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今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

レッテル御免

(写真:スパイラルタワーズ)

背伸び合戦

「人は見た目が10割」と言われます。
そう聞いて、なるほどと納得する人もいれば、納得いかないと腹をたてる人もいます。
そう言えば、前に「ハンサムスーツ」と言う映画がありました。
醜男の主人公は、そのルックス故にアタックしてもアタックしても女性に振り向いてもらえない。その彼がハンサムスーツなるグッズによって大変身、体型まで変わり超2枚目になります。
すると、今まで振り向いてくれなかった女子たちから大モテ、あまりの扱いの変化にただただビックリ。
でも、彼の近くに不美人だけど心優しき女性が現れ、色恋抜きで彼女にも惹かれていきます。
ついには、ハンサムスーツを永久装着して2枚目として生きるか、ありのままの自分でその不美人の彼女を選ぶかを迫られるのです。
最後まで書くとネタバレになるので控えますが、要は「人間に外見じゃないよ中身だよ」と高らかに歌い上げながら、結局は「人間見た目が10割」でしたと言うオチがつく、「美女と野獣」的な映画でした。
人は「顔、格好、金の3K」じゃないとは言いながら、ヤッパリ見た目が世の中を動かしているのは紛れもない事実です。
そして、今はある程度の見た目を作れる時代
。女性のメークにして然り、男性の筋トレにして然り。会社が自分たちを売り込むプレゼンテーションにしても、実態以上に作り込むことは茶飯事です。
つまり、外見をつくるのに一生懸命の現代は、皆んなで背伸び合戦をしていると言えましょう。

レッテル御免

対して、自分も含めた技術屋は、あまり自分を飾るのに慣れていません。
自分が優秀かどうかは、自分の仕事を見て貰えば分かることです。実際にした仕事を見て、良いと思えば良いのだし、悪いと思えば悪いのだし。
しかし、それは深く付き合わなければ評価できないことですし、またそれには時間がかかります。
だから、ある程度見た目で分かる情報で評価されるのは致し方ないでしょうね。
それでも、「君、もうこの業界、20年なんだから十分プロフェッショナルだよね」と言われたり、「この案件に関わったのだから、これくらいの規模は平気だよね」と持ち上げられたり、反対に「大手さんとやり方が違うから心配」と落とされたり。
頼むから、そんなレッテルは貼らないで欲しい、と叫びたくなります。
なぜなら、仕事にしろ、現場にしろ、一つとして同じものはありません。常に初ごとを強いられるから、やってみなければ分からないのが本音です。
どこかの女医さんみたいに「わたし、失敗しないので」なんて事は言えないから、やはり結果で評価して貰うしかないのです。

馬鹿にされても耐え忍ぶ

しかし、技術屋もずっと机にしがみついてはいられない時代です。
どんどんお客さんの前に出て、会社に貼って貰ったレッテルで自分を売り込まねばなりません。
特に、派遣スタッフの人はたいへんだと思います。まずは派遣先のお客さんに自分を選んで貰わなくてはならないからです。
しかも、それは今まで面識のないお客さんからの、書類上での評価によってです。
その時の情報は、派遣会社が作成した評価シートと、自分が過去積み上げてきたスキルシート。
評価シートについては、大雑把にS、A、B、C等に分かれます。それは、派遣された時の単価に関わるのですが、Aと言ってもおそらくピンキリですし、仕事によって得手不得手はあるでしょう。そこを補完するのは、過去の経歴書、すなわちスキルシートです。しかし、それも仕事に対する関わり方如何まで問われないので、その人のスキルを保証するものではありません。
結局、深く付き合って、その人の本当のスキルは分かるものです。しかし、それまでに派遣先を失望させたらクレームになるので、少しでも自分を優秀に見せる努力を常にしなければなりません。
また、派遣でなくても、技術中心で自分の見せ方に慣れていない人は、プロジェクトの初期段階では結構ダメ出しをされるものです。
「なんだ、あの人、ダメダメじゃん。」
「おかしいですね。どのお客さんからもS評価をされているんですけど。」
「本当?」
なんて会話が為されて、しばらくは当人も周りの風当たりに辛い思いをします。
でも、そこは辛抱です。
自分の価値はレッテルでは決まりません。真の技術者はアウトプットで語るからです。

アウトプットで語る

アウトプットで語る。
つまり、お客さんが手で触れられるところまできて、初めて評価して貰える人です。
とかく専門性の強い人は、お客さんから見ればチンプンカンプン、言うことがさっぱり要領を得ないので、この人大丈夫かなと思われがちです。
それに対して、営業さんや、それに近い人、あるいは大きなお金を扱うことに慣れた人はは、常に顧客目線、分かりやすく、信頼を得られる話し方をします。
まずはお客さんに良いレッテルを貼って貰わなければ先に進みませんから、それはそれで、レッテルがとても大切な段階なのです。
しかしそこから進めば、今度はレッテルではなく、本当の実力が問われる段階に入ります。
レッテルはどこまでいってもレッテル。そこに中身が伴わなければ、返って信頼を失います。言わば、レッテルは仮の約束、アウトプットこそ、その証明です。
私同様、レッテル御免と思っている人たち、レッテルの貼りあいで評価して貰えなくても、アウトプットで信頼を取り返せば良いのです。
アウトプットこそ、お客さんが最も求めるものだから、真摯な仕事に敵するものはないのです。