今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

手放すと言うこと

(写真:白馬)

■捨てられない人生

ここ何年も、家のテレビの録画用ハードディスクの調子が悪い。
残り30パーセントくらいを切ると、いきなり認識しなくなり、録りためてあった番組が見られなくなる。
そうしたら、後は初期化するしかない。
楽しみにしていたあの番組も、この番組も、きれいサッパリオールクリアである。
ただ、録るは録ってあっても、実際はなかなか見てはいられない。まあ、お互い忙しい身、当たり前である。そして、まだ見てもいない番組が30時間もあったら、あると言うだけで気が重くなる。
そこにきれいサッパリとんでくれるので、残念さ半分、開放感半分といったところか。
しかし、こんなことでもないと、録った番組すら捨てられない。
そう、自分は捨てられない人間だと自覚している。

■捨てられないデメリット

でも、捨てられないと何が悪いのか。
物持ちが良いのは美徳ではないか。
もちろん、清貧の思想とも言われる。
次から次とモノを求めず、今持っている物を工夫して、長く大事に使う。そうすれば、モノに囲まれなくても豊かに暮らせる。
しかし現代は、求めなくてもどんどんいろんなものがやってくる。
チラシやパンフレット、小冊子、景品、ノベリティグッズ等々、もちろん使えるし、ここ一番では役に立つ。だからと言って捨てるに偲びないと言い出したら、たちまち家中うず高く積まれたモノや冊子の山が溢れる。
情報だって同じ。人生を今より少し豊かにしてくれるような情報には事欠かない。
テレビの情報番組にして然り。パソコンやスマホが毎日自動で配信してくるニュースにして然り。そして、ブログやメルマガ、Facebookの投稿にして然り。
律儀にそんなものたちに付き合っていたら1日いくら時間があっても足りない。それに、100の記事に目を通すより、1の実践の方がはるかに身になるのは、経験が教えている。
つまり、モノや情報を捨てられないことは、人生を複雑かつ難解にし、雑多な時間の氾濫で人生の価値を下げるのだ。

■手放す勇気

だから、世の中挙げて「断捨離」ブームである。
持ち物を今の3割に減らす。
そうすれば、人生はシンプルかつ味わい深くなる。
物流の世界でも、在庫の保管にはその商品価値の15パーセントかかると言われる。だから、メーカー、卸し、小売ともに、無駄な在庫の削減に躍起で、サプライチェーンマネジメント、ジャストインタイムが物流の重要なテーマになって久しい。
しかし、手持ちを整理して身軽になりたいと思っても、いざ捨てようとすると思わず仕分けの手が止まる。
あれも大事、これも大事と取り置くうちに、整理できたのは全体のたった5パーセント。少しも家がスッキリした感じが得られない。
なぜ、こんな結果に終わるのか。
それには、おそらく二つ理由があると思う。
一つには、今までかけたお金や時間が無駄になることが耐えられないから。モノを捨てると言うことは、それを買うために支払ったお金を捨てるように思えるのだろう。
二つには、所有していないと、持っている人と比べて寂しくなったり、羨ましくなるから。別に持っていることを自分自身喜んでいる訳でない。ただ、人比べたとき、無駄なものでも所有が優越感になる。これは、モノだけでなく、情報でも同じことが言える。

■人生のキャパを増やす

しかし、捨てる勇気を持たないと人生はどうなるか。
在庫を抱え込んだ企業は、キャッシュフローが悪くなるから、新しい仕入れや投資ができずに何時までも左前である。
モノに溢れた家は、保管に場所と労力を使い果たす。部屋の収納スペースだけでなく、心のスペースも占有されて、人生が味気なくなる。
情報を選別できずに、とりあえず全てに目を通そうとする人は、広く浅く付き合うだけに時間を取られてしまう。そして、何か一つ深く理解したとか、感銘したとか、価値のある情報との付き合い方ができなくなる。
仕事を選別できず、取りあえずあれもこれもと手を出した人は、時間の割に成果が上がっていないことに愕然とするだろう。
捨てることは、人生にキャパを増やすこと。キャパがあれば、新しい出会いや、深い感動を入れる余地が生まれる。
だから、今年こそ選別し、捨てることを覚えたい。それが捨てられない自分という人間の願いである。