大勢を想定してすることでは、自ずと動き方、考え方が変わります。

例えば、料理ひとつ取っても、自分の家族のことだけ考えてする料理と、レストランで不特定多数に食べて貰う料理では作り方が変わります。
家族は毎日顔を合わせて、毎日料理を食べてもらわなくてはならないので、食べ続けても飽きがこず、しかもコレステロールや塩分を考えて身体に負担にならないものを出します。
逆に、レストランでは多くの人に美味しいと感じて貰わなければならないので、まずは味のインパクトを重視します。すると、どうしても調味料や油の量が家庭の何割増しになるので、外食中心の生活を続けていると肥満や高脂血症になります。
つまり、どちらが良いとか、優れている以前に提供する範囲により作り方が変わるのです。
これは、ある意味仕方のないことです。

音楽にしても、ストリートやライブハウスで特定の人を相手にする場合と、マスメディアから発信する場合では当然変わります。
ストリートミュージシャンは、自分が作ったものを道行く人に聞いてもらえれば良いので、自分の思いだけで好きな音楽を発信できます。
マス市場相手の音楽は、一人でも多くの人に利用してもらう必要があるので、機材、スタッフ、そして広告を投入して徹底的に作り込みます。そのスキルや完成度は高くなりますが、ストリートミュージシャンのようなその人の情念が込められた面白みは削がれるでしょう。

ソフトウェアも特定のお客様に提供する場合と、一般市場に展開する場合では作り方を変えます。
特定のお客様相手の場合は、約束事を作りやすく、そこの手間を省けた分、お客様がこだわる部分は徹底的に作り込むことができます。
しかし、一般市場相手の場合は、どんな業務で、どんな操作が行われるか分からないので、エラーが出ないように危険な操作を徹底的にブロックします。
するとあと一歩の利便性までブロックしてしまうので、人によっては使いづらいと感じるかも知れません。
しかし、安定したものを提供するためには大切な作り方なのです。

対して、私たちは、どうしても目の前の上司や、お客様、あるいは社内のルールに目が行き、その範囲で考えて仕事をする傾向があります。
しかし、本当の対象はその向こう側の多くのお客様です。
狭い範囲にとらわれていないか、一般市場のマス相手で考えているか、その違い目をよくよく自覚をしなければならないと思います。