今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

ビジネスはご縁なり

(写真:夕焼けエントツ)

■わらしべ長者

わらしべ長者は、ご縁の大切さを教えた話です。
〜・〜
ある時、文無しの男が夢のお告げを受けました。
「長者になりたいと言うそなたの願いをかなえてしてしんぜよう。まず、目が覚めて一番に掴んだものを大事に握っておくのだ。そして、それが欲しいと言うものが現れるまで決して手離してはならぬぞ。」
そこで目が覚めた男。
早速通りにでて、何か良いものが落ちていないかキョロキョロ探し始めました。
小判かな?ひょっとしたら千両箱かも知れないぞ。
そうこうしているうちに、つい足元がおろそかなり、石につまずいてバッタリと倒れてしまいました。
そして、「おお、痛てて」と立ち上がると、いつの間にか手にはわらしべを握っていたのです。
「なんだこんなもん。」
一度は、そう思って捨てようとしましたが、夢のお告げを思い出し、思い直して持っておくことにしました。
しかし、こんなわらしべでどうして長者になれるのでしょう。
仕方なく歩き始めた男の周りをブンブンと音を立ててアブが飛び回ります。
男はこうるさいアブを捕まえると、わらしべの先にくくりつけました。アブがブンブン、わらしべを引っ張って飛び回ります。
ところが、それを見ていたものがありました。

■縁が縁をつなぐ

「あれが欲しい」
アブをくくりつけたわらしべを見て、小さい男の子が指をさします。
どうやら飛び回るアブの滑稽な姿が気に入ったようです。
「あれが欲しい、あれが欲しい」
あまり男の子がせがむので、そばにいた乳母らしい女性が、男に声をかけてきました。
「あの失礼ですが、そのアブをくくったわらしべをお譲り願えないですか?」
「欲しいものが現れたら渡しても良い」と言う夢のお告げを思い出した男は二つ返事で承知しました。
やがて、わらしべを手に入れた男の子は、キャッキャと嬉しそうに笑っています。
「これはほんのお礼です。」
男の子の乳母はわらしべのお礼に幾つかのミカンをくれました。
(やあ、わらしべがミカンになった。)
喜んだ男は早速どこかで食べようと、落ち着ける場所を探していると、木陰でフウフウ言っている行商人と出会いました。
「どうなさいました?」
「いや、この炎天下にすっかりやられてしまって、この木陰で休んでいるのですが、実は水を切らして動けずに難渋しております。」
「それはお困りでしょう。」
そう言って、男は貰ったミカンを行商人に差し出しました。
「おお、これはありがたい。」
ミカンを食べて生気を取り戻した行商人は何度も礼を言って、お礼に行商している反物をくれました。
思わず反物を手に入れて、びっくりしながら、男はさらに先に進みました。
すると、道端に倒れている馬と、馬に毒づきながら鞭をくれている旅人に出会ったのです。

■ご縁をつないだ結果

「えいこら、しっかりしないか。この役立たずめ。こんなところでくたばられてたまるか!」
旅人が散々ムチを振るう先は、今はもう息も絶え絶えの可哀想な馬です。
馬が哀れになった男は、旅人に話しかけます。
「そんな、手荒に扱わなくても良いではありませんか。今にも死にそうになっていますよ。」
「ワシの馬だ。どう扱おうがワシの勝手だ。」
一向に聞く耳を持たない旅人に、男は意を決してこう言いました。
「ならば、その死にかかっている馬と、私の持っている反物を交換しませんか?」
「何?その反物とか?」
そう言って旅人は反物を値踏みするように、馬と代わる代わる見比べていましたが、やがて「分かった!そんなに言うなら交換してやろう」
そう言って、反物を受け取ると、旅人はそそくさとその場を離れていきました。
馬を譲り受けた男は、せっかく縁があった馬だと、水を飲ませたり、飼い葉を与えたりと、その場にとどまりいろいろと世話をしました。
やがて、陽は落ち、夜が更け、また朝が来ました。そして、馬にもたれて眠りこんでいた男は、馬がブルルと身体を揺すったので目を覚ましました。
なんと、世話の甲斐があって馬はすっかり元気になっていたのです。
馬と道づれになった男はさらに先へと進みます。
そして、立派な屋敷の前を通り掛かった時のこと。
屋敷の中から「もし、もし」と声をかけてくる人がいます。
見るとこの屋敷の主人でしょうか、旅支度をした恰幅の良い人が門の中から招いています。
「私のことですか?」
「はい、あなたです。ここであなたに巡り会えるとはなんと言う幸運でしょう。実は、私は所用ができて、急いであるところに行かねばなりません。そこへ、あなたが馬を引いてきてくださった。
お願いです。その馬をお譲りくださるまいか。」
せっかく道づれになった馬で、別れるのは残念でしたが、屋敷の主人があまりに困っている様子なので、彼に馬を譲ることにしました。
「有難うこざいます。ついては、代わりと言っては何ですが、私のいない間、この屋敷のものを好きに使ってください。そして、もし、三年経っても私が戻らない時は全てあなたのものにして下さって結構です。」
そう言って、屋敷の主人は旅立っていきました。
それから、三年、いや四年、五年、男は屋敷の主人が帰ってくるのを待ちましたが、ついに彼が帰ることはありませんでした。
かくして、一本のわらしべが縁で、広い屋敷と広大な田畑を手に入れたのです。そして、皆んなは彼のことを「わらしべ長者」と呼びました。

■ご縁を流さないこと

これは、すごい出世ストーリーですね。
一本のわらしべから、あっと言う間に長者にまでなるのですから。
この話の中では、男は手に入れた縁を大切にしています。
つまらんわらしべだからと投げ捨てず、貰ったミカンだからと食べてしまわず、反物を貰っても安易に売り払ったりはしません。
それを最も必要だと思われる人に与えて、ご縁を大切にした結果、次から次ともっと良い縁に恵まれていきます。
「そんな都合良く行くか!所詮は昔話じゃないか。」
そんな声も聞こえて来そうですが、果たして私たちはいただいたご縁をそこまで大切に扱っているでしょうか。
日頃普通に業務をしていれば、否応なくいろんな人と関わります。それは、お客さんであったり、仕入先さんであったり、協力企業の人であったり、問い合わせを受けた人や、あるいは問い合わせをした人であったり。
そこで、メールアドレスや名刺を交換して、お付き合いが始まります。
でも、お金のやり取りをする関係でなければ、大抵はだんだんと疎遠になっていきます。
しかし、せっかく一度結んだご縁です。
常にアンテナを立てていて、何か役に立てることはないか気にかけておきたいものです。
あのお客さんに、この業者さんをマッチングしたら喜んで貰えるかも。
そうすれば、「うちのこと気にかけてくれているんだ」と感激して、新しいお付き合いが始まるかも知れません。
相手がどんな大企業でも、お付き合いするのは一人の担当者です。そこから始まったお付き合いが、最初はわらしべのような小さなことでも、いずれ大きなお付き合いに発展することもあります。
今までせっかくのご縁いただきながら、申し訳ないことに無駄に流して来たことが反省されます。しかし、これからは少しでも心を入れ替えて、出会った皆さんとのご縁を大切にしたいと思います。