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今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

ティーアップ 〜後輩が動きやすくするのは年長者の務め〜

(写真:ポニー その1)

■ティーアップ

ゴルフでラウンドを始める場所を、ティーグラウンドと言います。ティーグラウンドの謂れは、ティーにゴルフボールを乗せてドライバーで思い切り飛ばす場所だからです。
ティーとは、ご存知の通り、木やプラスチックでできた釘のようなもので、尖った先端をゴルフ場の地面に挿します。反対側は小さなカップのようになっていて、そこにゴルフボールを乗せます。
ティーに乗せられたボールは、少し地面から浮き上がった形になり、うまくドライバーで叩いて遠くまで飛ばすことができます。
このように、ゴルフボールをティーに乗せて、打ちやすくする事をティーアップと言います。

■年長者の務め

年長者が、後輩が活躍しやすいようにフォローする意味でも、ティーアップは使います。
例えば、ベテランが何度も経験して、かなり上手くこなせるようになった仕事があります。そして、今度は後輩に経験を積ませようと任せた場合、イキナリでは後輩も心もとないので、最初は先輩が同行してフォローをします。
その時、慣れない後輩は段取りが分からず、お客さん先で適切な対応が取れないことがあるでしょう。その時に、先輩が割って入って、後輩の代わりに上手くやってしまうと、お客さんのためにはなりますが、後輩はそこで面目を失い、後の仕事がやり辛くなります。ひどくすると自信を失って、事ある度に先輩にお伺いを立てるかも知れません。
それでは、後輩が育つことはありません。
むしろ、慣れない新人だからこそ、仕事に安心して取り組めるようにお膳立てをするのが先輩の仕事です。
そう、まるで、ゴルフボールをティーに乗せて、ドライバーで打ちやすくするように。

■山本五十六の言葉

太平洋戦争で連合艦隊司令長官を務めたのが山本五十六です。
その彼の有名な言葉に、
「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かず」があります。
海軍の最高司令官にあった人物の言葉です。また、上官の命令は絶対とされた戦時中に、そこまで後進の育成に心をかけていたことに驚きます。
・・・
やったことがないことは不安だろう。だから、まず私がやってみせるからよく見ておくように。
では、今度は君がする番だ。ああ、みんなよくする間違いはここと、ここだよ。よく気をつけて取り組んでくれ。
さあ、ではやってみようか。
うん、最初にしてはなかなか筋が良いぞ。その調子でこれからも続けて頑張ってくれ。
・・・
なかなか、現代の私たちでも、ここまで懇切には指導して貰えないでしょう。
まさに山本五十六が心がけていたのは、部下が気持ち良く働けるよう環境を整えることであり、ティーアップそのものであったことが分かります。

■後輩を立てる

慣れた私たちに対して、後輩はどうしてもぎごちなく不器用なものです。
お客さんの前で不手際をしそうになって、見ているこっちがハラハラします。
それで、慣れたこちらがつい手を出してしまう。
すると、慣れない現場で一杯一杯の後輩が、また先輩からの横ヤリでますますテンパってしまいます。
ついには自信をなくして、まだまだ助けて貰わなくてはならないと先輩を頼みにする。
しかし先輩は、一度助けたんだから十分だろうとばかりに、「それは君の仕事なんだから、自分で考えてやりなさい」と突き放す。
任せるわけでなし、引き取るわけでなし、これでは後輩は大混乱をして、身動きが取れなくなります。
そこから反省されるのは、先輩は中途半端に手を出してはならないと言うことです。
自分が得手なのを良いことに、口を出して自分の有能なことを後輩に見せつける。
しかし、それは中途半端に邪魔しただけで、先輩の自己満足に過ぎず、後輩の為にもなっていません。
一度任せた以上、先輩の仕事は後輩が仕事をしやすいようにひたすら環境を整えること、自分が評価されるようにではなく、後輩がお客さんから評価されるようにフォローすることです。
そうすると、後輩がまた一つ仕事を覚えて、自分との差が縮まるかも知れません。先輩としては少し心配になりますが、後輩をフォローした分、自分も間違いなく成長することができます。
このように、後輩と仕事をする時、ひたすら心がけたいのがこのティーアップです。