今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

従う人が一番尊い

(写真:紫陽花・あじさい)

指示する人、従う人

「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」と言ったのは、一万円札の福沢諭吉でした。
そのように、本来の人間はみな平等です。
しかし、集団では必ずトップに立ってまとめる人が必要です。それは、誰かが統率しなければ、各人が勝手なことを始めて諍いも絶えず、また集団を維持する活動もできなくなるからです。
だから人が複数人集まれば、必然的に指示する人と、その指示に従う人に分かれます。
しかし、私たちは自惚れの塊なので、出来れば指示をする方に回りたいと思っています。
なぜなら、人から顎で使われたら自尊心が傷つきますから。
かくて、集団のリーダーの座を争って、あちらこちらで椅子取りゲームが開催されているのです。

指示する人も間違える

しかし、昨今の若者は久しく出世願望願望ないと言われてきました。
それは、リーダーに祭り上げられると重い責任を負わされるので、そんな負担はまっぴら御免と言う訳です。
確かに、リーダーが指示をすれば多くの人が動き始めるので、もし間違えたら個人が失敗する比ではありません。
例えば、10人にレンガを東に運べと指示したところ、実際は違っていて西だったとします。そうしたら東から元の位置、元の位置から西×10人なので、20人分の仕事を余分に費やさねばなりません。すると、まるっと人一人約一カ月分の仕事が無駄になります。
そう考えたら怖い話です。
しかし、実際のところ、世のリーダーは間違えてばかりいます。無理な雪中行軍を行い、多くの兵隊を凍死させた指揮官もいれば、戦争の幕引きの時期を間違えて国土を焼け野原にした指導者もいます。
経営判断を誤り企業を倒産させるトップもいれば、現に私たちも大切な伝達が抜けて下の人たちから突き上げられてばかりいます。

従う人あっての上位職

そんな時、リーダーの対応は人それぞれです。
自分の間違いを認めず力にものを言わせて我を通す人。都合の良い大本営発表を繰り返した戦時中のリーダーには、こんなタイプが多かったかも知れません。
あるいは、素直に間違いを認めて、「みんなが頼りだから助けてくれよ。頼んだぞ」と潔い人。つまり、上手く責任を分散しているのです。
いずれにしても、そのリーダーに従って、盛り立ててくれる人がいるからリーダーはリーダーの仕事ができるのは変わりません。
どんなに優秀なリーダーでも、一人で10人分の仕事は不可能です。
リーダーに従い、指示を忠実に実行し、時にリーダーが判断ミスをしそうになったらフォローする、そのような人がいなければリーダーの存在もまた無いのです。

従う人が一番尊い

よくテレビを見ていると「凄腕リーダー」と讃えられる人が登場します。
そう聞くと自分もそのように呼ばれたいと思いますし、うだつの上がらない一メンバーに過ぎない自分が恨めしくもなります。
しかし、従う人あってのリーダーです。本来どちらが大事で、どちらが大事でないと言えるものではありません。
なぜなら、メンバー全員にソッポを向かれたら、もうリーダーではいられなくなるからです。
リーダーも人の子です。感情に負けることもあれば、抜けることもある。間違うこともあれば、意見が合わないこともある。
しかし、それを全て飲み込んでリーダーの指示に従う人が一番尊いのです。
確かに集団にリーダーは一人ですし、希少価値もあれば容易に取り替えは効きません。対して私たちメンバーの代わりはいくらでもいます。
だからと言って、いたずらに卑下する必要はありません。自分もメンバーとして、集団をあるべき方向に動かしている一人に間違いないのですから。