今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

心を濡らす

(写真:花弁の挨拶)

■好きな女性

どんな女性が好きか?
自分が好きなのは、「心を濡らしてくれる」人です。
抽象的な言い方なので、分かりづらいでしょうが、そう言う人は確かにいます。
女性と会話をしていると、男にはいろんな感情が芽生えます。
高揚したり、安心したり、反対に不安になったり、色欲に身を焼かれる、なんてこともあります。
付き合い始めのカップルは、やはり「高揚感」でしょうかね。脳からエンドルフィンが出まくって、いつも軽い興奮状態になる。そうしたら、いつもの日常がパッと華やいで見える。いわば、色付きの毎日になるのです。
でも、お互いに慣れてくると、だんだん面倒臭くなってくる。一時的に効いていた興奮剤が覚めるようなものです。
それで、なんとなくお互いのアラが見えたりして。最後「私たち、これ以上無理ね」なんてことになります。
でも、これは、自分で勝手に作った理想の相手に恋をしていた、ってことでないですか?

■許容する関係

恋と言う一時的な媚薬が切れた後は、どうするか?
確かに、他の動物は年ごとにパートナーを変えていますから、本能の赴くまま勢いでツガイになって、さらに勢いで子供を作りさえすれば良いでしょう。しかし人間は、一人のパートナーと生涯添い遂げることを、正しい倫理観としています。ならば、本能の期間が過ぎた後、その後の長い一生で男女はお互いにどう向き合えば良いのでしょうか。

やはり、そこからは許容の時期なのでしょうね。
「結婚をする前は両目を開けて、結婚したら片目を瞑りなさい」と言う格言があります。
結婚する前、つまり恋をしている時は、相手のことがなんでも良く見えますから、「アバタもエクボ」で、欠点すら美点に思えます。
しかし、一緒に暮らし始めて、だんだん恋の高揚感が覚めると、いろんな欠点が目についてしょうがない。「アバタもエクボ」ではなく、「エクボもアバタ」と見えてきます。
だから、結婚する前は両目を開けて、本当に一緒に暮らしていける人か、よく見ておきなさい。そして結婚をしたら、むしろ相手の欠点には目を瞑り、良いところばかり見なさい、と言われるのでしょう。
私なりの定義としては、「好きなところを愛するのが恋愛相手、嫌なところでも許せるのが結婚相手」となります。

■正妻と二号さんと

世に、正妻、そして二号さんと言う言葉があります。
女性の地位が低い時代、自立して生活する手段を持たない女性は、経済的に力がある男性の庇護を受ける必要がありました。
大抵は縁のあった男性と結婚して、家庭に入るのですが、婚期が遅れたとか、今日で言うところの風俗に身を落としていた女性は、なかなか普通のご縁には恵まれませんでした。それで、すでに正妻がある男性の囲い者になる人もいたのです。
また、何より家の存続が重要視されていた時代、跡取りを残すことは非常に大切でした。その為、子宝に恵まれない夫婦では、正妻から進んで、お妾さんを囲うことを主人に勧めることもあったと言います。
そのように居住を別にして、男性の庇護のもとで男女の関係になる女性を二号さんと言いました。
今なら、二股、奥さんがいれば不倫と言われますね。でも、世の男性には、この時代にノスタルジーを感じている人も多いのではないでしょうか。
一夫多妻制、あるいはハーレムです。
でも、そんなことが許可されたら、特定の男性に何人も女性が集まって、僕らの方に女の子が来なくなってしまうのですが、果たしてそこは承知の上でしょうか。

■心を濡らす

さて、一夫多妻制の代表のような人物といえば、豊臣秀吉です。正妻のおねの他に、有名なところでは秀頼の母親である淀君、その他、手をつけた女性数知れず。
この場合、跡継ぎの生母である淀君に寵愛が傾いていたように思いますが、秀吉にとっておねは特別な存在だったようです。
おねは、まだ秀吉が身分の低い足軽頭の時代に、上役の家から娶った女性で、いわゆる苦楽を共にした糟糠の妻です。
その間、秀吉の出世の為に随分内助の功もあったでしょうし、夫の行き過ぎた行動を見て見ぬふりもして来たでしょう。
つまり、秀吉にとって、おねは大事なところをガッチリ掴まれて、頭の上がらぬ相手であったのです。
どうでしょう、自分の奥さんを思い出してみても、あえて意識はしていませんが、完全に頼りきってはいませんか。それは、最後の最後では助けてくれますし、結構いろいろなことを見て見ぬふりをしてくれるからです。
対して、男性が妻以外の女性に抱くのは、愛欲の感情です。
だから、二号さんが、どうしても正妻に勝てないところがここにあります。
長年、一緒に生活している妻でなければ共有できない感情、それは信頼であったり、安心感であったり。子供のいない場所でゆっくり語り合うときに、満ちてくるなんとも言えない満足感。それは心を潤し、心を濡らす相手です。
それは、年齢や容姿だけでは、決して代替できない、もう一つの女性の魅力だと思うのですが、いかがでしょうか。