今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

イマジン

(写真:流れ星雲)

■イマジン

ビートルズの中心メンバー、ジョン・レノン、そのソロの代表曲『イマジン』。
1971年リリースなので、もう45年も前の曲なのですね。
私は、1980年にジョン・レノンが凶弾に倒れた時に、初めて耳にしました。
静かな旋律のピアノで始まる、とても優しい曲です。そして、歌詞に込められているメッセージも、非常に切なく優しい内容でした。
〜・〜
想像してごらん、天国なんかないんだよ。
やって見れば、君にもできるだろう。
足の下に地獄もないんだよ。
頭の上には空があるだけ。
そして、想像してごらん。
みんなが今だけを生きているんだ。
・・・
想像してごらん、国境なんてないんだよ。
難しくはないはず。
それで殺しあったり、死んだりもしない。
宗教なんてものもない。
そして、想像してごらん。
みんな平和に暮らしているんだ。
・・・
君は僕を夢想家と呼ぶだろうね。
でも、僕だけじゃないよ。
いつか君も僕の仲間になって、
そして、世界が一つになるんだ。
・・・
想像してごらん、所有もないんだ。
君ならできるさ。
欲張ることも、飢えることもない。
みんな兄弟なんだ。
そして、想像してごらん。
みんなで世界を分かち合うんだ。
・・・
君は僕を夢想家と呼ぶだろうね。
でも、僕だけじゃないよ。
いつか君も僕の仲間になって、
そして、世界が一つになるんだ。

■ドリーマー

いや、お恥ずかしい。
これは、私なりの和訳です。
しかし、なんと言う世界観でしょう。
ジョン・レノンは、何の制約もつけずに自由に自分の理想郷を語っています。
人間の本性は善である。なのに、国境や、主義主張や、宗教対立や、欲望がこの地球を住みにくくしている。そして、いろいろな悲惨な出来事を引き起こしている。
もし、そんなものを全て取っ払ってしまったら、人類はフラットで、差別なく、寛容で、おおらかで、そして平和に暮らせるだろう、と。
もちろん、人間がそんな存在でないことは分かっています。好いてはれた夫婦ですら、殺しあうのですから。
それに、今の資源だけで、地球人類全てを幸せに生かすことはできません。悲しいかな、持てるもの、持たざるものに分かれざるを得ないのです。
そう、イマジンの歌詞は全くの夢想。そして、歌の登場人物はドリーマーです。
しかし、なぜ、この歌が私たちの心を打つのでしょうね。

■全ての始まりはドリーマーから

確かに、イマジンの歌詞は非現実な夢物語かも知れません。しかし、それは今時点の話です。
以前、投稿で書きましたが、人類は長い歴史の中でお互い殺しあう数を劇的に減らしてきました。昔は牧歌的な平和な世界で、対して今は、近代兵器で殺しあう血なまぐさい世界のように思われています。
しかし、ある学者が統計を取ったところ、人類は互いに殺戮し合う数を減らしているのです。特に顕著になったのは産業革命以降で、2度の大戦のあった20世紀ですら、19世紀より減っていると言います。
そうすると、今は人類史上もっとも人が死なない時代ということになりませんか。
もし、この仮説が正しいならば、いずれイマジンの世界が実現するかも知れません。
もっとも、そのためにはコミュニケーションやエネルギー、そして食糧にもっともっとブレークスルーが必要でしょうが。
そして、この理想郷のビジョンは、ジョン・レノンのようなドリーマーがいて、全人類を先導して成し得るのです。

■Little  girlrs  with  dreams  become  woman  with  vision

この小見出しを和訳すると、『夢見る少女は、やがてビジョンを持った女性にとなるだろう』となります。
夢見る少女、そうですね。ちょうど、今の朝ドラの『あさが来た』の主人公がそうでしょうでしょうか。
ドラマの主人公の「あさ」は、女の子に似合わずお転婆で、ソロバン好き。
男の子のように生きたいと願います。当然、両親にとっては持て余しもので、出来の良い姉と比べられて肩身が狭い。
しかし、そんな彼女を理解し、応援してくれる人たちが現れ、あさは夢を諦めることなく成長します。
やがて、嫁いだ彼女はお姑さんに呆れられながらも、ついには持ち前の商才を活かし、嫁ぎ先を幕末の動乱から守ります。
さらに、いくつか事業を成功させ、最後は念願だった女性教育の先駆者として後世に名を残します。
まさに夢見る少女が、ビジョンを持って時代を変革した女性となったのです。
私たちも、仲間内で冗談半分で夢を語りますが、最後は夢想家と揶揄しあって終わっています。
しかし、夢想し続けた夢想家が世界を変えているのは、まさに、昨今のイノベーションそのものです。
夢見る力、侮れませんね。