今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

自分の文脈

(写真:那覇のよる その4)

■会話のイニシアチブ

会話のイニシアチブ、つまり主導権。
いつもは、誰に対しても気後れすることなく、どんどん会話をしていけるのに、どうも上手く噛み合わない人がいます。
文脈が読めない、どう会話を続けたら良いか分からない。
次の一言がどう会話に影響するか分からず、知らないうちに足の下に地雷を踏もうとしているかも知れない。
相手の反応を見て、あっ、やっちまったと気まずい思いになる。
そんな、どうにもイニシアチブが取れない相手があります。

■人の文脈、自分の文脈

会話には、人それぞれ自分の文脈があります。
相手が一生懸命自分に合わせてくれる人だと、自分の文脈で喋ることができます。
しかし、相手が独自で強力な文脈を持っている場合、自分の文脈は全く歯が立ちません。
必然的に相手に合わせなくてはならないので、ジッと相手の言うことを傾聴し、なんとか合わせようとします。
しかし、自分も独自の文脈を持っているので、どうしても自分の思考パターンでしか考えられず、会話がギスギスすること一方ではありません。

■プログラマー脳

さて、それで分かるのは、自分はあまり会話が得意ではないと言うことです。
自分の文脈で喋る時は調子よく、人の文脈に合わせる時はぎごちない。
と言うことは、自分が自分の文脈で喋っている時は、相手にもそんな思いをさせているかも知れません。相手に味気ない思いをさせて、自分だけ満足をしているのは、まことに恥ずかしいことです。
思うに、これは自分の前職に関係するのではないでしょうか。
私は、プログラマーを長らくしていました。
プログラマーとは、与えらた仕様書に従って実際に動くコンピュータープログラムを作る仕事です。
仕様書は、プログラムを作る時に守るべき、言わば最低限のルール集です。
それが、ものすごく詳細な場合も、粗い場合もあります。
いずれにしろ、それさえ守っていれば、後はプログラマーの裁量で自由に仕事ができました。
それに、プログラムの中身までいちいち確認したら、仕様書で指示をする人、つまりSEは身が持ちません。
自分で全て組み立てるように脳が出来上がり、必然的に自分独自の文脈が強くなるのです。
それを私たちはロジックと呼びます。

■クリエイションに特化する

確かに、技術畑、特にプログラムを業務にしている人と話をすると、自分ロジックでどんどん話すので、ついていくのがたいへんです。
言っては悪いですが、その人はあまり営業向きではありません。
ましてや、そんな人同士輪になって会話をしていると、自分のロジックのぶつけ合いで、正直大丈夫かなと思います。
しかし、そこは同じような技術に親しんでいる人同士で不思議と通じあっていますし、また独自のロジックをお互いに許容し合っている面があります。
・・・
それはそれとして、私たちはいろんな立場の人と会話します。
目上の人、同じ立場の人、専門が同じ人、違う人、立場的に下の人。
自分の文脈で喋って許される場合もあれば、許されない場合もあります。また、ひたすら、相手の文脈を傾聴しなければならない場合もあるでしょう。
大切なことは、自分の文脈で喋る時はキチンとそれが届いているかどうかを意識することですし、また届かなくてもイライラしないことです。
そして、人の文脈にも正しく対応できるように聞く力、答える力、そして質問する力を磨きたいと思います。
とは言え、所詮プログラマー脳の私は、時にクリエイター独自のロジックを、何の遠慮もなく思い切り展開する場面があっても良いと思います。
そうしたら、何か面白そうなことが生まれそうな気がするのです。