今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

1から10

(写真:樹蔭)

参考:ダニエル・ピンク 『人を動かす、新たな三原則』より

■今勉強したい気持ちは

子どもに聞いてみる。

「今、勉強したい気持ちは?」
「全然」
「じゃあ、1から10で表すと、どの数字?」
「う〜ん、4くらいかな。」
「ふうん、なぜ3じゃないの?」
「えっ、それはねえ・・・。
だってさあ、勉強は嫌だけど、まったくやらないとテストで0点を取るでしょ。そうなったら恥ずかしいじゃん。」
「じゃあ、何点くらい取りたいの?」
「う〜ん、80点くらい。」
「80点取るには、どれくらい勉強が必要?」
「3時間くらい。」
「いつするの?」
「毎日、ちょっと。」
「なら、今日もちょっとしようか。」
「うん。」

■低い数字を選ばなかった理由がモチベーション

1から10で聞いた時、何故、もっと低い数字でなく4を選んだのか。
「何故、3じゃないの?」
ダニエル・ピンク氏によれば、この一つの数字の違いに、勉強をする本当のモチベーションが隠れているそうだ。

勉強をしたくない気持ちにも、いろいろあるだろう。
大嫌いな教科で、教科書や参考書を見るのも嫌、と言うのもあるだろう。
嫌いだけどやらなきゃなあ、と言う必要を認識している場合もあるだろう。
別に嫌いではないんだけど、今は何となく気が乗らないと言う場合もあるだろう。
それを、したい、したくない、のYES、NOで聞いたら、NOでしかない。
勢い「そんなこと言っていたら、ロクな大人にならんぞ」とお決まりの小言しかでて来ないのだ。

対して、1から10の選択肢を与えて、そのうちどれ?と言う聞き方をすれば、相手の「したくない」程度が分かる。
そして、今相手の選択した程度と、その下の程度の差が、相手が勉強をする必要を感じている潜在的な理由なのである。

■YES、NOでは分からないこと

YESかNO、0か1、オールorナッシング。
我々は、もの事を余りにも二律背反で割り切ろうとする。
したいか、したくないか。
優秀か、凡庸か。
善玉か悪玉か。
しかし、現実はその間に多様な段階のグラデーションが形成されているのだ。

この子は、後ろ向きな人だから、頼んでも無駄。今後、仕事を任せるのは止めておこう。
そう判断をしたとする。
しかし、現実には、その人なりの何らかの理由があり、その障害さえ取り除けば前向きに取り組めるかも知れない。
しかし、依頼側はもちろん、本人すらその理由が明確でないことが多い。
結局、そこまでの追求をせずに、一番明確で簡単な方法を選ぶ。
すなわち、その現場から遠ざけるのである。
すると、一見親切なようでいて、かえって居場所を奪ってしまうことになる。
だんだん、彼も居づらくなって縁を遠ざけるだろう。
何故なら、私たちが心底欲しているのは、楽をすることではなく、貢献し、承認されることだからだ。

そんな時こそ、この1から10のメソッドを有効に使いたい。
まずは、その人の段階を見極め、その下の段階との差からモチベーションを見極める。
そして、それを広げることによって参加を促すことができるのだ。
おそらく、身体が不自由な老人の自立支援や、見積通りの予算が通らない顧客への二次提案にも使えるだろう。
シンプルだが優れたメソッドである。