今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

見込み客は賢いと思え

(写真:日没)

屏風と商売

「屏風と商売は曲がらにゃたぬ」とか。
仕入れと販売の差額が儲けなので、安く仕入れて高く売れたら、それはとても旨味のある商売です。
でも、顧客が仕入原価を知っていたらそうはいきません。
「どうして、50円くらいで仕入れられるものが、500円になるの?」
そう詰められたら、かなり値段交渉は後手に回ります。
「いや、それは輸入のために経費がかかるのと、社内でも加工をしていますから。」
苦し紛れに答えてみても、ぐいぐいと詰め寄られて押し切られそうになります。

見込み客は嘘を見抜く

悪い言い方をすれば、商売とはつまり化かし合いです。
売る側は、安く仕入れた商品を少しでも高く売ろうとします。本当はもっと安く買えるところを知っていても、「ウチが一番メリットがありますよ」と言い抜けねば営業はとても務まりません。
反対に買う側も少しでも安く買いたいものだから、「あそこで聞いたら◯◯くらいになると言っていたけれど、オタクのところはどう?」と腹を探ります。
もちろん、「◯◯くらいになる」のは、新古品とか、下取りを入れての話だったりするのですが、そこは敢えて言いません。
それを信じて受け入れるか、受け入れないかは、売る方も買う方もともに知識の有る無しによります。
つまり、利益の差は知識の差と言われる通りです。
しかし通常、販売側の方が知識の面では優っているものです。
それで顧客に対して吹っかける業者もいますが、案外顧客も侮れません。
ちゃんと、こちらの腹を見抜いているのです。

素人の天才

「ユーザーは素人の天才と心得よ」
これは、私たちIT業界で言われる標語のようなものです。
コンピューターは、今は誰もが一人一台持ちの時代です。
そして、慣れた人なら一通りはネットワークの設定や、EXCELを駆使してデータ分析や簡単なプログラミングまでやってのけます。
少しボヤボヤしていると、プロと言えどたちまちアマチュアに追い抜かれます。
そんな時代、プロであり続けるためには、やはりITの専門知識がたよりです。
知識を盾に、専門家の我々と素人のお客さんと言う構図で対峙しようとします。
するとお客さんは、「さすがプロだ」とこちらの言うことに耳を傾けてもらいやすくなるのです。
でも、時々そんなことに臆せずにズバッと本質をついてくる人がいます。
そんな人は決してITに詳しい訳ではありません。むしろ全くの素人です。
しかし、自分にとっての常識を物差しに、私たちが常識と思っていることに切り込んできます。

不利なことでもオープンにする

この素人の天才。
結構手強い相手です。
かつて、事務所間をVPNで結んで一つのLANのようにシステムを動かせる環境を作ったことがあります。
ところが、一つの事務所だけどうしても反応が遅く、担当者がいつもイライラしていました。
そして、堪り兼ねて「どうして、ここだけこんなに遅いのか?」と聞いてきました。
そこで、紋切り型に「本社を見に行っていますからね。要は回線の速度が出ないのが原因ですよ」と返したら、鋭い返しがありました。
「だが、インターネットのウェブサイトは早いじゃないか。早く動くものがありながら、なぜその仕組みを使わないんだ?」
正直、絶句しました。
正論過ぎるほどに正論です。
わざわざ遅く動くものを提供しておいて何をか言わん、と切り返されたのです。
でも、遅くても、操作性とかセキュリティとか、この仕組みを選んだ理由はありました。
ただ、それを言わずに、都合の良い言い方を選んで失敗をしてしまいました。
お客さんは、天才です。
アマチュアですが、天才です。
嘘もすぐに見抜きます。
ならば、いっそ都合が悪くてもオープンにする。
それを肝に銘じて、ここ一番では正直さを貫きたいと思います。