読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

人の仕事を取らないこと

(写真:ヤンマ その2)

自分の方がうまくできるし

「ちょっと山田くん、いいかしら。」

「はい、課長。」

「あなたのチームの田中さんね。ちょっと元気がない気がするんだけど、思いつくことない?」

「う〜ん、彼女には極力負担をかけないようにフォローしているつもりなんですけど。」

「うん、それはよく分かるわ。でも、なんて言うのか、あまりやり甲斐を感じていないんじゃないかって。」

「やり甲斐ですか?」

「そうよ、人間は会社に来て、言われた仕事をして、月末に給料が振り込まれたら、それで満足って訳にはいかないの。やっぱり、みんなと一緒にこの会社を支えてるって実感のようなものが欲しいんじゃないかしら。」

「はい、そうですね。」

「それでね、山田くん。あなた田中さんに適切に仕事を任せてる?」

「もちろん、彼女のおかげで大助かりです。」

「例えば、どんな?」

「そりゃ、提案書や見積の作成とか、数字の集計とかです。」

「あと、見込み客へのクロージングは?」

「あ、それは僕がやっています。売上につながるところなので、まだ彼女には任せられません。」

「あのね、見込みの高いお客様へのクロージングは彼女が担当じゃなかったかしら。彼女だって、売上予算を持っているのだし、あなたがやってしまったら、形の上では田中さんはずっと未達成になるわ。」

「しかし、僕なら絶対に失敗しません。いかに確度が高いお客さんでも、田中さんは3人に一人は失注するじゃありませんか。会社のためを考えたら、僕がすべきだと思います。」

人の仕事を取らないこと

「人の仕事を取ってはダメよ。あなた方のチームは、案件の掘り起こしは山田くん、そのフォローと確度が高い案件のクロージングは田中さんって決まってるじゃないの。」

「しかし。」

「いいかしら、あなたは田中さんが頼りないって言うけど、誰だって最初からできた訳じゃないの。経験を積んで、初めて少しうまくできるようになるんじゃない。その経験の機会を奪ってはいけないわ。」

「はあ。」

「それに、田中さんの同期はほとんどの人が独り立ちして頑張っているわ。彼女だけが経験を積ませて貰えずに、同期のみんなから置き去られたような気持ちになっているとしたら気の毒じゃない?」

「ですよね。」

それぞれの本分

「もっと言えば、山田くん、最近あなたの新規掘り起こしのペースが落ちて来てるわ。田中さんのフォローより、まずは自分のことをちゃんとやらなきゃ。」

「正直言えば、あまり新規件数が伸びていません。だから、余計チームの数字は落とせないって思ってしまうんです。」

「まあ、よく言えばね。」

「よく言えば、ですか。」

「そう、あなたは優秀だから、そこを見込まれて厳しいところを任されているの。当然、人一倍苦労するし、なかなか結果が出ない時もあるわ。だから、ついつい結果が出やすい仕事をしたくなるのよね。しかも、人のじゃなくて、自分が愛着を持って育てて来たお客様だもん。自分が最後まで担当したい気持ちも分かるわ。
だけどね、それはあなたじゃなくてもできる仕事なの。あなたは、あくまでも一軒でも多く新規顧客を回って、案件を掘り起こすのが仕事でしょ。
それって、あなた以外の誰かが出来て?」

自分はどうか、反省をする

「そう言われたら、嬉しいような、辛いような。」

「あなたには、あなたの仕事があるでしょ。ますばそこに集中して頂戴。」

「でも、そうすると・・・。」

「そうよね、それで忙しくなるから、他の事は出来なくなるわ。だから、そのために田中さんがいるんじゃないの。」

「はい。そうでした。」

「どうしても、今までやって来たことを後輩に任せるのは勇気がいるわ。でも、あなた自身次のステージに進むためには、今までの荷物を下ろさなくては十分活躍できないでしょ。
自分がすべきことは何なのか、よく確認して、まずは本分を果たすことが大事ね。」

「はい。肝に銘じます。」