今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

宇宙的ビジョン

(写真:那覇の海 その5)

■宇宙の誕生

私たちの宇宙は、今から137億年前に誕生したと言われています。
宇宙が始まる前は何もなく、ただ「無」だけがありました。
時間も、空間も存在感しない場所で、超マイクロの宇宙ができては、消滅を繰り返していたのです。
やがて、その中に消滅しない宇宙が生まれます。そこから、空間も、重力も、時間も全てが始まりました。
生まれたばかりの宇宙は、何兆×何兆分の1秒と言う単位で急速に膨張を始めました。
その時に1兆度と言うたいへんな熱量を放出して、宇宙は大きな火の玉となりました。これを私たちはこれをビッグバン(宇宙大爆発)と呼んでいます。
宇宙の中心で起こった大爆発は、外へ外へと膨張して、その間に今の宇宙の材料となるものを放出しながら徐々に温度を下げていきます。そして、生じた重力のムラで星々は集まり星団を形作りました。
50億年後、今の銀河系宇宙が生まれ、さらに何十億年を経て私たちの太陽系が生まれたのです。

■宇宙の果て

137億年前(138億年前と言う説もありますが)にビッグバンによって広がり始めた宇宙。
そもそもこれは、ハッブルと言う天文学者が自分の観測から導き出した仮説をもとにしています。
エドウィン・ハッブルは、20世紀初頭の天文学者でした。このハッブルが注目したのが赤方偏移と言う現象です。
赤方偏移とは、光のドップラー効果と言われます。遠ざかる物体から発せられる音が徐々に変化するのは、救急車のサイレンで経験していることですが、光のスペクトルも遠ざかるほど赤色にずれるようになります。
地球から遠い銀河ほど、赤方偏移を起こしていることを発見したハッブルは、遠い銀河がさらに外に向かって遠ざかっていると結論付けました。
ここから、宇宙は外に向かって今も膨張しており、その始まりがビッグバンであると仮説を立てたのです。
しかし、そうすると宇宙の果てはどうなっているか気になりますね。
宇宙がビッグバンによって始まったのなら、その外には何もないことになります。
なんとか、それを観測したい。
それは現代天文学の悲願であります。
ただ、今の観測は星から届いた光が頼りです。しかし、私たちに届く光ははるか過去から今やっと届いたものなのです。

■仮説の宇宙

100億光年彼方の光が観測できたとして、それは100億年をかけて届いた光です。
つまり100億年前そこにあった星を今見ているので、今その場所がどうなっているか知る術はありません。
そして、宇宙の膨張速度は光速、もしくは光速に近いと言われています。つまり、宇宙の果ては137億光年先で、その向こうの宇宙がどうなっているか知りたければ今から137億年待たなければなりません。ただ、その光をとらえたとしても137億年前の過去の姿に過ぎません。
だから、光より光速で到達する物質を観測するか、もしくはそれこそ時空を超えてワープでもしない限りは宇宙の果てを知ることはできないのです。
これらは全て天文学者の観測と計算から導き出された仮説です。もちろん仮説である以上、必ずしもしも真実の姿を保証するものではありません。
現にホーキング等、アインシュタイン以降現れた天文物理学者によって宇宙の姿は頻繁に書き換えられているのです。

■人生の意味

ビッグバン理論では、このまま宇宙が膨張を続ければ、やがて星と星の距離が遠くなり、宇宙に星はまばらにしか存在できなくなると言われます。
すると、太陽のような恒星の光は届かなくなり、恵みを受けられなくなった星々の生命は死に絶えてしまいます。つまり、今はもっとも宇宙に生命が溢れている稀有な時間であり、私たちはその時代に生命を受けているのです。
宇宙的な規模で見ても、人間に生まれて今のような生命を享受するのは至極稀であると分かります。
この人生、果たして嘘やごまかし、欲に振り回されているだけで終わって良いか。
星々は私たちに人生の意味を語りかけています。