今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

コアを育てる

(写真:夕陽の牧場 その10)

■現場のプライド

現場には現場のプライドがあります。
なぜなら、現場をずっと目の前で見ていますから、オペレーションは細かいところまで熟知しているし、たいていの問題は対処する自信があります。
そして、今更上の人から指導してもらう事は何もないと思っています。
できれば、思うままやらせて貰いたい、そして、権限を拡大して貰いたい。
こちらは、現場のことは何でも分かっているし、正しい選択ができているつもり。だから、一つ一つ上長にお伺いを立てて進めるなんて時間の無駄。
現場にはそんな気分が多いと思います。

■勝てない人

私も、現場ばかりに気持ちがいっていると、そんな気分に支配されます。
だから、たまに上司に軌道修正して貰う必要があります。
目の前のことに集中するのは、まるで自動車に乗って速度をあげるようなものです。速度を上げれば上げるほど視界が狭くなるように、集中すればするほど周りが見えなくなります。
ですから、最初は自信満々で上司に応対をしていても、思わぬ一言でグッと詰まってしまいます。
例えば、「なるほど、それでスケジュール通り完遂できるのは理解した。しかし、それだけのリソースを投入すれば、会社はこの案件に掛かりきりになるよな。ならば、これが今後5年10年に繋がらなくてはならないが、そこはどう考える?」
いや、さすがにそこまでは考えていませんでした。
でも、仰る通り正論です。
認めざるを得ません。
それにしても、毎度ながら上司には勝てないなと思います。
現場の知識やオペレーション能力は自分の方が圧倒的に上のはずです。
しかし、現実は自分の目線の低さを思い知らされます。
一体、どうしてこんな差がついてしまうのでしょうか。

■コアの違い

それは知識の差ではありません。
なぜなら、現場に立っている自分のほうが知識は遥かに多いのですから。
現場の我々は知識の多い少ないが結果を左右することを知っています。だから、知識やスキル偏重に陥るのですが、上で指導する人には、全く別のスキルが必要です。
それは、原理原則でものを考えられるか否かです。
現場では、案件ごとに状況が異なります。
私たちはそれに対して臨機応変に対応しなければなりません。そして、そこに例外や特例が生まれます。しかも、一度生まれた例外は、もはや例外ではなく、私たちに既存のスキルとして落とし込まれます。
しかし、それは特例であり、例外なので、あまりそれを増やすと、だんだん本来あるべき姿から離れていきます。
戦前の大日本帝国憲法も特例をたくさんつくった挙句、有名無実化した歴史がかありました。
だから、基準となる原理原則はとても大切です。その原理原則を常に念頭に置いて、ものを考えられるか否かが、上の立場には大切なスキルであり、言わばビジネスのコアです。
このコアがしっかりしているかないかで、私たち現場のものと、それを指導する上司の違いが出るのです。

■コアを育てる

ビジネス上の原理原則、すなわちコアを育てるには、私たちの目線を上げねばなりません。
また、原理原則とは、どこかの教科書に書いてあるものでもありません。
それは、時間的、空間的に視野を広げてこそ見えてくるものです。
時間的な視野は、例えば「今から10年後に自分たちはどうなっていたいか」に当たります。
ソフトバンクの社長のように、「今から100年後に世界一の企業になる」と言う壮大なビジョンを描く人もいます。しかし、私たちには、まだ現役の未来をターゲットにした方が現実味があります。
そして、10年と言う長期から中期、さらに短期、今年、今月とミッションが分割されます。
私たちは今年今月のことしか念頭にないので、いろいろな困難や変化にぶつかるたびにブレまくります。しかし、中期、さらに長期のミッションがハッキリしていれば、ブレても修正が可能です。
また、空間的視野で言えば、上の人は「市場」「会社」と言う広範囲な視点を持っています。それに対して、私たちは「目の前の顧客」「部署」「自分」に囚われ、常に迷います。
なかなか高い目線を持つことはたいへんですが、「上の立場で考えよ」は、どのビジネス本でも繰り返し言われます。
正直上の人には近づきがたいのが本音です。しかし、視点を上司に合わせるよう努め、目線を上げる努力をすれば、それはきっと私たちのコアとして育ちます。