今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

CIO

(写真:キャンディ・フラワー)

■CIO

CIO、中小企業ではまだ馴染みのない役職ですが、大企業ではかなり広がっているポストです。
CIOは、Chief Infomation Officer(最高情報責任者)と言う立場です。
この役職は、企業の情報化、つまり、ITもしくはICTを先導し、その結果に責任を持ちます。
もちろん、以前はITの本場のアメリカでもあまり馴染みはありませんでした。
しかし、近年急速な情報化、デジタル化の波の到来に随って、ITが企業の業績を左右すると言っても良い状況になってきました。
それまでは、企業のITは情報室、あるいは電算室が主導していましたが、ITが企業の業績に大きな影響を与えるようになると、もっと権限のある経営サイドの関与が必要になってきます。
それが、CIOと言う役職なのです。

■ITの役割

ITの役割も年々変化しています。
まず、ITの仕事と言えば業務の効率化からスタートしました。
皆さんの会社で最初に導入されたITは何だったでしょうか。
昔を知る人なら、経理部門に導入された大型の計算機を思い出すかも知れません。
それが大型計算機からオフコンへ、単なる計算機から、毎月行っている計算を覚えこませ、結果を記録したり、印刷したりする機能へと進化していきました。
そこでIT化が図られたのは、まずは会計や給与処理のような定型業務です。そして、販売管理のような請求、回収に関わる仕事でした。
やがて、パソコンの時代。
まずパソコンの普及は中小企業の一台での利用から始まりました。オフコンに比べ安い分、性能も堅牢さも劣るパソコンの導入は、それまでのオフコンユーザーの選択肢に入らなかったからです。

■SoRからSoEへ

そして、32ビットOSのWindows95の頃から、プロの担当領域だったOSが、一気に一般ユーザーに解放されました。ユーザーは、Windows対応のアプリを購入して、手順に従ってインストールすれば、パソコンの画面上にアイコンを表示することができます。そのアイコン一つ一つが私たちに割り当てられた業務に対応していました。
つまり、一部の専任者だけが利用していたITが一気に会社の担当者レベルまで拡散し、低価格になったパソコンは汎用機として、一人一台持ちの時代へと突き進んだのです。
今や、事務所でパソコンを使うのは当たり前、筋骨隆々のマッチョな社員まで、一生懸命パソコンのディスプレイを睨むのが仕事と言うのは、なんか違和感がありますね。
その間、事務所内のサーバーにデータや機能を集約して、社内のパソコンからつなぐLANや、あるいは広域の拠点間をリアルタイムにつなぐWANの技術が進化していきます。
そして、昨今はクラウド、もはやデータも機能も社内にはない、遠く離れたデータセンターからサービスを借り受けて、必要な人が必要な分だけ利用する時代になりました。
今や、お金を払って購入したものを、資産として所有する段階ではありません。さながら発電機を持たずに、発電所から必要な電気を購入しているのに似ています。
まさに、これからのITは、サービスであり、インフラなのです。
そして、モバイルの時代、つまり私たちにとって、もはやITは常時携帯するものです。
それは、まるで服を着ているような身近な存在。気がつけば、私たちの生活がどんどんITに置き換えられていることに気がつきませんか。
分かりやすいのは、電車の時刻表、あるいは道案内、料理のレシピ、お店を探すのも、最近では必ずITが主役です。
つまり、今やITは生活インフラであり、企業も関わり方を見直さざるを得ない時代なのです。
今までは、企業活動、とくにお金の流れを記録するSoR(System of Record)が中心でしたが、これからは主体的に顧客に働きかけ、売上を誘導するSoE(System of Engagement)が求められています。

■Cief Innovation Officer

このSoEの例としては、最近のクーポンの仕組みが分かりやすいでしょう。
自社の専用サイトを通じて、顧客情報と引き換えにクーポン券を配布する。しかも、スマホに配信するので、顧客は紙に印刷する手間すらありません。
そのサービスが100円程度のものであったとしても、手間がない分顧客は利用しようと言う気持ちになりますし、さらに実店舗に足を運ぶ動機になります。
しかも、それら一式の仕組みの構築が以前より比べものにならないくらい安価に、短期間で出来るのです。また顧客への配布にかかるコストもほとんどありません。
まさに、アイディア次第で、どんどん新しいサービスを顧客に提供できる時代です。そして、ますます各社はITを使ったビジネスモデルにしのぎを削るでしょう。
ただ、現実には「ラクスル」に代表される最近のイノベーションは、新興のスタートアップが担い手です。その内容は、「あ、そこ」的な「言われてみれば」の内容が多く、資金も影響力もある大手企業なら当然すぐ実現できるようなものがほとんどです。
しかし、大企業の場合、アイディアはあっても、それを社内に広め、賛同者を募り、ましてや組織を動かすパワーは並大抵でありません。そのため、事業化のハードルは高くても、機動力の勝るスタートアップに先を越されるのでしょう。
その状況を憂い、経営自らITで業績を上げようとする立場がCIOです。
そして、昨今はこのCIOを「Cief Innovation Officer」と表現する場合もあります。
すなわち、昨今のイノベーションの主役はITであり、デジタル化です。ですから、ITを主導する立場は、そのままイノベーションを主導する立場なのです。
あのユニクロのファストリテイリングはIT投資で注目を集めています。そして、自らをIT企業と言ってはばかりません。
その中、本来ITのプロである私たちは、この流れに、どう振る舞うべきか?もし、実業の方がイノベーションに近いとすれば、我々こそ置いてけぼりを食うかも知れません。
よく自分たちの立ち位置を考えねばならない時期だと思います。