今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

言葉を背負う

(写真:雨にけむるスカイツリー)

■一人一人背負った言葉

私たちが背負ったもの、それは「言葉」なのだと気がつきました。
人は一人一人、自分自身の言葉を背負って生きています。
野球チームのメンバーなら、こんなところでしょうか。
監督は、「采配」。
投手は、「抑え」。
保守は、「制球」。
内野は、「守備」。
外野は、「返球」。
打者は、「打点」。
野球はあまり詳しくないので間違っているかも知れません。しかし、各人が与えられた言葉を旨として、それに命をかけるからチームとして機能します。
では、自分が背負うべき言葉とは何でしょうか。

■営業の言葉

うちのような技術系の会社で考えてみます。
技術系の会社は、大雑把に言えば、営業、技術、保守、企画の機能があります。
そして、それぞれ背負った言葉があります。
営業なら、「数字」。
なんと言っても先立つものはお金です。
お金で会社の規模も、体制も、人数も、取り組みも全てが決まります。
しかし、事業は、施策が先か、収益が先か、そのどちらとも言えないところがあります。
つまり、施策が効いて収益が上がるのも事実なら、収益が上がっているから施策が打てるのも事実です。ですが、収益→施策→収益→施策と、好循環に恵まれた企業は少ないと思います。
そのため、無いなら無いなりに、施策先行で取り組むことになるのです。
しかし、企業は何をするにもお金がかかります。もし、施策に効果なければ、お金は出費ばかりになってしまいます。そのため、営業は、施策に対する売上の責任を持たなくてはなりません。それが予算と言う「数字」です。
もちろん、日々企業が存続していくためにも、お金が必要です。
社内の何人かの生活がその両腕にぶら下がっているので、営業マンが命をかける言葉は「数字」なのです。

■技術、保守の言葉

技術にとっての言葉は、「保証」です。
営業行為とは、営業マン自身が作るわけでもなく、保証できるわけでもないものを売ることです。
もちろん、「よく分かりませんが、おそらく大丈夫だと思います」と言う自信のない営業マンからは誰も買いません。
だから、「大丈夫です。我が社にお任せください。」と、多少見栄を切ってでも売り込むくらいで丁度良いのです。そして、これはお客様に約束をしているのです。
営業マンが約束を果たせるか、否かは、後方に控えている技術者次第です。
つまり、約束をするのは営業、約束を本当にするのは技術者です。
営業マンを嘘つきにするか否かは技術者次第なので、技術が背負った言葉は「保証」です。
そして、保守サービスをする人の背負う言葉は、「信頼」です。
導入の時期を過ぎて、製品が安定稼働を始めると、お客さんは製品が問題なく稼働することを前提に業務を行います。
もし、製品に不具合があれば、その間の生産性を大きく損なうことになります。
もちろん、製品のことなので、経年劣化もあれば、センサーの不具合、コンピュータならばウィルスの感染等、どうしても避けられないトラブルがあります。
その時、メーカーや販売店に問い合わせて、保守サービスを受けることになりますが、往々にしてお客さんと事業者には温度差が出ます。
すぐ困っているのに、対応が3日後になったり、関係事業者の間でたらい回しにしたり。
そのため、お客さんが製品の購入先を変更する、いわゆる乗り換えの要因が、かなりの割合で「保守が悪い」だったりします。
そうならないように、お客さんとの信頼をつなぐ保守サービス部隊は、「信頼」の言葉を背負っています。

■企画の言葉

では、企画部門の背負っているのは何でしょうか。
それは、「未来」です。
よく企業評価に、ここ数年の新製品が売上の何割を占めているか、と言う指標が使われます。つまり、企業のマーケットが新陳代謝しているか。
どんな有力なマーケットも、製品も賞味期限を持ちます。そのため、常時新陳代謝を図っていかねばなりません。
ただし、その新陳代謝の材料となる製品やマーケットは、いきなり昨日今日見つかったものでは使えないのです。
ですから、前からの仕込みと、その数が必要です。仕込んであったものから、適宜検討して、実際に市場に流す訳です。
その仕込をするのが企画部門なので、企画が背負っている言葉は「未来」です。
ある意味、今の数字や問題に対して背負うものはありません。ただし、孤独に新しいものを探してストックし続ける責任があります。
言葉で言えば簡単です。しかし、気がつけば、今の数字や、今時点での解決策に終始して、時間ばかりを使っています。
今の「数字」「保証」「信頼」を背負うのは他部門です。
そこを間違えてはならないと肝に銘じます。