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今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

すぐ作業に結びつけようとするから見えなくなる。

(写真:滋賀の夕暮れ)

命題が与えられたら

「今世の中では、AIが盛んに言われているが、それを使った事業モデルを作ってくれないか?」

例えば、そんな命題を与えられたとします。
一応、「はい」と答えはしますが、さて何をどうしますか?
困るのは、命題を与えられはするもののゴールが見えていません。
AIはよく聞きますが、そもそも何者なのでしょう。機械なのか、ハードなのか。
ネットで検索してみると、「あ、人工知能のことか」と分かります。
人工知能は、チェスや囲碁のチャンピオンを負かしたり、クイズ王に勝ったりしていますね。
だけど、どうビジネスに結びつくのでしょう。
だから、思わず聞き返したくなります。

「人工知能って買えたり、売れたりするもんなんですか?それとも僕らが作るんですか?」

すると、すぐに返ってくるのは、

「それも含めて検討をお願いしているんじゃないか。」

作業を探したがる人たち

私たちは、すぐに結果に結びつかないことをするのがとても苦手です。
会社が用意した商材を売ってナンボとか、いついつまでにこんなモノを作って欲しいとか、ゴールが見えている作業には安心して取り組むことができます。
しかし、そのゴールも含めて検討をして欲しいと言われると、とても不安です。
なぜなら、一日働けば一日分積み上がるものでないので、貢献感がありません。方向が正しいかも分からず、ひょっしたら無駄なことを繰り返して会社に損を与えているかも知れません。
上から「どう?どう?」と聞かれるたびに奥歯にものが詰まったような言い方をしなければならず、心苦しいこと一通りではありません。
そんな時、私たちが手っ取り早く安心感を得る方法があります。
それは、作業の心地良さに身を浸すことです。

作業の罠

「作業」とは、その結果を成果として積み上げることです。
例えば、毎日目の前の伝票を処理して、机の上をキレイにして帰る仕事なら、日々充実感があります。ちゃんと仕事をしている実感もありますし、給料以上に貢献できていると胸を張れる気持ちにもなります。
一日の終わりを気持ちよく迎えられますし、週末も仕事を引きずらなくて済むので安心して過ごすことができます。
また、そこまででなくても、納期が決められていて、それまでに仕上げて納めれば一応は一区切り、達成感があります。
そんな作業の達成感や貢献感を求めたくなるのも無理ありません。
そこで、取り敢えずしっかりした企画書を作ろうと作業を始めます。
まずは雛形探し。ネットで同じようなテーマのプレゼンテーションを探して下敷きにします。
あとは構成、組み立てや訴求ポイント、そしてセンテンスに使用する数字集めや画像の収集。
頑張った甲斐があって、かなりしっかりしたものが完成しました。そして、胸を張って提出、上の人の反応を待ちます。
ところが、上の反応は思わしくありません。
曰く、

「作業の罠にはまり過ぎだ。」

作業に必要なのはロジック

その「作業の罠」とは何でしょうか。
作業の罠とは、作業に没頭する私たちが、それをこなすことに満足して、すっかり何のためにそれをするのかを見失ってしまうことです。
例えば、企画書作りに没頭している時は、見た目が良く、厚みもある、そんなドキュメントを作ることばかりに頭が行っているでしょう。図やグラフを使った分かりやすい企画書なら、きっと上も褒めてくれるはず。
しかし、ネットでAIの定義をかき集めたところで、世の中の成功事例を書き連ねたところで、会社にとっての正しいAI戦略となっているかと言えば違います。
それはただ世の中の情報のインデックスを作り上げただけのことで、手段の一つを実現したに過ぎません。
もし、「AIを使った事業モデルを作ってくれ」と言う命題に答えようとしたら、AI以上に自分たちの事業領域を詳しく把握しなければなりません。そして、そのマッチングしたイメージのベースを根拠づけをするために定義や事例が必要となるのです。

このように、私たちは非常に作業を好みます。そして、作業の罠に取り込まれ易いのです。
しかし、作業の前に、ゴールはどこか、そこに至るにはどんなステップが必要か、だから、こんな作業が必要になると言うブレークダウンが必要です。
そこを忘れないよう、毎日の作業をよく振り返りたいと思います。