今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

軍師的、オレ

(写真:ヒッチコック・ナイト その2)

■課題に強い

「俺って、ひょっとして軍師向きじゃない?」
思わずそう呟いたら、さっそく聞きとがめた人に「何で?」と尋ねられました。
何でこんな時だけ反応するかなあ、と思いながらも、出してしまったものはしょうがないから、一生懸命回答を試みます。
「だって、自分、課題解決が得意じゃん。いつも、いろんな難問に答えてるでしょ。」
「確かに。でも、それが何で軍師?」
「そりゃ、知恵袋と言うか、ブレインと言うか。」
「まあね。でも、軍師ならば、もっと自分の言ったことに責任を持ちなよ。面白そうだと、すぐ食いつく癖に、飽きると結構やりっぱなしだぜ。」
「グッ・・・。」
ヤブヘビでしたね。

■実行に弱い

アイディアはよく出すんですが、実行力が弱いのが自分の難点です。
人の課題解決が得意なのは、つまるところ、アドバイスした結果の実行も、実行したあとの責任も人に任せられるからかも知れません。
そう気がつくと、結構冷や汗ものです。
つまりは、口は出すけど手は出さない。ちょっと職業人として恥ずかしい人間になっているかも。
何かアイディアを出して、それを実行しようといろいろ調べはします。また、いろんな人に意見を聞いて、感触をつかむまではします。
ただ、すぐに壁が立ちはだかります。
それは、いよいよ実行段階に入った時、自分一人ではできないので、社内に賛同者を見つけなくてはならないからです。また、上司の了解も必要です。
しかし、ここから先に進むのはどうも苦手です。
本来自分は、人の依頼を聞き、それに対して結果をだすのは苦にならないのですが、人に自分の願いを聞いてもらうのが非常に苦手なのです。
なぜでしょうね。
昔から甘え下手なのは自覚しており、「やってください」と言うのがとても苦痛です。
だから、人を動かすのがどうしても不得手。
でも、それではプロジェクト単位の仕事を動かせないので、何もできないまま時間ばかりが経っていきます。
要は実行力に問題があるのです。

■作戦はオレ、決断は殿様

自分なりに、そんな自己分析ができたのは、かなり前です。
だから、自分が作戦を立て、誰かをその気にさせて、その人間に実行して貰おうと考えました。
そうすれば、チームを作って人を動かす苦手な部分をしなくても良いですから。
つまり、自分は作戦参謀をするから、トップで旗を振る殿様はやってください、そう都合よく考えていたわけです。
もちろん、一番しんどい殿様の役をお願いするのですから、あとは全力で支える覚悟はありました。自分の身体と時間でやれることは、精一杯やらせて貰おうと。
しかし、そんなに都合良く自分の筋書きに乗る人はありません。
やはり、自分にとってしんどいことは、人もしんどいことですし、そんなにやりたけりゃ自分でやりなよ、となります。
全く正論です。

■何万と死なせる覚悟はあるのか?

軍師は入れ知恵をして、殿様がそれを実行する。浅はかにも、そんなイメージを持っていましたが、軍師の本質は何より「決断」です。
何故なら、軍師は作戦を立てるのみならず、現場の武将に指示をして、彼らはそれを信じて実行するからです。
すると、武将の下の兵卒が何万人と死ぬかも知れない。昔の戦争において、兵卒の命がリソースそのものです。だから、その損耗を恐れていては、作戦の立案はできません。
そして、時には10パーセント、20パーセントの消耗、つまりは死ぬことを見越して作戦を立てることもあります。
今から思えば酷い話ですが、その兵卒に命を捨てさせることを決断できるか、それが軍師の覚悟であり、また才覚だったのでしょうね。
今は私たちのビジネスの現場で、実際人が死ぬことは許されませんが、ビジネスを行うために用意された資産を浪費してしまうことはあります。
しかも、作戦を立案する時点では、すべて仮説であり、実行段階ではその仮説がひっくり返って、大きな損害を出すかも知れない。
ですから、アイディアを出すならまだしも、それを実行するのは、とても勇気のいることです。
しかし、どこかの国みたいに、作戦に失敗しても命まで取られる訳ではありません。
決断も実行もせず時間を浪費するか、失敗も覚悟で断じて行うか。
ビジネスは厳しい戦いです。これを、よく腹に入れて取り組みたいと思います。