今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

ルールオブスリー

(写真:潮干狩り)

魔法のナンバー

ルールオブスリー、3のルール。
3は魔法のナンバーと言われます。
その理由は、どんなことでも3つにまとめると覚えやすく、また伝わり易いからです。
例えば、安倍総理も、アベノミクスの骨子を「三本の矢」と表現しました。
すなわち、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「投資を喚起する成長戦略」の3つです。今思えば、政府のお金の使い方を緩くして、市場にお金を回す話を金融、財政、市場の3方面から言い換えただけのように思えますが、3つ並べられると妙な納得感があります。
また、「三本の矢」と言う表現にも、何かしてくれるかも知れないと言う期待感を持てますしね。
これが、「100本の矢」とか言われたら、「ホンマかいな」以上に、果たして「この政府は何がしたいのだろう」とボンヤリしてしまうに違いありません。

三つの願い

昔話の定番も、ルールオブスリー。
ランプの魔人が叶えてくれる願いは大抵3つです。
また、有名な「三つの願い」と言うよく出来た話があります。
ひょんな事で小人の妖精に恩を売った農家の夫婦。小人はお礼に三つ願いを叶えようと言います。
それを聞いた主人は大喜びで、「大きなソーセージが欲しい」と一つ目の願いを口にしました。
すると、さっそく目の前に飛び出したソーセージに、主人は大喜び。かぶりつこうとしたところ、奥さんに取り上げられます。
「あんた、馬鹿だねえ。こんなつまらないソーセージなんか頼んで。どうせだったら、世界一の大金持ちにしてくれとか、御殿に住まわせて欲しいとか、どうしてもっと考えて頼まないのさ!」
奥さんがプリプリ怒りながら言ったことで、逆に主人の方が腹を立てて、こう叫びました。
「やかましい女だなあ。お前みたいなヤツは、このソーセージが鼻にくっついてしまえば良いんだ!」
これが願いの二つ目。
たちまち奥さんが取り上げたソーセージは、彼女の鼻にくっついてしまいました。
びっくりした奥さんは主人に懇願します。
「あんた、とっておくれよう。とっておくれよう。」
そこで、主人は奥さんの鼻のソーセージを引っ張りますが、鼻と完全に一つになったソーセージはどうしても離れません。
ついには、鼻までもげそうになって奥さんは泣き喚きます。
「あいたたた!あんた、やめておくれよ!」
そして、「あんた、あと一つ願いがあるだろ。お願いだから、ソーセージをとってもらっておくれよ。」
しかし、あと一つしかない願いを、そんな使い方をしたら勿体ない。
主人は苦い顔をしてなかなか承知しません。
また、
「なあ、お前。願い通り世界一の大金持ちにして貰うから、鼻のソーセージくらい我慢してくれよ。」と慰めようとします。
しかし、奥さんは、「大金持ちなんかになったって、こんなみっともないことでは生きて行かれない!」となおも泣き喚きました。

三つの袋

これで主人も根負けして、小人に奥さんの鼻のソーセージを取ってくれるように頼みました。
「これが最後の願いじゃが、本当に良いのかな?」
小人はそう念を押しましたが、やはり主人は奥さんの願いを優先したのです。
「分かった。では、その3つ目の願い叶えよう。」と言って、小人が姿を消すと同時に、奥さんの鼻からはソーセージがポロリと落ちました。
そして、夫婦は抱き合って泣いたと言いますが、主人の涙は奥さんと同じ嬉し涙だったか、それとも悔し涙だったかは分かりません。
・・・
うまく起承転結になっていて、非常によく出来た話です。
これが、4つの願いや、10の願いなら、こうはうまくまとまらないでしょう。
あるいは、スピーチでも、ルールオブスリーはうまく使われます。
結婚式のスピーチの定番と言えば、昔は「三つの袋」。
「結婚生活には、大切な三つの袋があります」から始まるあの内容です。
一つ目は、「給料袋」。
つまり、経済ですね。夫婦円満の秘訣は、まずは経済的に安定していることが一番です。
二つめは、「堪忍袋」。
違う環境で育った二人だから、時には許せないこともあるでしょう。それにいちいち目くじらを立てていたら、夫婦生活は成立しません。時にはそれをグッと堪えていきなさい、と言うことです。
三つ目は、「お袋。」
お母さんですね。昔はお母さんとの同居が多かったので、一家和楽の為にはご主人のお母さんを立てなくてはなりませんでした。また、子供ができたら、今度は親としてしっかり育てなさい、と言う意味もあります、

自分のルールオブスリー

そして、自分が変わりたいと思う時、心に刻むことは、やはりルールオブスリーです。
今の自分なら、
一、求めない
二、怒らない
三、さぼらない
でしょうか。
「一、求めない」は、人の評価や過分な待遇を求めないことです。また、都合よく自分に合わせて動いて貰うことも含みます。
人間は、自分の利害に絡まないことには関心を持てません。自分自身がそんな人間なのに、人にばかりに、良いように言ってくれとか、良く扱ってくれとか、自分の都合に合わせて動いてくれと求めても、誰も振り向いてくれません。
求めるならば、まず自分がキチンと与えているか、反省する必要があります。
「ニ、怒らない」
自分は人に求めず、キチンとやろうとしているのに、余りに身勝手なヤツが多い。
謙虚なつもりの卑下慢が昂じると、それが噴き出して人との間に軋轢を生じます。
だから、腹が立っても怒らない。
堪忍は無事長久のもと。
「三、さぼらない」
やっているつもりで、その実、毎日お茶を濁しているだけではないか。
行動は、成果につながり、成果は次の行動につながります。仕事をそう連鎖で考えたら、毎日相済みにするような気楽な生き方はできません。次の次まで考えて、たゆまない気働きと努力が必要になります。
・・・
以上、ルールオブスリー。
使えるでしょ?