今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

ヘイトスピーチ

(写真:希少生物、ナウ)

■ヘイトスピーチ

『ヘイトスピーチとは人種、国籍、宗教、性的指向、性別、障害などに基づいて個人または集団を攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のことである。 』(wikipediaより)
最近は、このヘイトスピーチを、国家、民族に対する差別発言でよく耳にします。
特に海を隔てた隣国では、半ば国策的に、この日本を敵視するような教育やプロパガンダが繰り返されています。
そして、それに反応して、日本側でも事あるたびに、隣国に対して『だから、あの国はダメなんだ』とか『早く日本から出て行け』と繰り返しています。すなわち、日本から隣国に向けたヘイトスピーチです。
マスコミは、公序良俗の観点からそのような発言は控えているものの、匿名性が強く、また規制もかからないネットの世界では、かなりの頻度で目にします。また物凄いスピードで拡散もしています。
そのためか、文化や消費財のレベルでは深く交流していても、隣国に対して悪感情を持っている人は少なくありません。
しかし、お互いにそのような感情を持った関係に何のメリットがあるのでしょうか。

■その本質

ヘイトスピーチと聞くと、思い出すのがヒトラーが台頭してきた頃のドイツです。
ヒトラーは『我が闘争』の冒頭に、彼が若い頃から体験してきたドイツ国民の悲惨な状況を書いています。そして、その苦境の原因を、当時多くが富裕層だったユダヤ人に誘導しようとしています。
確かに、ヒトラー当時のドイツの状況は悲惨でした。第一次大戦で敗戦国となり、その賠償として巨額の補償を求められていました。
さらに、世界恐慌の煽りを受け、ますます悲惨のどん底に落ちていたドイツ国民には、マグマのようなどす黒い不満が溜まっていたのです。
その不満のエネルギーを、彼らゲルマン民族から見れば異民族であるユダヤ人に向けたのでした。
たちまち、不満を抱えた民衆は反応しました。そして、ヒトラー率いるナチスドイツが圧倒的な支持を受けて誕生したのです。
いわば、ユダヤ人に対するヘイトスピーチを繰り返して、国民感情を煽り、自分の政治基盤を固めたのがヒトラーでした。

■貶めた代償

その後、ナチスドイツの統治下でユダヤ民族の受難の時代が始まります。
国内のユダヤ人は次々と連行され、ドイツ国民から不当に搾取した代償として、財産は没収され、身柄は収容所に入れられました。
しかし、何十、何百万人のユダヤ人を収容所で養うことは無理です。そのため、収容所は、そのまま巨大なユダヤ人の屠殺場と化したのです。
殺せば良い、民族浄化だ、そんな思いにとりつかれたナチスドイツは、国内で障害を抱えた同胞たちも殺していったと言います。
しかも、ドイツは周辺諸国を武力で併合し、その地のユダヤ人たちも殺戮しました。あの有名な『アンネの日記』もこの状況下で引き起こされた悲劇の一幕です。
やがて、勢力を拡大したドイツは、アメリカを中心とした連合国との戦争に突入します。
そして、連合国の圧倒的な武力に押されて壊滅をしていくのですが、結果はご存知の通りで、彼らの祖国は東西に分断され長い間苦しむことになったのです。
ナチスは、ユダヤ人に対してヘイトスピーチを繰り返し、特定民族を貶めて成立した政権です。そして、その扇動で動いた結果、たいへんな悲劇が引き起こり、ドイツ国民自らも長く苦しむことになりました。
ヘイトスピーチで貶めた代償は余りにも大きかったのです。

■まず、自分に自信を持つ

時に輸入食材の危険性を警告する為に、他国のズサンな管理を告発する。あるいは、国防意識を高揚するために、他国の動きを警告する。
これらは、有って然るべき啓蒙だと思います。
しかし、ナチスドイツや、時に周辺国で見聞きするヘイトスピーチは、自国の不満を他者に振り向ける為の政治的道具となっています。
しかも、ヘイトスピーチは人々を扇動する強い力を持っています。そして、もともと嘘に塗り固められているので、盲目的に扇動に従ったらは決して幸せな結果にはなりません。
だから私たちは、隣国のヘイトスピーチに反応して、自分たちまで踊る必要がないと思います。彼らにはそうせざるを得ない不都合な真実を身に抱えこんでいるのです。そうやって、目を外に向けさせなければ、国内が暴発します。
しかし、問題を抱えながらも、我々は自分たちの国を世界的にかなり高い水準で回しています。その国民性に自信があるならば、あえて他国のヘイトスピーチに付き合って、自国の尊厳まで傷つける必要はないでしょう。
他者を貶めて満足したい心は、自分への自信の無さの表れです。そして自信があれば、他者のヘイトスピーチに踊らされず、毅然として生きていけるはずです。