今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

事業は価値の創造

(写真:色づくストリート)

■作業と事業

今でもよく、「作業」ではなく、「事業」をせよと諭されます。
しかし、今まで「事業」についてあまり意識してきませんでした。
事業なんて、経営者が考えれば良いくらいにしか考えてこなかったのです。
つまり、経営者や上の人が、私たちが働く器を用意して、その器の中で、「仕事がきつい」とか、あるいは「仕事に対して給料が安い」とか、そう言っていれば責任が果たせていると思っていたのです。
しかし、それは「作業」だと言われます。
「作業」では、私たちの命を使う価値がない。ただ、命を消費して、その対価を受け取る、命の切売りをしているに過ぎないと言われます。
それに、「あと10年だぞ。このまま幕引きして後悔しないか」と諭されれば、このままやっていれば何とかなれるとか、もうそんな甘い夢や会社に期待を持っていられる年齢ではないことを思い知らされるのです。

■事業とは

では、「事業」とは何でしょうか。
それは、企業で重い責任を担っている人がすることくらいの認識しかありませんでした。
そこで、ネットで調べてみました。
「事業」とは、「生産・営利を目的として経営する仕事」とあります。
ほら、やっぱり、経営者の仕事じゃないか。「経営する仕事」とあるから。
しかし、今は口を開けて、作業が割り振られるのを待っていて良い時代ではありません。
昔、情報部門は、企業のITインフラを整備保守するのが仕事でした。
ところが、ネットワークのオープン化や、クラウドの台頭により、情報部門の役割はどんどん縮小しています。ましてや事業部門は、自分でベンダーやクラウドサービスを選定して、情報部門スルーのまま独自にITを調達しています。
このままでは、情報部門の存在意義が消滅しかねない。そんな危機感に後押しされてか、情報部門から事業部門にどんどん新技術を提案してマッチングしたり、あるいは自分たちのノウハウを活かして外販に取り組んだりしています。
まさに、今まで受け身だった情報部門が自ら動いて、実業に近づこうとしています。
そして、自分たちで、生産・営利の担い手として事業を動かそうとしているのです。

■事業と顧客

つまり、今は会社に籍をおく全ての部署、そして社員が自ら事業の担い手として、食い扶持を稼ぐことを求められているのです。
ひょっとしたら、この流れは会社の奥深く鎮座している総務、経理部門も例外でないかも知れません。
では、私たちが事業を展開するに当たり、まず分かっていなければならないのは何でしょうか。
そうです、それは具体的に何をするかと言うことです。
そして、実際に展開するに当たり、私たちすべき事業とはどのようなものでしょうか。
かのドラッカー先生は、「事業を規定するものは顧客である」と教えています。
私たちがどのような事業を展開すべきか、それを決めるのは「顧客」だと言うことです。
しかし、ちょっと待ってください。
「事業」はこれから展開するんですよね。
事業があって、初めて顧客が生まれるんじないでしょうか。なのに、事業の前に顧客がいて、その人たちが私たちの事業を決めるなんて、なんか逆じゃないですか?
でも、こんな「えっ!」と思わせる逆説的な言い方が、ドラッカーの魅力なんですけどね。

■事業は価値の創造

ここで言う「顧客」とは、正確に言えば、今取引をしている顧客ではなく、将来顧客となるべき人のことです。
その顧客となるべき人とは、どんな人か?
それは、お金を払ってでも、私たちが提供する価値を欲している人を言います。
そしてその価値は、その人たちの抱えている課題や問題点を解決することによって発生したもです。
つまり課題があって、それを解決して得られる利益が、私たちに支払う対価より大きな時に、初めて顧客となって貰えます。
そして、課題を解決して得られる利益こそが顧客にとっての価値であり、それを創造するのが、私たちの事業であるべきなのです。
少々、回りくどい言い方になりましたが、私たちの事業は世の中の課題、困り事にフォーカスします。そして、その困り事が深く広いほど、顧客の数は多く、市場は広くなります。あとは、その困り事に対して、自分たちが他社よりも優位に解決策を提案できるかだけです。
と、簡単そうに書きましたが、なかなかこの事業のマッチングポイントを探すのは簡単ではありません。さらに、社員全員で3日間合宿して突き止められるような単純なものでもありません。
しかし、ひょっとしたら何の気無しにお客さんが口にしていることかも知れません。そして、普段自分たちに関係無いと聞き流しにしていることかも知れません。
それを今日からでも意識を持って丁寧に拾い上げていくことで、そこに価値を見出せる可能性があります。そして、それを会社の特定の人だけではなく、現場の一人一人が参加意識を持って取り組んでいく。そこから議論が生まれ、アイディアが生まれ、流れが生まれ、事業が生まれる。
そんな職場になれば、月曜日が待ち遠しいでしょうね。