今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

間違えられない人

(写真:バルーンフェスタ その2)

■たぶん皆んなが苦手な人

間違えられない人、それは間違わない人ではありません。
間違えられない人は、間違えていても、それを受け入れられない人のことです。
「そこ違うよ」と言うと、「そんなことはない」と散々反撃を受けます。
たまにいますよね。
「あの人、自分のことを言われると、もの凄く怒るから」
まるで、家庭の中の昭和のお父さんか、その道の権威の人のよう。
おそらく、間違えたら権威が失墜するように思うのでしょうか。こんな人には怖くて何も言えなくなりますし、「あの人苦手え」と思う人が多いのではないでしょうか。

■いつも正しいことはあり得ない

必死に権威を守ると言いましたが、それはその人の中だけの幻想です。別に、周りはそれほどまでに、その人の権威を支持している訳ではありません。
でもそんな幻想でも、「間違っているよ」と言われると崩されるように思うのでしょう。
必死に崩されないように守る姿は、さながら浜辺に砂の城を造って波にさらわれないように必死で守る子供か、針を逆立てて外の一切を拒絶したハリネズミのようです。
ハリネズミと言えば、昔から殿様や王様のような権力者は苦言を言う家臣を遠ざけ、おべっか使いを重用する傾向があります。
権威やあるいは自分が誇るものがある人は、それを大切にし、守りたいと思う心が強いから、それを崩すようなことを言ってくる人間を拒絶します。
いつも、正しい、間違わない、なぜなら王様だから、大臣だから、自分は有能なのだから。
国民なんかに、また、自分より劣る奴らに、自分の間違いを指摘できるはずがない。
そんな自意識と言うか、幻想が、自分を自分の殻に閉じ込め、都合のわるい声を一切を拒絶するのでしょう。
ですが、間違わないこと自体が幻想であり、どんなに偉くなっても変わるものでありません。むしろ、昔の名君は「家臣の言うことによく耳を傾けることが、主君の一番の仕事である」とまで言っています。

■ぶれない人に憧れるけど

ですが、反対になんでも言われる通りに流されていて良いかと言えば、そんなリーダーでは一つもものごとを進められないでしょう。ですから、人の言うことに耳を傾けると同時に、自分の強い意志を通すことも必要です。
自分に強い自信と確信を持って、グイグイと周りやプロジェクトを引っ張る人を「ブレない人」と評します。
さながら、硬い岩盤を突き通すドリルは、やはり強固な鋼でできているようなものです。
薄志弱行、少し難しいとすぐに投げ出しそうになる私などは、そんなブレない人に強く憧れます。そして、どうしたらそんな人になれるかと考えてしまいます。
ですが、ブレない人=間違わない人、とは違うようです。どんなリーダーシップに優れたカリスマ経営者も企画の半分は失敗すると告白しているのですから。

■間違っても良い、すぐに直せば

ホンダの二足歩行ロボット、アシモの開発エピソードを聞いたことがあります。
二足歩行は、実はもの凄くハードルが高くて、ホンダの技術員がいくら試作しても左右に倒れてしまったそうです。
では、人間はどうして倒れずに歩行できるのか?
そんな疑問をもとに人間の動きをキャプチャーした結果、実は人間は倒れながら歩いていることが分かったのです。つまり、いつも倒れているのを、次の一歩が支えて歩いている。
そこで、アシモの歩行にもこの動きを応用しました。二足歩行ロボットを倒れないように作るのではなく、倒れながら、それを踏み止まって一歩一歩歩くように変えたのです。
かくして、世界初の二足完全自立歩行ロボットの誕生となりましたが、この話は非常に示唆に富んでいます。
すなわち、私たちから見てブレない、真っ直ぐ進んでいると思っているリーダーはその実しょっちゅう間違っているのかも。
むしろ、敢えて勇気をもって間違えていく。だから、アシモが倒れながら前に進む推進力を得るように、間違いながら前へ前へとプロジェクトを進められるのかも知れません。
ただ、間違ったままだと、すぐ変な方向に迷走しますから、小刻みに補正する必要があります。そこも、アシモの歩き方と似ています。
小刻みに補正するとは、自分が正しいことをしているとか、間違っていないとかに拘らない。間違っていると分かったら、すぐに軌道修正をする。いや、むしろ積極的に間違っているところを探していく。
そうして、間違いながら、補正しながら、結局真っ直ぐ進んでいる姿がブレていないと映るのではないでしょうか。
間違っても良い、直ぐに直せばそれは間違いになりません。
自意識に騙されないよう、指摘された非を改めることに勇気を持ちたいと思います。
曰く、
「過ちを犯さないことを誇りとするより、
過ちを直ちに改めることを誇りとするようにしよう。」