今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

売っているのは何?

(写真:金沢駅2015)

■社長の質問

昔の社長に問われたことがあります。
「僕らが売っているものは何かな?」
そりゃ、製品でしょう。
間違いはないでしょうが、社長は満足はしませんでした。
「製品だけあれば、お客さんはお金を払うの?例えば、昨日今日知りあった営業マンから、高い買い物をしようと思うかな?」
じゃあ、信用ですか?
「なら、お客さんは、うちに対する信用にお金を払うんだね?」
「そう言うことになりますね。」
「間違ってはいないが、信用は売るものじゃないだろう。ならば、その信用は、どうやって手に入れる?」
「それは・・・。」
と、そこで時間切れになりました。
最後まで、答えを聞きたかったのですが、残念です。

■売っているのは信用?

しかし、その後自分なりに考えて、答えを出しました。
どう考えたか?
まず、製品だけではお客さんはお金を支払いません。
何故なら、製品とは本来、購入して使ってみて、初めて価値が分かるものだからです。
間違いないものなら、私たちは喜んでお金を払うでしょう。
つまり、購入前、私たちはお客さんにリスクを強いている訳です。そして、営業行為とは、大丈夫ですよ〜、とリスクを解消している行為とも言えます。
ですから、最近の5つ星評価とか、カスタマーレビューとかは、ユーザーがその購入リスクを最小限にできる仕組みを、売り手側が用意している訳です。
あるいは、口コミをうまく利用して、「あの人が勧めるんだから間違いない」と誘導する方法もあります。例えば、ユーザー会に参加してもらい、いろいろな特典を与える代わりに、製品のスピーカーに育成するとかです。

■お客さんの判断基準

しかし、究極的に敵わないなあ、と思うのはあの「三河屋さん」です。
「三河屋さん」、そうアニメ「サザエさん」に出てくる近所の酒屋さんです。
「ちわ〜、三河屋です。何かご入用のものはありませんか?」とイキナリ裏口から現れます。
サザエさんも呑気に、「あらあ、三河屋さん」と応対していますが、そこまで生活圏に侵入を許せるのは顔馴染みだからです。
いつも、近所にいてしょっちゅう顔を合わせている。気心も知れているから、何でも頼みやすい。
なかなか、この関係に割り込みづらいですね。
つまり、製品云々前に人で信用され、リスクが解消されています。
そして、どんなに立派なカタログや、会社の知名度があっても、お客さんの判断基準は、見も知らぬ製品より、目の前の気心が知れた営業マンに傾くのです。
そう、結局、売っていたのは、私と言う人間そのものでした。

■会社=自分です

私は、会社の一担当者、役職もないし、経験もない。
だからと言って、「私に期待しないで下さい」とは、お客さんには言えないですよね。
何故なら、どんな大きな会社から派遣された、どんなに未経験の自分でも、お客さんからは、「会社=私」と見えているからです。
また、会社との唯一の接点が私であり、お客さんにしてみれば一番頼りにしたい人でもあります。
お客さんだって、少々不手際があっても、なかなか「担当を変えてくれ」とは言いにくいものです。お客さんから酷く叱られるのも、信頼の裏返しであり、愛情だったりします。人間関係を無視して、自分の立場だけを考えれば、「担当を変えてくれ」の一言で済むはずですから。
本来あってはならないことですが、同じ会社の担当でも、当たり外れが現実にはあります。
最近は、会社ではなく、人で検索しろ!とまで言われる分野があります。例えば、「名医のいる病院」と言う情報が出回っている医療界がそうですね。やがて、我々IT業界まで、その波が押し寄せるかも知れないと思うと正直ゾッとします。会社員がタレント化していく訳です。
それも、企業の立場からすれば、目の前のお客さんは大勢の中の1人ですが、お客さんからすれば、目の前の私が会社そのものだからです。
自分が会社とお客さんを結びつける接点な訳で、まさに売っているのは自分自身。そして、お客さんに満足していただけるように自己研鑽に励みたいと思います。