今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

小人閑居して

(写真:那覇のよる その8)

■小人閑居して悪を為す

『小人閑居して悪を為す』
小学校の頃、学校の先生に教わった言葉です。
儒教では、優れた人格者である「君子」に対して、つまらない人間を「小人」と言います。
つまらない人間は「閑居」、つまり暇にさせてはならない。そんな人間は、暇になると悪いことを始める、と言う意味です。
私たちは、日頃「時間が欲しい」「自由が欲しい」と言いますが、私たちが本当に自由になったらどうなるでしょう。
よく、高齢者や、奥さんで万引きに走る人を聞きます。しかし、あの人たちはそれほどお金や生活に困っていたのでしょうか。

■小人とは誰のことか

その動機は、「寂しかったから」だと言います。
つまり、寂しかったから、その心の隙間を埋めたくて万引きをしたと言うのです。
高齢者は、若い頃頑張って、その代りに社会的扶助を受けて生きていくことを認められた人たちです。
だから、時間はあります。
しかも、今の高齢者は身体も頭もしっかりしている。
しかし、仕事がない。
そんな人たちが、ただ過ぎてゆくだけの時間の中感じるのは、言いようのない孤独感です。そして、終末までの時間が刻々と刻まれて行きます。
その時、生きている実感が欲しくて犯罪に手を染める人がいるのではないでしょうか。
奥さんでも、子供が全員巣立って、割と時間がある人を聞きます。そして中には、旦那さんの収入が良くて、働きにでなくても生活に困らない人もいるでしょう。
そうすると、主婦業だけでは時間が埋まらなくなります。しかも、旦那さんや、子供とは気持ちが離れ、特に昼間はジッと家で孤独を囲ってしまう。
そんな人もまた、孤独感を埋めたくて犯罪に手を出してしまいます。

■暇を囲ってはならない人間

小人とは誰か。
高齢者や主婦だけでなく、私たち一人一人のことです。
私たちは、やることが多かったり、仕事に追われている時は、それだけで一杯一杯です。
そして、それ以外のことを考える余裕はありません。
ある人は「『忙しさ』は、天から私たちへのプレゼント」だと言いました。
この世でどんなに辛く、悲しいことがあっても、忙しさに紛れていたら、それを忘れるからです。
逆に時間があり過ぎると、大切な人を失った喪失感や、あるいは人を傷つけたこと、そして不安な未来に押しつぶされそうになります。
そして、身には余るほどお金を持ちながら、心が病んだり、麻薬に手を出す人もいます。
自分たちも、もし時間を持て余していて、その時に何をするか考えてみれば、あまり人に言えないことが多いのではないでしょうか。

■精出せは凍る暇なし

これは、会社でも同じでしょう。
担当者で走り回っている時は、目の前の仕事をこなすだけで手一杯です。
しかし、少し余裕ができて、ある程度裁量を貰えるようになった時、小人はやはり社内で悪を作ります。
それは、やたら人の評価が気になって足を引っ張ったり、仲間うちで固まって他の人を排除したり。
台湾企業に買収された日本の電機メーカーも、外に目を向けずに内紛に明け暮れている間にすっかりおかしくなったのだとか。
会社が伸びていて、仕事で手一杯の時はそんなことをしていられませんが、ある程度安定成長期に入って時間に余裕ができると、どうしても「小人」の本性が現れるようです。
だから、『精出せは凍る暇なし水車』と言われるように、私たちは忙しさに追われている方が安全だし、幸せなのかも知れません。
ただ、それが終わった時、ただ空虚感しか残さないような忙しさでは意味がありません。
同じ忙しさでも、自分の命の使い方として正しいことに時間を費やしたいと思います。