今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

インバウンド

(写真:沿線の月)

■インバウンドとは

インバウンドと言う言葉をよく聞きます。
使われる場面は、「インバウンド消費を取り込め」とか、経済誌などで見かけますね。
インバウンドとは、海外から日本に来る観光客を指して言います。そこから、海外観光客を日本に誘致する時に使われるのが一般的です。
むしろ、私たちには「爆買い」と言う言葉の方が馴染みあるかも知れません。
中国の沿岸部の人たちが、安い航空券や、フェリーに乗って大挙して日本にやってくる。
そして、電化製品や化粧品を、自分だけでなく、家族や親戚、知り合いに頼まれた分まで買って帰る。
それが、日本人の普段の購入の仕方と桁が違うので、爆買いと評されるのです。

■なぜ、インバウンドが起きるのか

では、何故、近年爆買い、つまりインバウンド消費が旺盛なのでしょうか。
それには、いくつか理由を挙げることができます。
まずは、アジア地域の急速な経済発展が理由です。そのため中国沿岸部や都市部では、富裕層がたくさん現れています。
しかし、中国国内の製品はまだまだ品質が追いつかず、お金を持っている人たちは少しでも良いものを求めて遠くまで買い付けに出かけています。
例えば、中国では子供に安心して飲ませることができる粉ミルクがないので、香港まで大量買い付けに来ると聞いたことがあります。
そして、日本製品の質に対する信頼感。
やはり、日本製品は良い。でも、日本まで買い付けに行くのはたいへん。
それが、このところの円安と、LCCやフェリーなどの格安の渡航手段の登場、さらにビザによる出入国手段の簡素化が相まって、多くの観光客を日本に引き寄せているのです。

■次に来るもの

もちろん、これは一時的な特需と見た方が良いでしょう。
今は順調に数字を伸ばしているインバウンド消費も、中国経済の失速も懸念される中、いずれ減退すると思われます。
それによく考えたら、我が日本も高度成長期は、インバウンドの反対のアウトバンドが盛んでした。
つまり、国内で買うと関税や輸送費、何やかんやで割高になる舶来品を、海外に出かけて観光ついでに爆買いをしてきたのです。もちろん、今の中国とはスケールが違いますが。
よく父親が海外旅行する度に、洋酒やタバコを何袋も買い込んできたのを思い出します。
しかし、昨今はどうでしょうか。
日本人の海外旅行は、相変わらず盛んですが、ショッピングの熱は前ほどでないように思います。
むしろ、手軽に行きやすくなった分、お金をかけずに、見たいものだけを見たり、欲しい一品だけを求めたりして、賢く選択買いをしているのではないでしょうか。
それに、日本の製品やサービス水準が十分高いので、国内で欲求は十分満たせますしね。また、ものに絞れば、インターネット時代なのでネットで海外製品を仲介してくれる業者はいくらでもいます。
同じように、周辺アジア地域からのインバウンドもいずれ落ち着き、互いの物産も見慣れた日常品になるかも知れません。

■世界との向き合い方

一時、グローバルスタンダードと盛んに言われました。
いわゆる、世界標準。
これに合わせなくては世界では通用しないぞと、英語熱が高まったり、会計基準を合わせたり、果てはやたらCEOとか横文字の呼称が飛びだします。
海外の一流大学出にして、人件費は日本人以下。そんな海外人材の登用に、日本人である我々は失職の危機に随分肝を冷やしました。
やはり、お互い危機感を演出して、走らせたり、走らされたり、東西冷戦の頃から、この辺のやり口は変わらないようです。
しかし、今思えば、グローバルスタンダードとは、つまりアメリカンスタンダード、世界で最も力を持っていたアメリカのやり方に皆んな合わせなよ、と言うのが本当のところだったようです。
そして、アメリカの一極化が崩れて、世界にいろんな価値観を持った陣営が現れてきた昨今、私たちは外国とどう向き合えば良いのでしょうか。
前段の流れに沿うならば、私たちの日本に末長く外国人観光客を惹きつけるには、日本でしか得られない体験の提供しかないでしょう。
ますます均一化する世界の中、どこに行っても同じ製品、同じ食べ物。それで、観光客が興醒めして、ネットの既視感だけで満足してしまってはお互いの裸の姿が見えなくなります。
私たちが旅先で満足するのは、決してきれいでもない、スマートでもない、しかし、そこでしか見られない昔ながらの家並みや、風土に出会った時です。
今こそ、合理化、効率化の流れで捨て去られそうになっている私たちの根っこの文化を発信したいものです。
そして、それがまた、グローバル化する世界での本当の武器になるのでしょう。