今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

SDM

(写真:曼珠沙華)

■システム・デザイン・マネジメント

最近、3文字のアルファベットが氾濫している。
昔は、GNPやUFOくらいだった気がする。だが、最近は、CEOやCFO、ATMやETC、ALS、CPU、ASP、GUI、KPIなどなど、日常にすっかり溶け込んで、しかも溢れかえっている。
最近世の中の流れが早すぎて、言葉もどんどん新陳代謝するものだから、専門家が日本語翻訳を諦めてしまったからではなかろうか。
しかも、同じ3文字でも、別の意味がいろんな場面で登場する。専門家は分かって使っているのだろうが、我々からすれば混乱も甚だしい。
そんな3文字アルファベットの一つが、SDMである。
最初、何のことか分からなかった。
調べて分かったのは、SDMは、システム・デザイン・マネジメントの略と言うこと。
他にも、セマンティック・データ・モデルとか、シェアード・デザイン・メイキングとか、よく分からない専門用語の略語も兼ねている。

■システム的アプローチ

システム・デザイン・マネジメントとは、従来のシステム的なアプローチに、デザイン的なアプローチを融合して、最後イノベーションへと導くための考え方である。
システム的アプローチとは、分かりやすく言えば、まず計画を立て、その通り実行する手法である。
手順やスケジュールを、ドキュメント化し、メンバー全員で共有できる状態にする。そして、計画を立て、ルールを決め、その通りプロジェクトを動かそうとするアプローチである。
システム開発の世界では、ウォーターフォール型開発に当たる。
ウォーターフォールとは、もともとはNASAがロケット打ち上げのため、それに関わる何千人もの技術者を効率良く動かすのに考案された手法である。
ポイントは、工程の最後まで見通していること。プロジェクトで発生しうる全てを想定し、その上で最良の手順を選定し、計画を立てる。
極力偶発性を廃除し、想定した計画通りの進捗を目指す。故に手戻りや途中の変更を嫌う特徴がある。

■デザイン的アプローチ

対して、デザイン的アプローチとは、まさにデザイン中心なので、より主観的で、感性的なアプローチである。
大切にするのは、工程の計画や、進捗管理より、最終的な使い勝手や、使う人の満足感である。
本来、デザインとは、見る者の感性に訴えるものである。好きか嫌いか、手に馴染むか、馴染まないか、使い手の感覚に合わせてギリギリの調整を行う。時に、複数の使い手を想定して作り込む場合には、作り手自身の感性が大切になる。
システム開発で言えば、アジャイル型開発に当たろう。
アジャイル型は、試作とリリースを繰り返すやり方である。
短期間で製品を試作して、使い手に確認して貰う。それに対して使い手は色々と注文をする。それを聞き取って、改善した試作品を製作する。そして、その繰り返しで、使い手の満足度の高いものを作り上げていく。
ユーザーの使い手や反応が命のウェブアプリは、ウォーターフォールの計画的開発に向かない。必然的にデザイン的なアプローチが必要で、アジャイル型開発が主流となる。

■イノベーション

このように、システム的アプローチとデザイン的なアプローチには、それぞれ長所と短所があり、向く場合と向かない場合がある。
システム的アプローチは、プロジェクトが大規模で、かつ成し遂げるミッションが明確な場合有効である。
対して、ミッションの目的は決まっていても、その手法が明確でなく、探りながら形にする場合にデザイン的アプローチが向く。但、ともすれば個人的能力に負うところが多く、大規模プロジェクトで応用すると混乱を招く。
この2つのアプローチの長所を上手く引き出し、新たな価値を生み出そうとするのか、SDMである。
ウォーターフォールでルールに縛られ、没個性化しがちな工程の途中にアジャイルを組み込んでみる。
例えば、企画段階でブレインストーミングを行い、既成の概念に縛られない自由な発想でゴールを設定する。そこに至るまでのロードマップも自由にデザイン思考する。
ある程度詳細が決まったら、今度はシステム思考に切り替えて、実現性を検討し、現実の計画に落とし込む。プロジェクトで多くの人数を動かすのもシステム思考で準備する。
そして、途中不明確な部分があれば、無理に想定するのでなく、デザイン思考で試作品をリリースして、使い手の反応を調査しながら、正しい姿を探り出してゆく。
どうしても、従来型の手法に囚われがちでイノベーション、革新性とは隔たっているが、システム・デザイン・マネジメントをキチンと勉強し、現場で応用できるようにしたい。