今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

良い部下とは、動かしやすい部下

(写真:雲つなみ)

良い部下の定義

あるやり手女子と、部長の会話。

「どうして、A子さんがチーフなんですか?私納得行きません。」

「いやあ、それは良くないな。今度の辞令を皆んなに納得して貰えなかったら、きっとA子君もやり辛いだろう。」

「そうですよ。会社は、部長や上の人たちだけで回っているんじゃありません。私たち現場の社員だって支えているんです。なのに、私たち現場が納得できない人事をされては職場の士気に関わります。」

「まあまあ。じゃあ君は誰がチーフになれば良かったと思うの?」

「そ、それは、もっと経験もあって、仕事のスキルも高くてリーダーシップがある人とか。」

「例えば、君とか。」

「い、いえ、そんなこと思ったこともありません。」

「もちろん、自分では言いにくいとは思うけど、本当のことを言うとね、今回のチーフについては、君にしようか、A子君にしようか随分悩んだんだよ。」

「そ、それは有難うございます。」

「確かに、経験も仕事の早さも正確さも君の方が上だ。それは認めるよ。でも、A子君は、私にとって良い部下なんだよ。」

上司の気持ち

「え・・・それって、不味いんじゃないですか。部長の主観で人事を決めていることになりませんか?」

「ああ、依怙贔屓とも言うね。確かに、そう思われても仕方ないところはある。でも、これってとても大事なことなんだよ。」

「大事って、要はウマが合うから近くに置いておきたいってことでしょ。それじゃ、私たち、仕事を頑張る甲斐がありません。
だって、認めて貰いたいから、夜遅くまで頑張るし、勉強だってしています。仕事もきっちりしているじゃないですか。」

「うん、と言うか、そこなんだよな。
相応しいかどうかは別にして、この部門の責任を持たされているのは僕なんだ。
君たちが頑張っているのは認めているけど、それと僕が僕の期待されている結果を出せるかは別なんだ。だから、僕は自分の責任に於いて、自分の正しいと思うことを考えて、しかもそれを間違いなく実行しなくちゃならない。」

「当然、そこは理解しています。」

「じゃあ、その時一番近くにいて欲しいのはどんな人だと思う。」

良い部下とは、動かしやすい部下

「やはり、部長の指示を確実に理解して実行できる人という事になりますよね。」

「そう、カクさん、スケさんに当たる人だよ。」

「えっ?カクさん、スケさんって何ですか?」

「あ、水戸黄門知らない?」

「それくらい知っています。子供の頃、よくおじいちゃんと見てました。他に、風車の弥七とか、ウッカリ八兵衛とか出てくるんですよね。」

「そう、そのカクさん、スケさんだ。
じゃあ、水戸の黄門様にとって二人はどんな存在かな?」

「一言で言うとお付きです。何時も黄門様の近くに居て、あれやってくれ、これやってくれと言われる度に『ハッ』とか言ってなんでもやってしまうんですよね。」

「そんなとこだな。
水戸のご老公が旅先で悪い奴に会って、懲らしめてやりたいと思ったとしよう。それでも、よく事実関係を調べて、動かぬ証拠を掴まねばならない。じゃないと、最後の最後にシラを切られたら何にもならない。身分を傘に来て無理を通せば、当時でもパワハラなんてことになっただろう。」

出世したければ上司をよく見る

「でも、私から見ればかなりパワハラの要素はありますよ。最後まで身分を明かさないところなんてフェアじゃありません。」

「まあまあ、そこはドラマだから。
そして証拠固めが済んだら、いよいよ実力行使だ。ここは腕力がものを言う。
まあ、水戸の爺さんも相当やり手だが、これだけのミッションを毎週こなせるのは、カクさん、スケさん居ればこそだな。
つまり、トップのビジョンに共感して、その通り動こうとしてくれる部下は一番側にいて欲しい存在なんだ。
自分から見れば、腕だけは風車の弥七の方がはるかに立つが、彼では黄門様も使いづらいだろうからな。」

「つまり、私は風車の弥七だと?」

「いや、君とA子君は、私にとってのカクさん、スケさんだよ。ただ、ポストが一つしかなかったから、仕方なくA子君にチーフになって貰っただけなんだ。
それに、君ならポストに関係なくガンガン攻めて行けるだろ。そんな判断もあったんだよ。」

「部長、有難うございます、って言いたいところですけど、私、あまり喜べません。
前、彼に振られた時も、『君はひとりでも大丈夫だけど、僕には他に守ってやらなくてはならない人がいるんだ』って言われたんです。
要はそう言うことですよね。」

「おい、おい、違うって。言葉通り受け取ってくれよ。」
(やっばり、この子は使いづらいなあ。)

・・・

私たちはよく、上司に存在価値をアピールするためには、とにかく実績を上げなければならないと考えます。
確かに、高いスキルで実績を上げる部下は有難い存在ですが、全体を見ている人は一人の有能なスタンドプレーヤーより、スキルは劣ったとしても、自分の意をよく汲んでくれる人を側に置きたいはずです。
なぜなら、一部の優れた結果ではなく、全体としての成功を求められている立場ですから、まずは自分の意思の通り実行して貰える部下が必要だからです。
つまり、私たちが上司に認めて貰うには、自分の成果だけでなく、上司が何を考え、何を望んでいるかよく見る癖をつけなくてはなりませんね。